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NEW PRODUCTS TESTREPORT

コンパックコンピュータ
Evo Desktop D510 US P1.7/128/40/P2
Pentium 4 1.7GHz搭載の ウルトラスリムデスクトップPC
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto


 コンパックコンピュータのPentium III搭載ビジネス向けデスクトップマシン「Evo Desktop D500 US」は、その超小型の筐体が話題を呼んだ。今回登場した「Evo Desktop D510 US」は、D500 USの本体サイズを変更することなしにPentium 4を搭載した上位機種である。今回は同シリーズ初のモデルとなったP1.7/128/40/P2を紹介しよう。

 本機最大の特徴は、同社が「ウルトラスリム型」と称する薄型の筐体だ。容積にして約7リットル、幅315×奥行き325×高さ69mmというスリムなサイズは、D500と同一。もちろん、Pentium 4搭載機としてはダントツに小さい。

インターフェイスはパラレルやシリアル、PS/2ポートを排したレガシーフリー設計となっている

中央に位置するのがCPUクーラー。ファンレスになっており電源部のファンによるエアフローで冷却を行なっている
 これだけの超小型筐体では、冷却機構が問題となるが、本機の場合はほかの機種とまったく逆のアプローチが取られている。つまり、発熱の少ないCPUを採用することで、冷却機構自体を最小限に抑えるという考え方だ。

 本機のCPUは、仕様書を見ると「Pentium 4 1.7GHz」としか表記されていないが、実はSFF(Small Form Factor)向けのNorthwoodコア版Pentium 4だ。これは低消費電力版のPentium 4とも言えるものであり、モバイルPentium 4-Mとほぼ同じ冷却機構での動作が可能となっている。

 本機はこのCPUを使うことで、CPUクーラーを大型のヒートシンクのみとし、ファンを使わずに冷却を行なうことに成功している。そうなると不安になるのは安定性だが、さすがコンパック製のマシンと言うべきか、この辺りの不安は払拭されている。実際に3DMark2001SEのデモモードを1時間程度ループ実行させてみたが、不安定な場面はまったくなく、ヒートシンクも手で触れられる程度の温度だった。

 チップセットにはIntel 845GLを採用しており、ビデオ機能はこれに内蔵されているものを利用する。USB 2.0も利用可能で、拡張スロットを持たない本機において、そのメリットは非常に大きいと言える。

 メインメモリにはPC2100 DDR SDRAMを搭載。ビジネス機らしく容量は標準で128MBと少なめだが、メモリスロットは2基搭載されているため増設は比較的容易だ。なお、OSはWindows XP ProfessionalとWindows 2000 Professionalを初回起動時に選択する。

 HDDの容量は40GBと、ビジネス機としては標準的な仕様だ。試用機のHDDはSeagateのU6が搭載されていたが、このHDDの選択にも大きな意味がある。本機の特徴として、稼働音が公称28dBという静音性の高さが挙げられるが、これはCPUクーラーをはじめ、それぞれのパーツの稼働音が小さくなければ達成できないレベルの静かさであるからだ。

 もう1つの特徴として、同社のノートPCとオプションパーツを共用できる点が挙げられる。これは「マルチベイ」と「マルチポート」によって実現される。前者は本体前面の光学ドライブ/FDD用のドライブベイであり、後者は本体上面奥に備えられたUSB接続の拡張ユニットで、現時点ではIEEE 802.11bに対応した無線LANモジュールと、Bluetoothモジュールが用意されている。

本体後方上部にはマルチポートを搭載。写真の無線LANユニットのほか、Bluetoothユニットを接続できる 本体前面のマルチベイは上部のレバーを引くことで簡単にドライブを外すことが可能だ

 このほか、シンプルな内部構造や日本語化されたBIOSなど、細かい箇所の仕上がりも優秀だ。試用機ではサウンド出力のホワイトノイズが気になったが、完成度は総じて高い。オフィス用途だけでなく、ホームPCとしても十分使える汎用性の高さは、ほかにない魅力と言える。

・製品名:Evo Desktop D510 US P1.7/128/40/P2
・標準価格:128,000円
・問い合わせ先:コンパックコンピュータ株式会社
・TEL:0120-101589(コンパックカスタマーセンター)
・URL:http://www.compaq.co.jp/
・CPU:Pentium 4 1.7GHz
・チップセット:Intel 845GL
・メモリ(最大):PC2100 DDR SDRAM 128MB(1GB)
・HDD:40GB(Ultra ATA/100)
・FDD:なし
・CD-ROMドライブ:読み出し最大24倍速
・ビデオ機能:Intel 845GL内蔵
・ビデオメモリ:SMA方式によりメインメモリの一部を共有(最大64MB)
・ディスプレイ:なし
・最大解像度:1,900×1,440ドット/1,677万色
・サウンドチップ:AC'97 CODEC
・モデム:なし
・キーボード:109キー(USB接続)
・内部拡張スロット(空き):なし
・外部インターフェイス:USB 2.0×5、ディスプレイ(D-Sub15ピン)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、ヘッドホン×1、マイク×1、10BASE-T/100BASE-TX(RJ-45)×1、マルチポート×1
・本体サイズ(W×D×H):315×325×69mm
・重量:約5.3kg
・OS:Windows XP Professional/Windows 2000 Professional(初回起動時に選択)
・付属ソフト:なし

■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□コンパックのホームページ
http://www.compaq.co.jp/
□製品情報
http://www.compaq.co.jp/products/desktops/evo_d510us.html
□関連記事
【6月3日】コンパック、Pentium 4 1.70GHz搭載の省スペースデスクトップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0603/compaq.htm

(2002年7月30日)


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