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詳報、高級超小型デジカメ「QUALIA 016」
〜小さいことがソニーのプレミアム

6月24日発売

標準価格:380,000円

連絡先:QUALIAコールカウンター
     Tel.0570-09-0099



 ソニーが10日に発表したデジタルカメラ「QUALIA 016」は、小さなサイズとともに、38万円という価格や、販売店が限られること、受注生産されることなど、過剰なまでの高級感の演出も話題を呼んでいる。10日に開催された「QUALIA」ブランドの発表会には、実機が展示されており、手にとることができた。ここではQUALIA 016の詳細をレポートする。

●トイカメラのように小さいが、高級感溢れる筐体

 004、007、015と壇上のQUALIA製品を紹介してきたソニー株式会社の高篠静雄 副社長は、016の番になって「これはポケットに入ってますんで」と自身のポケットを探り出した。だが、QUALIA 016はなかなか出てこない。「ちょっと小さくて……毎回(この場面で)ひっかかるんです」と苦笑しながら、1時間しかない発表会の貴重な数十秒を費やして、やっと件の超小型デジタルカメラを取り出した。

 高篠副社長によるQUALIA 016の紹介がパフォーマンスだったのか、本当に取り出せなかったのかは定かでないが、QUALIA 016は本当に小さい。QUALIA 016のサイズは69.1×16.8×24mm(幅×奥行き×高さ、最大突起部含まず)だが、サイバーショットU DSC-U30の本体サイズ約85×29.7×40.3mmという数値と比較すると、その小ささが実感できるはずだ。QUALIA 016の容積は、おおざっぱに言ってサイバーショットUのほぼ3分の1ということになる。

 手にとって構えてみると、「構える」、「ホールドする」というカメラ用語よりは「つまむ」という言葉のほうがしっくりくる。超小型のトイデジカメ「Che-ez! SPYZ」を持ったときのことを思い出したが、質感はまったく違う。筐体の手触りはまぎれもない金属のそれで、金属製らしい重みも感じることができる。

 メモリースティックDUOスロットや外部アクセサリー端子のカバーは薄く、折れてしまうのではないかと心配になる。が、これらも金属らしい質感があって、安っぽさを感じない。

 というわけで、QUALIA 016が目指した質感の高さはきっちり実現されていると感じた。

QUALIA 016を苦労して取り出した高篠静雄 副社長 バッテリを取り外したところ。動作時間は50分。なので、3本のバッテリが付属する レンズの下にストロボなどを接続するアクセサリー端子がある。未接続時の端子は小さなカバーで覆われるが、本体から完全に離れてしまう構造になっている
メモリースティックDUOスロット QUALIA 016の原型となった超小型デジカメ。2000年のCEATEC JAPANに同社が参考出品した。このときの仕様は33万画素CCD、VGA(640×480ピクセル)の撮影解像度だった(撮影:山田久美夫) QUALIA 016には有料で手のこんだカタログも用意される。価格は1,000円

●ややのろく感じる動作

 電源スイッチはレンズのすぐ脇にある。小さく、ストロークも短いスイッチだが、適度な重さを感じる。シャッタースイッチの操作感ともども、スイッチ類の質感もおろそかにされていない。

 起動は、2003年に発売される200万画素のデジタルカメラとしては時間がかかる。正確には計測できていないが、体感で3秒はかかっている。レリーズタイムラグは感じられないが、画像の記録速度も他の機種に比べ遅い印象だ。サイバーショットUも起動に時間がかかるが、QUALIA 016も似たような感じだ。

 QUALIA 016には小型筐体で起きやすい手ぶれ対策として、デジタル手ぶれ補正機能が装備されている。デジタルビデオカメラなどではCCDのイメージサークル外の部分を使った手ぶれ補正機構がよく使われているが、QUALIA 016では4枚の画像を連写し、これらの画像からぶれていない画像を作り出すしくみになっている。このため、手ぶれ補正機能を使うとさらにレスポンスが悪く感じられる。もっとも、手ぶれ補正が使われると液晶ディスプレイにアイコンで表示されるので、アイコンを見て「あ、ちょっと時間がかかるな」と覚悟を決めることができる。

 同社では発売までチューニングを進め、起動速度などをより短くするとしている。また、電源Offの状態からシャッタースイッチを押すと、すぐに電源が入って画像が記録される「ダイレクトシャッター」機能を備えており、こちらではメモリースティックのチェックなどを省いているので、起動時間が劇的に短くなる。

レンズカバーをつけた状態。ストラップは皮革製の様子 レンズの向かって左にある小さな丸いスイッチが電源 手ぶれ補正機能のしくみ

●タッチパッドには慣れが必要

 QUALIA 016の特徴の1つであるタッチパッドインターフェイスの操作は、慣れが必要だ。アップルコンピュータのMP3プレーヤー「iPod」や、一般的なノートPCのタッチパッドのように、軽く表面を撫でただけでは反応しないのだ。すこし力を入れて押したり、叩いたり、なぞったりする必要がある。個人的にはもう少し軽く操作できたほうが、扱いやすいのではないかと感じた。

シャッタースイッチ向かって左の細長い部分がタッチパッド タッチパッドの操作方法

●小さくてもちゃんと使える液晶

フレーミング中

 光学ファインダーはなく、フレーミングや撮影画像の再生には0.55型の透過型TFT液晶ディスプレイを使う。画像の追従性や発色はよく、表示されるものはちゃんと確認できる。

 だが絶対的なサイズが小さいので、フレーム内の細かいところまで確認して構図を決めたり、撮影した画像を確認するのは大変そうだ。そういうときのために、液晶ビューワーが同梱される。液晶ビューワーは、液晶ディスプレイの画像を拡大して見るためのものだが、液晶ディスプレイのように目から離して見るのではなく、ビューワーの中を覗き込むように使うのだそうだ。今回はビューワーを試すことはできなかった。

メニューを表示したところ メモリースティックや電池の残量も表示できる 液晶ビューワーをつけたところ

●すべては小型化のために

 高価で高級なデジタルカメラを実現するためには、レンズ交換式など、もっと大きな筐体を使うという選択肢もあったはずだ。同社によれば、トイカメラ的なイメージを抱かれる危険もある超小型筐体を選んだのは「小型化こそ、ソニーらしい差別化ポイント」だからだという。大型筐体や大型CCDを使い、システム性や圧倒的な画質を追求するのはソニー以外の企業でもできる。ソニーにしかない技術を求めた結果、超小型デジカメが生まれたということのようだ。

 同社のデジカメやデジタルビデオカメラでよく使われるカールツァイスレンズが使われていないことや、フラッシュやビデオ出力機能をモジュラー構造化したことなども、超小型筐体を実現するため、とのことで、まず「小型化ありき」で開発された様子が伺われる。

同梱物一式。専用ケースに収められる テレコンバージョンレンズを装着したところ
フラッシュユニットと背面に液晶ビューワーをつけたところ 外部アクセサリは複数をつなげて装着することもできる。写真はフラッシュユニットとタイマーリモコンユニットをつなげている。またレンズフードと液晶ビューワーも装着されている 小型化されたレンズユニットには、アイリスモーターも一体化されている

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200306/03-0610E/
□QUALIAのホームページ
http://www.sony.co.jp/QUALIA/
□QUALIAのニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200306/03-0610/
□関連記事
【6月10日】ソニー、「QUALIA」ブランドの高級コンパクトデジカメ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0610/sony.htm
【6月10日】ソニー、技術的こだわりを集結させたQUALIAブランド第1弾
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0610/sony2.htm
【2000年10月4日】プロカメラマン山田久美夫のCEATECデジタルカメラレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001004/ceatec3.htm

(2003年6月10日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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