買い物山脈

ナナオFlexScan L465とRADEONの危険な関係


品名FlexScan L465
購入価格65,800円
購入日2002年10月
試用期間15日

「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです。

■チーズバーガーのサイドメニューは液晶ディスプレイ

 ソフマップで買ったチーズバーガーパソコンのレポートを前回お届けしたが、今回はそれとセットで買ったディスプレイと、後から追加したビデオカードのレポートをお送りする。チーズバーガーとセットのサイドメニューとトッピングにあたる物品だ。

 ディスプレイについては、今回はCRTではなくLCDにしようとは決めていた。会社では古いIBMの液晶ディスプレイを使っているが、特にテキストを扱っているときのすっきりとした表示と、省スペースで机が広く使えるのがありがたい。最近の液晶ディスプレイはsRGB対応にもなっていることからもわかるように、色の表示についても以前とは比べものにならない。

 購入条件として考えていたのは、1,280×1,024ドット(SXGA)以上の解像度、2系統入力対応、デジタル入力対応という仕様だった。あと、液晶の下端が机に着くほど低くするのが好みなので、そういう構造が好ましい。また、額縁が目立つのは嫌いなので、できるだけ額縁が狭くて目立たない黒ならさらによい。というぐらいだ。

 一応候補としては、日本サムスンの「SyncMaster 172T」を考えていたのだが、チーズバーガーを衝動買いしてしまった時点では通販専用モデルで店頭になかった。さすがに、通販で到着を待つ気にはならない。

 有楽町ソフマップとその近くのビックカメラ有楽町店をはしごしたが、上記の条件に当てはまるのは、ソニーのSDM-X72と、ナナオのFlexScan L465の2機種だった。ソニーは17型で液晶が低くできるが、額縁はとても広い。ナナオは黒が選べ額縁も狭いが、液晶が16型と一回り小さく、また液晶の位置を低くできない。迷った末に1万数千円安いこともあってナナオにした。ビックカメラでの購入価格は65,800円(税別)、ポイント還元は10%だった。


■デザインは気に入ったが細かな欠点が気にかかる

設置状況
 なんとかPCとLCDを左右にぶら下げて持ち帰り、とりあえず設置する。殺風景なオフィス用デスクの上に、L465の黒がワンポイントとなってなかなかいい。サイズもコンパクトで、奥行きも思っていたよりも浅く場所をとらない。額縁に張ってあるシール類をはがすと、狭くて黒い額縁は視線のじゃまにならず好ましい。

 うきうきしながら、チーズバーガー本体とアナログ接続すると何事もなく表示される。しかし、若干表示位置のずれがあったので、マニュアルを読んで自動調整を行なおうとするとメッセージが英語で「Your Setting will be lost.if you preess again now」と表示されるのには驚いた。実はL465のメッセージは6カ国語に対応しているが、日本語は用意されていないのだ。

 メッセージの意味はわかるが、国内メーカーの国内向け製品で、表示が実質上英語のみというのはいただけない。L465は、輸出優先モデルなのだろうか、それともOEM製品であまりナナオは関わっていないのだろうか。いずれにせよ残念な仕様だ。

自動調整時のメッセージは英文 6カ国語でメニューが表示できるのだが日本語はない メニュー一覧。“戻る”が一番右なので、押し間違えたときが面倒

 また、メニューを操作するカーソルキーの配置が「←↑↓→」という配置になっていて、直感的に使いにくい。キーの刻印も薄いので操作するときは手元に明かりを引き寄せないと、すぐに押し間違えてしまう。また、設置してみると、わかっていたこととはいえ、やっぱりもう一息液晶を低くしたくなる。

 このあたりの欠点はナナオ自身も認識しているようで、11月下旬に発売予定の15型液晶「FlexScan L367」では、カーソルキーも十字配置になり、液晶下端が机に着くようになった。L367は15型のXGA機だが、16型SXGAの次世代機では同様の仕様になると思われる。

調整機能は液晶の角度調整のみ コネクタ部分。左から電源、サウンド、DVI、VGA 液晶下の操作ボタン


■RADEON 8500でトラブル発生

 とりあえず1週間ほどは、SiS651チップセット内蔵のビデオ回路のまま使っていたが、やはり細かい文字がぼけた印象だ。画面全体がざわざわとした感じで落ち着かない。また、メインメモリとビデオメモリを共有しているためか、重い処理をすると、無地に設定してあるデスクトップの部分にノイズが乗る。

 チーズバーガーは、LowProfile専用ながらAGPスロットも持っているので、ビデオカードを追加することにした。条件はLowProfileで、DVI-D出力対応ということになる。

 あまりこの分野の機種は多くなかったが、九十九電機のネットショップで検索し、RADEON 8500搭載の「A85-DVC64」にした。価格は9,979円(税別)だった。

 このビデオカードを選んだ理由はビデオ入力端子が付いていることだ。もちろんLowProfileの状態でも使える。不安はRADEON系のDVI出力でのトラブルの経験をよく耳にすることだ。

パッケージ内容。ケーブルはビデオ入力用 初期設定は通常のAGPスロット用 同梱されているブラケットでLowprofileに対応する

設置状況
 ちなみに「A85-DVC64」は九十九のサイトではAOpenの製品と書かれているが、実際のパッケージにあるのは「Xia」というブランド名だけで、AOpenの名前はない。パッケージに「AOpen社製LowProfileケースのみ動作確認済み」と書かれていることからAOpenの別ブランドなのだろう。AOpen製ホワイトボックスPCであるチーズバーガーにはお似合いの相手だ。

 メモリは64MBのDDR。コアクロックは230MHz、メモリはクロック200MHzのDDRで400MHz。カードはLowprofile用としては背が高く、設置できない筐体もあるかもしれない。ケース云々の警告はこれも一因だろう。

 ドライバは、Windows XPがカードを検知してRADEON用のドライバをインストールしたので、とりあえずそのままにした。最初はアナログで接続、今回もこともなく画面が表示される。

 画面の品質はかなり向上した。小さい文字の輪郭がはっきりして見やすい。また、重い処理を行なっても画面が乱れない。ベンチマークを取ると、ビデオとの共有から解放されたメインメモリの処理速度が向上している。HDBENCHでいえばリードが69,450、ライトが29,109だったのが、88,590と34,586になった。体感できるほどの差ではないが、気持ちはいい。

 続いてDVI-Dによる接続。Windows XPの起動時にいきなり画面が乱れ、あわてる。しかし、Windows XPが起動してしまえばきちんと表示される。

Windows起動時の画面の乱れ。文字が二重になっているのは画面がブレているため BIOS設定時の画面の乱れ。数行分は全く読めず設定ができない

 調べてみると、ナナオのサイトのL465の製品情報に、ご注意として同様の症状が発生することが記載されていた。

 それによれば、「(RADEON 7500/8500/VE系ビデオカードとデジタル接続時に)PC起動時の画面、Windows起動画面、DOSフルスクリーン画面、Windowsデスクトップの低解像度設定時(640×480/16色、800×600/16色)の画面が横方法に流れたようになります」という症状で、対応策としては「上記の組み合わせでご使用になる場合は、アナログ(D-Sub)接続での使用を推奨いたします」となっている。

 また、互換性情報のページには「PC起動時に画面横流れの現象が発生する場合があります」と記載されている。しかし、トップページとはいわないが、もう少しわかりやすい形で記載していてほしいものだ。

 表示品質はアナログ接続よりもさらにくっきりした印象で好ましい。いろいろ試してみると、実用上問題になるのはBIOS設定ぐらいで、起動時の画面の乱れを我慢すれば、DVI接続でも使えなくはない。画質的にはDVI接続の方が好みなので、アナログRGB接続に戻る気にはなれない。

 どちらの製品が原因かというのはユーザーには確認できないが、他社のディスプレイでは表示できるだけに、ファームウェアのアップグレードなどで対応できるものならば対応してほしい。せめて次世代機ではなんとか対応していてほしいものだ。

 ちなみに互換性情報によればRADEON 9000/9700系は問題ないようだ。購入前にご確認されることをお勧めする。


■我慢できずにMillennium G450を購入する

パッケージ内容。ケーブルはアナログのデュアル表示用 Lowprofile専用でコネクタもシンプル 設置状況。ファンレスだが、電源ファンがうるさいので恩恵はない

 1週間ほど使っていたが、再起動時のたびに乱れた画面を見せつけられるのも精神衛生上悪いので、別のビデオカードを探してみることにした。

 BIOSをいじりまわすほうではないので、再起動しないで電源を入れっぱなしにしておけば画面の乱れを見ずにすむが、パソコン本体のファンの音がうるさくて、つい電源を落としてしまう。起動のときに見なければいいが、知っているだけにじっくりと見てしまう。実害はないとわかっていても、なんとなくすっきりしない。また、いざBIOSの設定が必要になったときのことを考えると、今から面倒くさい。

 しかし、LowprofileサイズでDVIに対応し、RADEON系でないビデオカードというのはあまりない。最後は人に教えてもらいMATROXの「Millennium G450」を購入した。G450はバリエーションが広いが、中にLowprofileでSingle DVIという機種があるのだ。購入したショップはクレバリーで価格は13,980円だった。紹介者の言を借りれば「3Dがダメで、値段が高くて、それでも画質という人にだけ勧められるカード」だ。

 機能的にもRADEON 8500のようなビデオ入力端子もついていない。メモリは32MBで、コアクロックは111MHz、メモリは166MHzだ。PCの主な用途がブラウズとエディタという用途なので選択できるカードだ。

 カードをセットしてWindowsを起動するとなにごともなく進行し、Windowsロゴも乱れない。やはり安心感があるというか気持ちがよい。例によってWindows XPがドライバをインストールしたので、とりあえずそのままにしてある。

 画質はすっきりしており、まったく問題ない。ざわついた感じがまったくないのがありがたい。ベンチマークをとるとRADEONとは比べものにならないが、それはわかっていたことだ。ノーマルの状態よりは画質が大幅に向上して、メモリ速度も上がったのだから、これでよしとしよう。

 なお、Millennium G550にもLowprofileで、DVI対応の機種があるが、こちらはカードについているコネクタが専用で、付属の専用ケーブルを介してDVI接続する方式だったので避けた。専用ケーブルを使うタイプはケーブルをなくしたり破損したときに使えなくなるので買いたくなかったのだ。

【10月29日追記】Millennium G550にもいろいろバリエーションがあり、DVI端子付きの標準タイプのブラケットをLowprofileタイプに交換することで対応できるそうです。ご教示いただいた読者の皆様にお礼申し上げます。


■お買い物は計画的に

 今回の買い物は液晶ディスプレイもビデオカードもあまり情報を集めずに購入してしまったのが失敗だった。

 液晶ディスプレイについては、おおむね気に入ってはいるのだが、なんというか補欠だっただけに、気になる点がみつかるたびに、本命だったサムスンがちらついてしまう。こういう関係は互いに不幸になるだけだから本当は別れた方がいいのかもしれないが、それにしては深みにはまりすぎた感じだ。

 また、ビデオカードについては、ナナオとRADEON系は相性が悪いとは聞いていたので、ちょっと製品情報ページを確認していれば避けられただろう。ようやくMillennium G450の導入でトラブルが解消できただけに、これで落ち着いてくれることを期待している。

□製品情報(FlexScan L465)
http://www.eizo.co.jp/products/lcd/L465/contents.html
□ATI社製ビデオカード使用時のご注意
http://www.eizo.co.jp/support/compati/lcd/ati.html
□互換性情報
http://www.eizo.co.jp/support/compati/index.html
□関連記事
【AKIBA】【6月1日】AOpen A85-DVC64
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20020601/ni_i_vc.html#ao85bk
【AKIBA】【3月2日】Millennium G450(MIL G450/D32ADV/LP)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20020302/ni_i_vc.html#g450l
【10月16日】ナナオ、狭額縁の新世代15型液晶ディスプレイ「FlexScan L367」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/1016/nanao.htm

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(2002年10月28日)

[Reported by date@impress.co.jp]


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