■牛丼の次はハンバーガー 3年前に自宅の環境を無線LAN+ノートPCにしてから、デスクトップPCを置いていなかったのだが、最近自宅で作業することが増えて、ノートPCでは肩こりがつらくなってきたので1台買うことにした。やはり長い時間テキストを書いているときは、デスクトップPCの方が疲れない。CPUのパワーの差もあるが、HDDの差と、キーボードの差が大きいような気がする。基本的には自作を考えていたのだが、決めかねているときに有楽町のソフマップで「バーガーパソコン」というのを見つけた。 ようはソフマップのショップブランドのPCで、これの前は「牛丼パソコン」というシリーズが出ている。個人的な趣味としては「特盛 つゆだく」と書かれたPCを買うのはためらわれるが、まぁ、わかりやすい表示ではある。 今回のバーガーパソコンは、マクドナルドの59円バーガーと79円チーズバーガーにかけたものらしく、2機種が用意されている。 バーガーパソコンは、Celeron 1A GHzでCD-ROM搭載で53,999円、チーズバーガーパソコンはCeleron 1.7GHzでDVD-ROM/CD-RWコンボドライブ搭載で75,999円だ。筐体は共通で、よくあるAOpenのスリムボディだ。 白い外箱にバーガーパソコンは赤、チーズバーガーパソコンは青で、ごていねいにハンバーガーのイラストまで入っている。 最近は自作の楽しさよりも面倒くささの方が先にたつようになってきたので、この価格でこの仕様は魅力的に見える。一応、1年間のメーカー保証もついている。 さすがにCD-RWぐらいはほしかったのとSocket 478にしたかったので、チーズバーガーの方を購入した。ポイント還元は760ルピーだから約1%しかない。型番は「MV-SV176/B1LOS」というまじめなものがついていた。
■SiS 651とCeleron 1.7GHzの組み合わせ
パッケージを開けてみると、チーズバーガーパソコンは、典型的なホワイトボックスPCだった。箱は二重になっていて、ケースの箱の上に、キーボードやマウスが箱のまま載っている。
HDDは60GBの5,400rpmとされており、購入した製品ではMaxtor DiamondMax 16 4R060L0が搭載されていた。コンボドライブは8/16/10/40倍速とされ、購入した製品ではBTC BCO1612IMが載っていた。いまさらながらFDDもついている。 OSはWindows XP Home、ほかに「B's Recorder GOLD」と「Power DVD」がプリインストールされ、「ノートンアンチウィルス」と「特打」のCD-ROMが付属する。 キーボードは、スリープや電源スイッチがついた今風のもので、小型なのがとりえという感じ。マウスはホイールつきの2ボタン。両方ともインターフェイスはPS2なのがホワイトボックスらしい。
ちなみに保証書記載のメーカーはソフマップではなく、エムヴイケーという会社になっており、専用のサポート電話番号もマニュアルに記載されている。
■やや不親切な初期設定 ケースは厚さはスリムなのだが、奥行きが約40cmもあるので、机上に置くのは断念して床に置いてしまった。ちなみに、フロントパネルにはスライド式のインターフェースポートがあるが使用されていない。開けても穴が空いているだけなので、気になる人は気になるだろう。
設置が終わって起動すると、最初の起動ではWindows XPがプロダクトキーを聞いてくる。キーを入れ、念のためにWindows Updateをかけると、セキュリティ関連の重要な更新が25個も表示された。 付属のCD-ROMではHomeのService Pack1(SP1)となっているが、プリインストールされているのは古いバージョンのようで、SP1以前の更新パッチもあたっていないようだ。牛丼パソコンはOSが付属しなかったが、こちらはOSもプリインストールなので、最新のバージョンをインストールしておいてほしいものだ。 ちなみにこういう場合は、最初にSP1をインストールすると、重要な更新はかなり減るので、これを最初にダウンロードしよう。今回はSP1をインストールすると3個になった。 また、購入した製品には「マザーボード付属のドライバではDirctX 8.1で不都合が生じる場合がある」という注意書きと対策ドライバのCD-Rが入っていた。念のためインストールして確認すると、プリインストールされているドライバと同じバージョンだったので、OSを再インストールしたとき以外は必要ないようだ。このあたりが大手メーカー製品とは違うところで、自作やホワイトボックスの香りがプンプンする。
そして、標準の状態でホイールも動作しているのでインストールする必要はないのだが、マウスのドライバがFDで提供されていたのは笑ってしまった。まさか、このためにFDDを装備しているわけでもないだろうが。付属のマウスは機能面ではまったく問題ないが、なじめないのでいつも使っているIntelliMouse Explorerに交換してしまった。
■道具や素材としてPCを使う人に 各種のアプリケーションをインストールして自分の環境を作り、3日ほど連続運転をしているが、ソフトウェアのインストール以外で、再起動はしていない。DVDも再生できるし、CD-Rも問題なく焼ける。ハードウェアやソフトウェアをどんどん追加していけばなにか起こるかもしれないが、現状では安定した環境だ。下の表のようにHDBENCH Ver 3.30では、ALLで27,509あり、普通の用途で必要十分な性能だろう。 不満といえば、ファンの音がやや大きめで深夜は気になることと、内蔵ビデオで1,280×1,024ドットの表示をしているとややシャープさに欠けること、付属のノートンのパターンファイル更新期限が3ヶ月しかないことだ。グラフィックスについては、Low Profileのビデオカードを入れてみようと思っている。 【12月3日追記】ファンの音についてはBIOS設定で、CPUファンを温度に応じて可変する設定に変えることで解決しました。ご教示いただいた読者の方に感謝いたします。 素材の価格では、Celeron 1.7GHzが8,000円ぐらい、HDDとコンボドライブが各1万円弱だから、この値段で自作をすることは不可能ではないし、静粛性やデザインが気になる人にも向かない。また、まったくの初心者にはホワイトボックスっぽい不親切さが気になるところだ。 ただ、プリインストールソフトの多い大手メーカー製のPCはいらないが、自作するのは面倒というような人にはありがたい製品だ。道具としてすぐ動くPCが欲しい人や、やりたいことの素材としてハードウェアが欲しいという人にもいいだろう。そういう意味ではチーズバーガーというよりはバンズがそのまま出てきたと思えばいい。 チーズバーガーの感想は「値段のわりにはおいしかったね」という、いつものところに落ち着きそうだ。
□ソフマップのホームページ (2002年10月15日) [Reported by date@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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