2月27日発表

　ガートナージャパン株式会社のデータクエスト部門は27日、2002年日本PC市場の調査結果を発表した。

　発表によると、2002年の日本でのPC出荷台数は1,153万台で対前年比10.4%減。2001年は1,287万台で7.6%減だったため、2年連続で出荷台数減少を記録した。2年連続の減少は、'84年の調査開始以来初としている。

●「ワールドカップ不況」でPC需要低迷

　出荷台数の54.2%を占める法人向けは対前年比11.6%減、45.8%を占める個人向けが9%減としている。法人向けの低迷は、「2002年は企業の買い替え需要のボリュームが少ない時期」だったことに加え、景気低迷による投資抑制が続いていることが原因としている。

　個人向けについては、多くのユーザーが買い替え時期に達しておらず、「多くの一般ユーザーにとっては、システム・アップグレードの必要性や買い替え促進要因が見当たらない」ことを原因としている。さらに2002年独特の現象として、FIFAワールドカップによって客足が鈍り、需要が大型・高品位テレビに集中した「ワールドカップ不況」をあげている。

　一方、法人需要に含まれる官公庁需要については6.3%増としており、行政電子化にともなう需要などを要因にあげている。

●ノートPC優位が続く。ディスプレイは大型化

　デスクトップPCとノートPCのシェアは、それぞれ47.5%と52.5%。出荷台数の対前年比はデスクトップPCが13.4%減、ノートPCが7.6%減。どちらも台数減ながら、2001年から続くノートPC優位の傾向は変わらない。

　またノートPCでは、15型ディスプレイ搭載機のシェアが36.7%に達し、0.2ポイント差で14型を上回って1位となった。

　出荷単価では、デスクトップPCが個人向け製品の高機能化により前年比で1.6%上昇し、151,000円が平均となった。デスクトップPCでは高機能化により平均単価が上昇したとしている。なお、デスクトップPCにおけるTVチューナ搭載機のシェアは、2001年の29.2%から42.3%へ大幅に増えた。ノートPCは2.5%下落して、平均は167,000円。

●メーカー別シェアではソニーが初のマイナス

　メーカー別シェアのトップ5はNEC(22.7%)、富士通(21%)、ソニー(11.8%)、東芝(8%)、デルコンピュータ(7.4%)。2002年4月にシェア拡大策に転じたNECは、2001年は富士通との同率首位だったが、2002年通年では単独1位を回復した。またデルコンピュータが、企業向けの大口案件取得や、個人向け需要の拡大により、日本アイ・ビー・エムと入れ替わってランク入りした。

日本PC市場メーカー別シェア(出典：ガートナー データクエスト)

　前年と同じく3位のソニーは、シェアこそ11%から11.3%になったものの、出荷台数は約141万台から約136万台へと減少、VAIO発売以降初のマイナス成長となった。ソニーは第3四半期までは市場平均を上回る成長を記録していたが、第4四半期に苦戦。他社からAV機能や用途提案型製品が多数発売され、差別化が希薄化したのが要因としている。

●法人需要好調で、2003年は3.2%増

　2003年の予測は、出荷台数が3.2%の成長としている。2002年末の法人市場が予測より好調であったこと、2003年後半に買い替え需要が増加すると予想されることなどを要因としており、法人需要による市場全体の牽引が期待されている。

□ガートナーのホームページ
http://www.gartner.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.gartner.co.jp/press/pr20030227-01.html
□関連記事
【2月25日】2002年の国内PC出荷台数はマイナス11.1%の1,246万台
～IDC Japan調査
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0225/idc.htm
【2002年2月15日】2001年の国内PC出荷台数は対前年比7.8%減の1,284万台
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0215/gartner.htm

(2003年2月27日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]