最後にして最強のNorthwoodコアPentium 4 3.20GHz登場



 Intelは、同社のハイエンドおよびメインストリーム向けCPUであるPentium 4プロセッサ(以下Pentium 4)の最新クロックグレード、Pentium 4 3.20GHzを発表した。Pentium 4 3.20GHzは、Hyper-Threadingテクノロジ(以下HTテクノロジ)、800MHzのシステムバスに対応した最新製品で、4月に発表されたPentium 4 3GHzの後継となる製品だ。本レポートでは、ベンチマークプログラムなどを利用して、Pentium 4 3.20GHzの性能に迫っていきたい。



●NorthwoodコアのPentium 4プロセッサとしては最終製品となるPentium 4 3.20GHz

 すでに冒頭でも述べたように、今回発表されたPentium 4 3.20GHzは、4月に発表されたPentium 4 3GHzの高クロックグレードだ。基本的には高クロックであるだけで、同じ製品だと言ってよい。

 コアは0.13μmプロセスで製造されるNorthwoodコア、L1キャッシュは12K μOps+8KBデータキャッシュ、L2キャッシュは512KBとなっている。HTテクノロジに対応し、システムバスは800MHz(200MHzのクアッドパンプ)になっており、利用するにはIntel 875/865ファミリーなどの800MHzバスに対応したチップセットを搭載したマザーボードが必要になる。

 なお、本製品は、Northwoodコアを採用したPentium 4プロセッサとしては最終製品となる可能性が高い。というのも、現在のIntelがOEMメーカーに説明しているロードマップでは、このPentium 4 3.20GHzが、0.13μmの製品としては最後の製品となっているからだ。

 OEMメーカー筋の情報によれば、次の高クロックグレードの製品としては、第4四半期にリリースされる予定であるPrescottの3.40GHzになるという。このため、順当にいけば、Pentium 4 3.20GHzはNorthwoodコアPentium 4としては最後の製品となる可能性が高いのだ。


●ほとんどのベンチマークでこれまでのCPUを凌駕したPentium 4 3.20GHz

 それでは、ベンチマークプログラムを利用してPentium 4 3.20GHzの処理能力を検証していこう。ベンチマークに利用したのは、本連載で定点観測に利用しているベンチマークで、基本的には数回前のAthlon XP 3200+のレビューやPentium 4 3GHzのレビューで、利用したものと同じだ。

 なお、本連載では、CPUレビュー用のベンチマークプログラムにSYSmark2002、Business Winstone2002、Contents Creation Winstone 2003、TMPGEnc V2.5、Photoshop V7.0.1、3DMark03、3DMark2001 Second Edition、FINAL FANTASY XI Official Benchmark、Unreal Tournament 2003/Botmachを利用しており、半年ないしは四半期に一回程度見直しをかける以外は、基本的に同じベンチマークを利用している。このため、過去ログとの比較などができるようになっているので、参考にしてほしい。

 比較対象として用意したのは、システムバスが533MHzのPentium 4 2.26GHz〜3.06GHzと、システムバス800MHzのPentium 4 2.40C〜3GHz、さらにはAthlon XPの2200+〜3200+だ。ビデオカードはATI TechnologiesのRADEON 9700 PRO、HDDにはIBMのIC35L040AVVN07-0(40GB)、OSはWindows XP Professional SP1(英語版、DirectX 9)を利用した。なお、環境は以下の通りで、結果はグラフ1〜9、表1の通りだ。

【テスト環境】
CPUPentium 4@800Pentium 4@533Athlon XP 3200+Athlon XP
チップセットIntel 875PIntel 875PnForce2-STnForce2-ST
マザーボードIntel D875PBZIntel D875PBZASUS A7N8XASUS A7N8X
BIOSバージョンBZ87510A.86A.0023.P04BZ87510A.86A.0023.P04v1004v1002
チップセットドライバIntel 5.00.1012Intel 5.00.1012NVIDIA V2.03NVIDIA V2.03
メモリDDR400/2chDDR333/2chDDR400/2chDDR333/2ch
メモリモジュールPC3200(2.5-3-3)PC2700(2.5-3-3)PC3200(2.5-3-3)PC2700(2.5-3-3)
容量512MB
ビデオチップATI RADEON 9700 PRO(325MHz)
ビデオメモリ128MB(DDR SDRAM/620MHz)
AGP Apature Size256MB
ビデオドライバATI CATALYST 3.0 6.14.01.6255
標準解像度1,024×768ドット/32bitカラー/85Hz
サウンドYMF-754R
EthernetIntel PRO/1000 MT Desktop Adapter
HDDIBM IC35L040AVVN07-0(40GB)
光学ドライブTEAC DV-516E
フォーマットNTFS
OSWindows XP(英語版、SP1、DX9)

■ベンチマーク結果

【グラフ1】SYSmark2002/Office Productivity 【グラフ2】Business Winstone 2002 1.0.1



 グラフ1、グラフ2はオフィスアプリケーションを利用時の処理能力だ。SYSmark2002のOffice ProductivityではPentium 4 3.20GHzが最もよいスコアを出したが、逆にグラフ2のBusiness Winstone 2002 1.0.1ではAthlon XP 3200+が最高スコアを記録した。このようにオフィスアプリケーションではどのようなアプリケーションを利用するかで差が若干でてくるが、全体的にはAthlon XPがやや優勢であると言えるのではないだろうか。

【グラフ3】SYSmark2002/Internet Content Creation 【グラフ4】MultiMedia Contents Creation Winstone 2003



 これに対して、写真の編集や動画の編集といったコンテンツ作成系のアプリケーションベンチマークでは、Pentium 4がやや優勢といえそうだ。グラフ3、グラフ4のSYSmark2002/Internet Contents Creation、Contents Creation Winstone 2003ともにPentium 4 3.20GHzは最高スコアをたたき出した。特に、HTテクノロジをサポートしている場合には、サポートしていない場合に比べて大きな差をつけている。

 HTテクノロジの効果をもっともよく確認できるのが、グラフ5のTMPGEnc Version 2.5によるMPEGエンコード時のフレームレートと、表1のPhotoshop V7.0.1によるフィルターの実行時間だろう(なお、表1のみ数字が小さい方が処理能力が高い)。

【表1】Photoshop V7.0.1によるフィルターの実行時間
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0624/photo.htm

【グラフ5】TMPGEncフレームレート 【グラフ6】3DMark03/CPU Score



【グラフ7】3DMark2001 Second Edition(Build330) 【グラフ8】FINAL FANTASY XI Official Benchmark



【グラフ9】Unreal Tournament 2003/botmatch 1,024×768ドット



 たとえば、グラフ5ではHTテクノロジに対応していないPentium 4 2.80GHzはAthlon XP 2500+を下回る性能しか発揮していないが、逆にHTテクノロジに対応しているPentium 4 2.80C GHzではAthlon XP 3200+をも上回っている。

 3Dゲーム利用時の処理能力を示しているのが、グラフ6、7、8、9の3DMark03(Build320)/CPU Score、3DMark2001 Second Edition(Build330)、FINAL FANTASY XI Official Benchmark、Unreal Tournament 2003/Botmatchの各結果だ。

 3DMark03はDirectX 9環境におけるテスト、残りの3つはDirectX 8環境におけるテストということになる。結果は、FINAL FANTASYを除き、Pentium 4 3.20GHzがいずれも最高性能を発揮した。FINAL FANTASYに関しては、Athlon XPの方が高い処理能力を発揮しており、FINAL FANTASYが目的というユーザーであれば、迷わずAthlon XPを選択した方がよいだろう。


●現時点ではほぼ最高性能を発揮するが価格も最高グレード

 以上のように、Pentium 4 3.20GHzはいくつかの例外を除くとほとんどのベンチマークプログラムで最高性能を発揮しており、現時点での最強のx86プロセッサと呼ぶことができるだろう。

 ただし、価格の方も最強だ。OEMメーカー筋の情報によれば、IntelからOEMメーカーへ出荷される1,000個ロット時の“公式”価格は637ドルと通知されている模様で、1ドル=120円換算で約76,000円となる。(編集部注:国内の1,000個ロット時単価は74,820円と発表された)。

 Pentium 4 3GHzの“公式”価格が417ドル(同約50,000円)であることを考えると、正直なところかなり高いと言わざるを得ない。そのため、コストパフォーマンスは悪いと言わざるを得ず、コストを重視する一般のユーザーにはお奨めできるような製品ではないことは事実だろう。

 ただし、常に高性能を必要とするデザイナーや3Dアーティストなどのプロフェッショナルユーザーや、とにかく処理能力が必要なヘビー3Dゲーマーなど、コストよりも性能重視のユーザーであれば、現時点では最も高性能なCPUと言ってよいPentium 4 3.20GHzを選択する意味があるといえる。

□関連記事
【6月24日】Intel、HT対応Pentium 4 3.20GHz
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0624/intel.htm

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(2003年6月24日)

[Reported by 笠原一輝]


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