WinHEC 2003 基調講演レポート


LongHornは2005年に出荷
~Windows Server 2003はSP1でAMD64に対応


Microsoft Windowsクライアント担当上級副社長のウィル・ポール氏
会期:5月6日~8日(現地時間)
会場:Morial Convention Center

 Microsoftがハードウェアエンジニア向けに開催しているWinHECは、7日(米国時間)で2日目を迎えた。本日は、Microsoft Windowsクライアント担当上級副社長のウィル・ポール氏、Windowsサーバープロダクトグループ担当副社長のデビット・トンプソン氏による基調講演が行なわれた。この中でポール氏は、“LongHorn”(ロングホーン)の開発コードネームで知られるクライアント向けの次世代Windowsの出荷が2005年になると明らかにした。

●LongHornのβ1、β2は2004年に、RTM(最終出荷版)は2005年にリリース

 ポール氏は、「多くの人々がLongHornに注目していると思うが、LongHornは3月に開発者向けのプレビューをリリースし、そのフィードバックをもらっているところだ。次の大きなステップは、10月のProfessional Developer Conference(PDC)になるが、そこでさらに詳細が明らかになるだろう。リリースの時期だが、β版は2004年に、RTM(最終出荷版)は2005年にリリースされる」と述べ、これまで“2004年の終わりから2005年にかけて”といわれてきたLongHornのリリースが2005年になったということを明らかにした。

 ポール氏自身が「詳細はPDCで」ということからもわかるように、LongHornの詳細はすべてが明らかになっているわけではなかった。だが本日の基調講演では、LongHornがUAA(Universal Audio Architecture)やMTP(Media Transport Protocol)などの機能を搭載していることが明らかにされた。

 UAAはPCオーディオの機能を拡張するもので、ハードウェアはClassドライバで仮想化することで、アプリケーション側はこれまでよりも容易に高度なオーディオ機能を利用できるようになる。UAAでサポートされるのは、Intelが2004年に導入を予定しているAC'97を置き換える次世代オーディオコーデック「Azalia(アゼリア)」、IEEE 1394、USBなどとなっており、現在のAC'97オーディオしか持っていないPCでは利用することができない。

 MTPはポータブル機器向けの新しいプロトコルで、ポータブル機器とPC間でデジタルコンテンツをやりとりする際の手順などを定めたものだ。現在は、こうした手順は機器ごとにベンダが開発しているため、専用の転送ソフトなどが必要とするが、MTPを利用することで一般的なアプリケーションからポータブル機器への転送も可能になるなどのメリットがある。

MicrosoftのWindowsロードマップ。注目のLongHornは2005年にRTM版がリリースされる 基調講演の途中で公開されたマイクロPCのプロトタイプ。となりにバイオUが展示されていたが、それよりも小さい。ビジネス向けをターゲットにしているという

●Microsoft版ルームリンクのMedia Center TV Clientのプロタイプも公開

 またポール氏は、MicrosoftがMedia Center Editionのクライアントとして計画している、「Media Center TV Client」のプロトタイプを公開した。これはATI Technologiesの組込用途向け統合CPU「XILLEON(ジリオン)」を採用したセットトップボックスで、Windows CE.NET 4.2が動作しており、Windows XP Media Center Editionに採用されているのと同じユーザーインターフェイスが実装されている。

 インターフェイスをリモコンで操作して、Media Center Editionが動作しているホームサーバーにアクセスし、ビデオやオーディオを再生したり、ホームサーバーのTVチューナーを利用してライブでTV放送を視聴することなども可能になっている。ソニーがバイオシリーズ向けに出しているルームリンクのようなものだと言っていいだろう。

 なおポール氏は「Media Center EditionとTablet PC Editionの後継を計画している。これらではインターナショナル対応を行なうほか、いくつかの新機能を追加する」と述べた。特にMedia Center Editionは、日本語版がいまだにリリースされておらず、その登場が待ち望まれていた。なおOEMメーカー筋によれば、日本でもMedia Center Editionのリリースが今年の後半に予定されている模様で、すでに各種のテストなどが開始されているという。今後、正式なリリースに向けて準備が進んでいくものと考えられている。

 また、Microsoftが松下電器と共同で推進しているHighMATに関しても、3つのアナウンスがあった。1つはWindows XPのCD書き込み機能が拡張され、HighMAT形式のCDが作成できるようになること、2つ目は松下電器が今後HighMATの形式を拡張し、DVD-Rなどに書き込みができるようにすることだ。そして3つ目は、CreativeとRoxioが新たにHighMAT形式をサポートするソフトウェアベンダとなり、近い将来にHighMAT形式ディスクの再生/書き込みソフトなどが提供される予定ということで、Microsoftは今後もHighMATの拡張に力を入れていくということを強くアピールした。

□関連記事
【2001月10月18日】ATI、高パフォーマンスのSoC「XILLEON 220」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011018/ati.htm

Media Center TV Clientのデモ。TVの上にあるのが、ATIのXilleonを搭載したセットトップボックスで、OSにはWindows CE .NET 4.2が採用されている。Freestyleのユーザーインターフェイスを利用して、Media Center Editionが動作するホームサーバーにアクセスすることができる。ライブでTVを見ることも可能 HighMAT形式のCDを書き込むためのウィザード

●AMD64のサポートはWindows Server 2003のSP1で対応

 クライアントに関する内容の後で、Microsoft Windowsサーバープロダクトグループ担当副社長のデビット・トンプソン氏が登場し、Windowsのサーバーに関するロードマップなどを説明した。トンプソン氏は「Blackcombと呼ぶ次世代バージョンを計画している」と述べ、先月リリースされたばかりのWindows Server 2003の後継として、これまで言われてきたとおりBlackcomb(ブラックコム)と呼ばれる製品を開発していると説明した。

 トンプソン氏は「Blackcombは3年、4年といった短いレンジで出荷されるような製品ではない。Blackcombに至るまでに、我々は様々な機能をWindows Server 2003に追加していく」と述べ、6月にはiSCSIの機能を追加し、第2四半期にはNAS 3.0、第3四半期にはADS、第4四半期にはVirtual Serverの機能を、2003年中にはSBS2003の機能を追加していくという。

 また、トンプソン氏は「Windows 2003 ServerのService Pack 1がリリースされるタイミングで、AMD64のサポートを追加する」と述べ、Microsoftとして初めて公式に、AMD64に対応したWindows 2003 Serverのリリース計画を明らかにした。

MicrosoftのWindowsサーバーロードマップ SP1のタイミングで、Windows Server 2003がAMD64に対応する

□WinHEC 2003のホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/winhec/
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【5月8日】【海外】WinHECで明らかになったMicrosoftの次世代セキュアPC構想
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0508/kaigai01.htm
【5月7日】【WinHEC】Itanium 2とOpteronでWindows XP 64-Bit Editionをデモ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0507/winhec2.htm

(2003年5月8日)

[Reported by 笠原一輝]


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