一ヶ谷兼乃の

ソニー製パソコン初購入! バイオノートSR「PCG-SRX7」レポート


■初めて購入するソニー製のパソコン

PCG-SRX7

 筆者のメインPCは、今でも自作パソコンである。気になるパーツや、新しいOSが発売されると、パーツなどを交換してアップグレードして使っている。だが、これとは別に、ノートPCも使っている。

 ノートPCを利用する目的は、モバイル用途が多く、打ち合わせで使ったり、ネットワークのセッティング作業などに使う。しかしここ数年は、ノートPCもデスクトップ並みのCPUパワーや大容量ストレージを内蔵する機種が登場してきた。こうなると、持ち出して使うという以外にも、自宅内でのセカンドマシンとして十分過ぎる性能を持つようになってきた。

 あまり意識していなかったが、ここ数年を振り返ってみると年に2、3機種のノートPCを購入している。これらのPCを使っているときにはあまり意識していなかったが、その時々で微妙に自分のニーズが変化していることがよくわかる。

 筆者が購入した最新のノートPCは、ソニーのバイオノートSR「PCG-SRX7(以下SRX7)」だ。購入したのは2001年の年末である。筆者が個人的に購入したパソコンとしては、初めてのソニー製品だ。これまで、仕事などでバイオシリーズのパソコンを短期間だけ試用することはあったが、実際にお金を払って購入したことはなかった。

 SRX7を購入した時点で所有しているノートPCは3台。それぞれ目的に合わせて利用しているが、さすがにあまり利用しない機種もでてきたので、現在のニーズに合わせて台数を減らそうと考えたのも、新しいノートPCを購入するきっかけの1つである。年末年始を挟んでいたので、まだ志半ばであるが、とりあえず1台を処分した。結果的には後の2台と、それらの周辺機器なども処分する予定だ。

 筆者がノートPCを購入するときには、発売日直後に購入することはまず無い。まずはニュースサイトなどで新製品のニュースを読み、気になる機種が登場してくると、インターネット上で、購入者の感想をチェックしたり、実際に使っているライター仲間の評価を参考にして、やっと購入対象になる、という感じだ。

 今回も当然のことながら、周りにいるユーザーに使用感を聞いてみたり、インターネットの掲示板をチェックして、スペックからは読み取れない情報を検討し、購入した。

■さっそく購入に行くが品薄のため、探し回ることに……

 さて、筆者がSRX7を購入しようと思ったのは、100Base-TX対応Ethernetと無線LANインターフェイスが内蔵されていることと、XGAの解像度を実現しているPCとしては小型であること、バッテリ持続時間がサブノートとしても比較的いいこと、OSとしてWindows XPが採用されていることなどが理由である。

 同じ条件を満たすPCとして、同シリーズのPCG-SRX3もあるが、実売価格の差や性能差を考えて検討した結果、Bluetoothに対応している、という点がポイントとなり、SRX7を選択することにした。

 実のところ、実際にBluetooth対応機器を利用しているわけではないが、Windows XPのサービスパックで正式にサポートされる予定であるということや、対応機器が揃いつつあり、仕事で必要になる可能性もあるため、Bluetoothに対応したPCが1台くらい手元にあったほうがいいだろうという判断だ。Bluetoothがまったく必要ない立場であれば、迷うことなくコストパフォーマンスの良いSRX3を選択しただろう。

 購入を決めたら、すぐにでも欲しくなる性格ゆえに、さっそく新宿近辺の量販店に出向いてみたものの、ほとんど在庫が無い状態だった。時期が年末ということもあり、年明けでないと入荷するかどうかもわからないというショップばかりであったが、在庫があるショップが一店だけあり、ようやく購入できた。当日購入したのは、本体だけである。

 早速持ち帰り、電源を入れてみた。ノートPCに限らず液晶ディスプレイを搭載した機器を新品で購入したときには、まず、ドット抜けが気になるところだ。筆者は、わりとこのドット抜けに当たってしまう確率が高く、購入直後に残念な思いをすることが多かったのだが、今回はドット抜けも見あたらず、ひとまず安心できた。

 余談になるが、筆者は、あえて中古でノートPCを探し、ドット抜けがないことを確認してから購入することがあるほど、ドット抜けが気になる性格である。ただ、インターネット上で、SRX7の情報をチェックしていたときには、ドット抜けに当たったという発言をあまり見ることが無かったので、もしかするとソニーでは、厳しい基準で液晶パネルの選別を行なっているのかもしれない。

■Windows XPを快適に利用するためにはメモリを384MBにするのがオススメ

 Windows XPがプリインストールされたPCを使用するのも、このSRX7が最初だったが、触ってみて最初に気になったのは、OSの動作に多少のもたつきを感じることだ。

メルコの256MB MicroDIMM「MS133-256M」。ソニーのサポート外だが、このモジュールを利用することで384MBまでメモリ容量を増やすことができる

 筆者が頻繁に使うデスクトップPCのメインマシンでは、すでにWindows XPが稼動していた。このいつも使っているPCの操作感と、SRX7での操作感は、はっきり違っているのだ。その原因は搭載メモリの容量にある。SRX7は標準で128MBのメモリを搭載しているが、筆者の感覚ではWindows XP搭載PCとしては足りないと判断する容量である。

 そこで早速メモリ増設をすることにした。ソニーでは、SRX7に搭載可能な最大メモリは、128MBを増設して256MBとなっているが、メルコから発売されている256MBのメモリモジュール「MS133-256M」を増設することで384MBに増設できる。筆者はそれを購入することにした。このメモリもかなりの品薄状態だったのだが、なんとか2001年中に手に入れることができた。

 早速、付属のマニュアルにしたがってメモリを増設し、それと同時にWindows XPの仮想メモリのファイルサイズを調整した。内蔵メモリが384MBになると、Windows XPもきびきびと見違えるように動作するようになった。その後、仕様どおり128MBを増設し、内蔵メモリが合計256MBになっているSRX7にも触れる機会があったのだが、多少もたつく感じが残っていた。SRXシリーズのオーナーで、まだメモリを増設していないのであれば、128MBでなく256MB増設メモリを購入することをお勧めしたい。

 結果的に内蔵メモリは384MBになり、より快適に使用できるようになった。ただ、筆者の場合、少しでも操作感を軽くするために、システムのプロパティにあるパフォーマンスオプションの視覚効果で「カスタム」を選択し、いくつかの視覚効果のチェックを外している。


■ついでに無線LAN環境も整備。外部アンテナも購入

WLE-DA

 次に行なったのはSRX7の通信環境の整備だ。SRX7には、IEEE 802.11b規格に準拠した無線LANインターフェイスが内蔵されている。筆者宅には、以前からメルコの無線LANのアクセスポイント「WLA-L11」が設置されている。このWLA-L11もIEEE 802.11bに準拠した製品で、スペック上は、SRX7からの通信も行なうことができることになっている。

 無線LANインターフェイスの設定は、専用のユーティリティを利用するのではなく、Windows XP上の設定で行なう。これまでも、Windows XPを搭載したノートパソコンで無線LANカードを利用していたこともあり、特にトラブルはなく、あっさりと無線LANにアクセスできるようになった。

 SRX7には直接関係ないが、筆者宅ではWLA-11をリビングに設置している。メインでPCを使っている部屋からはそれなりに距離があるため、SRX7での受信状態が不安定になることがあった。

 SRX7を購入したついでに、どこの部屋でも自由に安定したインターネットアクセスを実現するために、WLA-11のオプションで用意されている外部アンテナを購入することにした。購入するまでは、実際どの程度の効果があるのかが不安だったが、ほかに有効な解決策もなかった。

 WLA-11に接続できる外部アンテナは2種類用意されているが、壁に近い位置に外部アンテナを設置するため、指向性ではあるものの、伝送距離増分が大きい「WLE-DA」を選択した。

 また、これまで真剣にアクセスポイントの設置位置を検討したことはなかったのだが、外部アンテナの購入をきっかけに、アクセスポイントと外部アンテナの位置をセッティングし直してみた。結果的に、外部アンテナの効果は期待以上で、どこにいても極めて安定した通信ができるようになり、うれしい限りである。

 メモリと無線LAN用外部アンテナ以外に購入したものは、持ち運ぶときに本体とACアダプタを収める純正のソフトケース「PCGA-CP5S/V」だけである。ショップなどで展示されているSRX7を見ると、塗装が剥がれたり、傷がついてしまっていることがあり、結構痛々しく感じてしまう。使っていくうちに傷などがつくのはしょうがないことであるが、なるべくそれを避けるためにソフトケースを購入した。純正のオプションでケースなども選択できるのは、バイオシリーズのオーナーにとっての大きなメリットの1つではないだろうか。

■大きな不満もなく気に入っているSRX7

 筆者にとってSRX7が「はじめてのバイオ」となったわけだが、SRX7を購入して約3週間経過して、今のところ本体に関して大きな不満な点はない。無線LANを利用しても2時間以上はバッテリだけで動作可能なところや、Windows XPを採用し動作が安定しているところなど、サブノートPCとしては非常に満足している。外出先での打ち合わせや作業などでPCを持ち歩く必要があるときには、このSRX7がメインになりそうである。

 ただ、まったく不満がないというわけではない。一番の不満はACアダプタの大きさ、重さである。本体がコンパクトであるがゆえに目立つのかもしれないが、もうちょっと小型のアダプタが欲しい。パワーのあるPCなので、ACアダプタもそれなりの大きさになるのかもしれないが、IBMのThinkPad X22に付属のACアダプタ程度にはサイズダウンできるのではないだろうか。

 また、液晶パネルに付着するほこりが目立ちやすい、キーボードのタッチ、キーを同時に押したときに正しく認識されないことがあるといった細かな不満点があるものの、おおむね満足している。

 外見に関しても、満足している。初代バイオSRシリーズのデザインは好みではなかったが、このSRX7のデザインは気にいっている。モデムやLAN、IEEE 1394などのコネクタ、PCカードスロットなどには、きちんとカバーが付いているところも評価している。

 現在、モバイル環境でSRX7を利用するときには、NTTドコモのP-in m@sterで通信を行なっている。近い将来、Bluetooth対応のNTTドコモ「ブラウザホン 633S」を手に入れ、Bluetoothを使った通信を試してみようと考えている。

 2002年の1月下旬から2月にかけて、ソニーをはじめノートPCメーカー各社から新製品が発表されるとは思うが、発表される新製品を見てもSRX7を購入したことを後悔することはないだろう。それほど、SRX7は筆者のニーズにピタリと収まったサブノートPCだ。サブノートPCを利用するユーザーのニーズも色々なものがあるから、すべてのユーザーにお勧めできる、とまでは言わないが、購入候補に加えてみても良いのではないだろうか。

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(2002年1月31日)

[Text by 一ヶ谷兼乃]


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