テレワークがスタートしてから1年余り経ち、きっと在宅での仕事にも慣れてきたはず。週に何度かは出社しながら、どんなやり方をすれば同僚やチームと生産性高く業務をこなしていけるか、みたいなところの肌感覚を身に付けることができた人も多いに違いない。
ただ、テレワーク中心の仕事のやり方に慣れてきたからこそ、今のPC環境では解決しにくい不満が浮き彫りになってきた、という部分もあるはずだ。スムーズなWeb会議のためには音や映像の良さにもこだわりたい、長時間使うことになる画面やキーボード、タッチパッドはもっと大きく使いやすいほうがいい、高いパフォーマンスは欲しいけれど持ち運びの容易さにも妥協したくない、などなど……。
そうした不満や物足りなさの数々に対する1つの回答としてパナソニックが提案するのが、レッツノートの新シリーズ「FV」だ。テレワーク下での「あれがあったらいいな」「こうなっていたらいいな」といったユーザーの思いに的確に応えて「進化」したポイントを、さっそくチェックしてみよう。
レッツノートFVシリーズならテレワークの生産性はまだまだ向上する!
何よりも真っ先に紹介したいFVシリーズの新機能の1つが、Web会議で役立つこと間違いなしの「COMFORTALK」(コンフォトーク)というもの。相手の声を聞きやすくすると同時に、自分の声を相手にしっかり届けるための工夫が詰め込まれている。その秘密は、内蔵スピーカーの音質を調整する「Waves MaxxAudio®」を組み合わせた新設計のボックス型スピーカーと、AI技術でノイズを効果的に除去する内蔵マイクだ。
このロゴが「COMFORTALK」対応モデルであることの証
アレイマイクがカメラレンズの周辺に用意されている。カメラはWindows Helloの顔認証にも対応
ボックス型スピーカーは、本体底面の両サイドの手前側に、えぐったような開口部を設ける形で配置されている。デスクに置いても音を塞がず大きく聞こえる構造で、そのうえで音声をソフトウェア処理する「Waves MaxxAudio®」によって人の声の音域が強調され、一段と明瞭な音声再生を実現しているのだ。その一方で、マイク入力した自分の音声はAI技術によって不要なノイズが除去される。キータイプ音はもちろんのこと、エアコンや扇風機などの音も低減されるため、自分の発言を相手に正確に伝えられるだろう。
本体底面手前側に設けられた凹みがボックス型スピーカー
気になるのは、どれくらいノイズが除去されるのか、というところ。そこで、実際にWeb会議を想定した音声テストを行なってみた。エアコンやデスクトップPCがすぐ近くで動作している環境だったけれど、録音した音を聞いてみると、それらのファンの音はまったく気にならない。ノートPC自身の冷却ファンの音も鳴ってはいたのだけれど、それもわからないレベルだった。キーボードを叩きながら発言すると、話し始めで瞬間的にタイプ音が聞こえるものの、その後はほとんど消え、声が聞き取りやすくなっていた。
ファンの音やキータイプ音以外に試したところでは、背景で鳴らした動物の声などのノイズもきちんと除去してくれた。常に除去されるというよりも、話し始めると背景音が除去され、声だけが明瞭に聞こえるようになる、というイメージだ。ボックス型スピーカーから出力する相手の声についても、余計な雑音の少ない、輪郭の整った音声として聞こえる。よっぽど周囲(家族)に漏らしたくない内容でない限り、ヘッドフォンを使う必要性を感じないほどだ。
こうした音声のノイズ除去や出力最適化は、Web会議ツールなどのサービス側での対応も少しずつ進んでいる。けれど、サービスの契約プランやハードウェアの制限で利用できないケースもまだまだあり、ノートPCでここまで精度の高い機能として利用できるのはうれしい限りだ。
100%テレワークの人と、テレワークしつつ週に数度は出社するという人とでは、ノートPCに求めるものは少し異なるかもしれない。ずっと在宅勤務なら多少筐体が大きくてもかまわないだろうし、在宅勤務とオフィス勤務のハイブリッドなら、持ち運びのことも考えてできるだけコンパクトな方がいい。でも結局のところ、性能とサイズのバランスが取れているか、というのは両方に共通している重要なポイントのはずだ。
新しいFVシリーズは、そのどちらの人にもマッチする「大きくて小さい」絶妙のサイズを実現している。ディスプレイは14型としながらも、狭額縁にすることで、筐体幅は13.3型クラスの308.6mmというサイズ。画面の横縦比率は3:2で、一般的な16:9のディスプレイと比べてやや縦長になっている。それでいて重量は、バッテリー込みで1kgを切る約999g(※1)だ。
(※1)付属のバッテリーパック〔S〕装着時。店頭モデル:CF-FV1FDWQR・CF-FV1FDSQR・CF-FV1FDMQR、法人モデル:CF-FV1FDHVS・CF-FV1EDHVS
14型ディスプレイは3:2のアスペクト比で2160×1440ドットの高解像度
このおかげで、従来の13.3型ノートと同等の持ち運びやすさをキープ。狭いデスク上でも余裕をもって扱えるにもかかわらず、大画面でいつでも視認性高く作業できるというメリットが得られる。画面がやや縦長のため、スクロールして閲覧することの多いWebコンテンツやチャットアプリを効率良く扱える利点もあるだろう。
と同時に、2160×1440ドットという高解像度のディスプレイである点も、作業性の高さに直結する。大きくて縦に長い画面は、Microsoft Wordなどの縦長文書を閲覧しやすいという意味でも重宝するわけだけれど、さらに高解像度であることで、細部まで緻密かつ正確に描画され、文字の可読性も高まるからだ。一般的なフルHD解像度のPCに比べて、高い生産性を実現してくれるのは間違いない。
縦にやや長い画面のおかげで、縦スクロールするWebコンテンツやMicrosoft Wordなどの文書の閲覧性がアップ
そして、コンパクトかつ軽量でありながら、Intel Core i7搭載モデル(※2)は約21時間(※3)もの長時間稼働を実現しているうえに、すべてのモデルでバッテリー交換に対応する。21時間もあればバッテリー交換も充電もなしで1日中フル稼働できそうだけれど、写真の現像処理や動画編集など負荷の高い処理を連続的にこなしていくときには予備バッテリーがあると心強い。将来的にバッテリーが劣化して稼働時間が短くなったときに、交換するだけで新品同様にできるという意味でもありがたいところ。
(※2)店頭モデル:CF-FV1GFNQR、Panasonic Storeモデル:CF-FV1RRBQP・CF-FV1RSBQP、法人モデル:CF-FV1SDKVS
(※3)バッテリーパック〔L〕装着時。
効率良く仕事できるサイズ感のノートPCであっても、スタミナ不足が原因で中途半端なところで業務がストップしてしまっては意味がない。長時間駆動が可能なバッテリーを備え、交換してさらに駆動時間を延長できるという設計になっているFVシリーズなら、本当の意味で生産性の向上につなげられることだろう。
FVシリーズは性能面でもレッツノートのメインストリームともいえるモデルにふさわしい高いスペックを誇る。CPUは第11世代Intel Core i7-1165G7(4コア8スレッド、最大4.70GHz)またはCore i5-1135G7(同、最大4.20GHz)で、これに最近のレッツノートで対応している「Maxperformer」が組み合わされる。FVシリーズのMaxperformerは、デュアルファンを搭載し、更に排熱構造を工夫することで、高速CPUの発熱を効果的に逃がし、薄型ボディでありながら高いパフォーマンスを長時間維持できるようにしている。
第11世代Intel Core iシリーズを搭載。メインメモリー16GBの場合、GPUはCPU内蔵のIntel Iris Xe Graphics
Maxperformerの効果を最大限に発揮できるよう、ディスプレイを開くと本体が持ち上がり、吸気を取り込む空間を広げる構造になっていること、さらにはキーボードの奥側に排熱用のスリットを設け、キーボード側へ熱を伝わりにくくしているところにも注目したい。長時間使用でも、あるいは負荷の高い処理が続く場合でも、いかに快適に使い続けられるようにするか、ということにフォーカスした作りになっているようだ。
ディスプレイを開くと本体が持ち上がり、吸気を取り込む空間を広げる
小さな脚も用意されている。クラムシェル状態で利用するときも、設置面から離した状態にしておける
キーボード奥のスリットからも効果的に排熱され、キーボード側に熱が伝わりにくい
機能面にも妥協はない。USB PDによる高効率な給電にも対応するThunderbolt 4とUSB 3.1兼用のType-Cポート2つと、USB 3.0のType-Aポート3つを装備する。なにより最大40Gbpsでデータ転送できるポテンシャルの高さは頼もしい。外出時にACアダプターを忘れたときでも、汎用のUSB PD充電器(電源オフ時15W以上、電源オン時27W以上のPD出力が必要)やモバイルバッテリーで充電できるのも安心だ。
左側面にはThunderbolt 4対応のUSB Type-Cポートが2つ。USB PD給電にも対応する
外部モニター出力に使う4K60p(4096×2160ドット、30Hz/60Hz)対応のHDMIの他に、D-Sub 15ピンのアナログRGB端子も、約18.2mmという薄さの筐体に詰め込んでいる。出先の会議室のプロジェクターが万一アナログRGBしかなかったとしても、慌てず対応できる懐の深さはさすがのレッツノート、と言いたくなる。
無線LANは高速なWi-Fi 6に対応する。ギガビットの有線LANポートもあるので、Web会議などで安定して通信したいときでも不安はない。今回紹介したモデルとは異なるが、同等スペックで5G/LTE(※4)に対応するモデルもラインアップしており、それならWi-Fiのある会社や自宅まで戻る時間がないときでも、その場でオンライン会議をこなせるだろう。近年注目されているローカル5Gの通信が可能な工場などで業務するときにも、FVシリーズは活躍してくれるはずだ。
(※4)【5G & LTE対応】Panasonic Storeモデル:CF-FV1STCQP、法人モデル:CF-FV1RTAVS【LTE対応】店頭モデル:CF-FV1GFNQR、法人モデル:CF-FV1RFAVS 、Panasonic Store LTE選択可能モデル:CF-FV1RRBQP・CF-FV1RSBQP・CF-FV1SRCQP・CF-FV1SSCQP
機能だけでなく操作性の面での進化も、新しいFVシリーズでは大きなトピックだ。レッツノートを象徴する要素の1つであるホイールパッドが、従来のモデルより格段に大きくなっていることに、ディスプレイを開くときっとすぐに気付くだろう。同じ14型のLVではタッチパッド部分の直径が43mmだったところ、FVは同64mmになり、直径にして約1.5倍、面積にして約2.2倍にまで拡大されたのだ。
マウスカーソルの操作だけでなく、外側をなぞることでスクロールもできるなど、機能性の高さと直感的な操作性で人気の高いホイールパッド。だけれど、サイズが小さめで操作しにくさを感じた人もいたかもしれない。しかし、全体的に大きくなったタッチパッドには指が3本入ることで拡大・縮小もしやすく、ジェスチャー機能も操作しやすいなど、より自在に操作できるようになった印象だ。
ほどよく「遊び」のある操作感でコントロールしやすくなった
また、キーボードは最近のレッツノートの流れを汲んだ、段差と丸みをつけたリーフ型のキートップを採用している。キーピッチは余裕のある19mm(※5)、キーストロークは2mmとし、しっかりした打ち心地と穏やかな打鍵音で、長時間のタイプでも疲れが溜まりにくい印象だ。テレワークでコンパクトなノートPCを使う場合、操作性を考えて外付けのマウスやキーボードに頼りたくなるものだが、CF-FVの場合はこれまで以上に「本体のホイールパッドとキーボードで戦えるな」と思わせてくれる。外出時も本体だけ持ち運べばいいので、荷物の軽減、使用時の省スペース化にもなる。
(※5)一部のキーを除く。
ヒンジが隠れるすっきりとした背面側。それでもレッツノートらしさを保ったデザインとなっている
円滑なWeb会議を行なえるAIノイズ除去に対応したマイクとボックス型スピーカーに、作業性が高く持ち運びも楽な14型約999gの筐体、高性能を実現するMaxperformerなどの工夫に充実したインターフェース、そしてレッツノートらしさを保ちながら操作性を高めた大型ホイールパッドなど、あらゆる部分でブラッシュアップが図られたFVシリーズは、テレワークにおける課題をすっきり解決してくれる1台と言える。
しかし、企業が導入するにしろ個人として購入するにしろ、レッツノートは決して安くはない買い物だ。数あるモデルのうち自分の業務に適しているものが何なのか悩んでしまうこともあるだろう。そんなときは、「カスタマイズレッツノート・プレミアムサロン」でコンシェルジュに相談してみるのも手だ。ビデオチャット、もしくはテキストチャットで対応してくれるスタッフが親身になってアドバイスしてくれるはず。今回のFVシリーズを含め、テレワークにおける仕事の生産性をぐんと高めてくれるレッツノート探しを、ぜひここから始めてみてほしい。
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(日沼諭史)