鈴木直美の「PC Watch最新記事キーワード」
第209回:6月3日~6月14日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


6月3日

■■ アイ・オー、リムーバブルディスク用データ消去ソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0603/iodata2.htm

●データ消去ソフト
 でーたしょうきょそふと

 ディスクに書き込まれた内容を完全に消去するためのソフトウェア。

 ファイルを削除すると、ファイルシステムは高速に実行するために、ディレクトリエントリーに削除されたことを示すマークを付け、そのファイルが使用していたデータ領域が再利用できるように開放する(※1)。この時点では、実際に書き込まれていた内容がそのまま残っているため、市販のサルベージソフトを使うと、簡単に復旧することができる。ディスクのフォーマットやパーティションの開放なども同様で、通常は、それぞれに必要な最小限の情報が、ディスクに書き込まれるだけである。したがってこれらも、実際にデータ領域を再利用しない限り、元のデータが書き込まれたままになっている。

 データ消去ソフトは、実際にディスクに上書きすることにより、痕跡を残さないようにするためのもので、「オールゼロ」や「オールFF」、「乱数」などを上書きするほか、色々な機関が指定する様々な消去方式をサポート。ハードウェアでは、ディスクそのものを物理的に破壊する製品もある。

消去方式書き込み/検証パターン
NSA方式 乱数2回、ゼロ1回
NCSC方式(NCSC-TG-025)固定値3回
米国陸軍方式(AR380-19)乱数1回+固定値2回
米国海軍方式(NAVSO P-5239-26)固定値3回+検証
米国空軍方式(AFSSI5020, AFI33-202)固定値7回+検証
米国国防総省方式(DoD5220.22-M)固定値2回+乱数1回+検証

NSA(National Security Agency)~米国国家安全保障局
NCSC(National Computer Security Center)~米国コンピュータセキュリティセンター

※1 ここでいう削除は、ごみ箱を空にする操作を行ない、ファイルシステム上で削除したものを指す。ごみ箱に入れた段階では、単にディレクトリエントリーを書き換えてごみ箱に移動しただけで、ファイルシステム的にはまだ削除されていない。


■■ COMPUTEX TAIPEI 2002開幕レポート
    AMD、Opteron/次世代Athlonに関する発表会を開催
    ~Hammer対応チップセット/マザーボードを多数展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0603/comp01.htm

●AGP(グラフィックス)トンネル(AGP Graphics Tunnel)
 エージーピーぐらふぃっくすとんねる

 AMDのx86-64プロセッサOpteron/次世代Athlon(コード名SledgeHammer/ClawHammer)用チップセットの1つで、HyperTransportインターフェイスにAGPを接続するためのチップ。

 従来のチップセットでは、CPU周りの機能を統合したノースブリッジと、I/O周りの機能を統合したサウスブリッジを、古くはPCIバスで、その後は専用バスで接続するスタイルが採られて来た。

 一方にCPU、もう一方にサウスブリッジが接続されるノースブリッジには、メモリコントローラやグラフィックスコントローラ(あるいはAGP)などの機能が組み込まれていたが、AMDの第8世代CPUとなるOpteron/次世代Athlonでは、メモリコントローラをCPUが内蔵。システムの中枢的な役割を担っていた従来のノースブリッジは無くなった。AGPグラフィックストンネルは、これに代わるチップの1つで、一方にCPUのシステムバスである16bitのHyperTransportインターフェイス、もう一方にサウスブリッジを接続する8bitのHyperTransportインターフェイスを備え、グラフィックス用のAGPをHyperTransportに接続するためのブリッジ機能をサポートする。ちなみに、サーバー向けのPCI-Xを接続するタイプは「PCI-Xトンネル」、従来のサウスブリッジは「I/O Hub」と呼ばれる。

【参考】
□x86-64
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011109/key188.htm#X86
□チップセット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980729/key40.htm#chipset
□HyperTransport(旧称:Lighting Data Transport[LDT])
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000727/key129.htm#LDT
□AGP
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980513/key29.htm#AGP
□AGP8X
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0308/key199.htm#AGP8X
□PCI-X
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010412/key161.htm#PCIX
□PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#PCI


6月4日

■■ カノープス、外付けチューナ付きキャプチャシステム「MTV2200 SX」
   ~ロープロファイルPCI化、iモード予約にも対応
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0604/canopus1.htm

●タイムベースコレクタ(Time Base Corrector[TBC])

 時間軸の誤差を補正し、ジッターなどを低減する装置。

 一般にはビデオ回路に使われている、水平同期信号のタイミングを補正する装置で、ビデオテープの走行ムラなどに起因する、水平方向の揺れを除去する効果がある。


6月13日

■■ 元麻布春男の週刊PCホットライン
    PCプラットフォームは地道に進化している
    ~意欲的なIntel製マザーと次世代Windows
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0613/hot205.htm

●アレイマイクロフォン(Array Microphone)

 複数のマイクロフォンを組み合わせたマイクロフォン。

 一般には、目的の音を明瞭に収録するための超指向性マイクや、ノイズキャンセラー付きのマイクとして用いられている。

 複数のマイクを使用すると、音源とマイクとの距離の違いから、各マイクが拾う音に、音量差や位相差(時間差)が生ずる。私達の耳も、この微妙な位相差や音量差を聞き分けて音の方向を検知しており、特性のそろった2本のマイクを適度な間隔を開けて立てるのは、もっともオーソドックスなステレオ収録の方法でもある(※1)

 各マイクが拾った音に、特定の音源に対する位相差分の遅延をかけて加算すると、その音源のゲインを最大に高めることができる(より多くのマイクを使えばより効果的)。また、目的の音を拾うマイクと、バックノイズを拾うマイクを用意し、主音源からバックノイズを減算すれば(主音源に近似する音を取り除く必要があるが)、ノイズ成分だけをキャンセルすることができる。このような、複数のマイクを使って信号処理する特殊なマイクを、アレイマイクロフォン、アダプティブアレイマイクロフォン、フェイズドアレイマイクロフォンと呼んでいる。

※1 複数のユニットを組み込み、単体でステレオ収録が可能なマイクもあるが、このタイプは単にステレオマイク(ワンポイントステレオマイク)と呼んでおり、アレイマイクロフォンとは呼ばない。


6月17日

■■ 東芝、PCカード型HDDが着脱可能なMP3対応プレーヤー「GIGABEAT」
    ~USB 2.0採用、ワイヤードリモコン付属
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0617/toshiba.htm

●アドバンストリチウムイオン電池

 東芝が'99年に発表した、ラミネートフィルムパッケージを使った薄型リチウムイオン2次電池。

 携帯機器によく使われているリチウムイオン電池は、セパレータに電解液を使用している関係から、パッケージにはもっぱら、円筒形や角型の金属製缶が使われて来た。

これに対し、セパレータにゲル状(ゼリー状)の電解質を使うリチウムポリマー電池は、発展途上にありながらも漏液の心配が無いためパッケージの自由度が高く、1mmに満たない超薄型の製品なども開発されている。

 アドバンストリチウムイオン電池は、電解液を使った従来通りのリチウムイオン電池だが(※1)、ラミネートフィルムを採用することによって、リチウムポリマー電池のような薄型パッケージ(厚さ3.6mm)を実現している。

※1 電極構造に工夫を凝らし、電極材なども新たに開発されているが、基本的には正極材にコバルト酸リチウム、負極材に炭素化合物を用いた一般的なリチウムイオン電池。

【参考】
□リチウムイオン電池
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990520/key76.htm#InfoLITHIUM
□リチウムポリマー電池
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991224/key103.htm#Li_Poly

[Text by 鈴木直美]

(2002年6月20日)


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