TEXT:森里太助

●もとのマシン

【SPECIFICATION】
CPU:Celeron 300AMHz
マザーボード:ASUS TeK P3B-F
ビデオカード:Leadtek WinFast GeForce2 MX
HDD:DTLA-307030(30GB)
CD-ROMドライブ:AOpen CD-940E(40倍速)

マザーボードを取り外す


マザーボードベースごとケースから引き出す


マザーボードにネジ止めされているネジを外す


マザーボードベースだけになった状態


 今回は、Pentium 4を使ったマシンの組み換えについて順を追って解説しよう。まず、もとのマシンとして用意したのがASUSTeK P3B-FにCeleron 300AMHzを搭載したもので、ほんの数年前はよく見られたマシンの構成だ。そして、組み換えるために用意したのがPentium 4 1.5GHzと、MSIのi850マザーボード、850 Proである。では早速、その手順に入っていこう。まず、もとのマシンからマザーボードとCPUを取り出すところから始める。幸いこのケースは、マザーボードベースごと後ろに引き出せるタイプのものだったので、これらの工程は苦もなくスムーズに進んだ。ちなみにFDDやHDD、CD-ROMドライブといった各種ストレージデバイスは組み換えた後もそのまま使うことを前提にケースから取り外してはいない。最後にマザーボードベース単体の状況になれば、この作業は終了である。

Pentium 4マザーボードを取り付ける


マザーボードサイズが異なるので金具を追加する


マザーボードをネジ止めする


固定器具がマザーボードに装着されている

 次に850 Proをマザーボードベースに取り付ける作業を行なう。850 ProはP3B-Fと同じATXフォームファクターとはいえ、マザーボードの縦サイズがかなり大きい。そのため、マザーボードベースに新たに取り付け用の金具を追加する必要がある。金具を付け終われば、マザーボードを乗せて順次ドライバでネジ止めしていく。この辺りはPentium 4マザーボードだからと言って特別な作業があるわけではなく、これまでのマザーボードとまったく同じである。850 Proの大きな特徴として、CPUファンを固定するための器具があらかじめマザーボードに装着されている。そのため、金具の止め方こそ違うが、Pentium 4でもPentium IIIやCeleronと同じようにCPUファンを扱うことができる。たとえばIntelのD850GBなどでは、この器具をケースに直接ネジ止めする必要があり、自作する手順も少し複雑になる。そういう意味では初心者でも扱いやすいマザーボードと言える。

CPUを取り付ける


Pentium 4をソケットに装着する


Pentium 4の上にCPUファンを乗せる


CPUファンを金具で固定する

 Pentium 4をいよいよソケットに取り付ける。このとき、CPUとソケットの向きを合わさないと、うまく乗らないばかりかCPUを壊してしまうこともあるので気を付けたい。CPUとソケットにはそれぞれマーキングが施されている(写真赤丸)ので、それを揃えるように取り付ければ問題はない。CPUをソケットに装着後、ソケットのレバーを倒してCPUを固定する。そして、CPUファンを固定器具に収める形でCPUの上に乗せ、取り付け金具で固定する。このときCPUとファンの接触面に薄くグリスを塗ると放熱面でも安心できる。また、金具はかなり力を入れる必要があるので、勢い余ってパーツを壊さないように注意しよう。

メモリを挿す


DRDRAMとスロットの切り欠きを合わせて装着


メモリ装着後の様子

●ASUSTeK P4Tの場合

ASUSTeKのP4Tの場合、DRDRAMの搭載方法が今回の850 Proとは異なる。CPUソケットに近いほうの第1スロットからDRDRAM、C-RIMM、DRDRAM、C-RIMMとそれぞれが交互になるように装着していく。

 次にメモリを装着する。i850はデュアルチャンネルDRDRAMメモリインターフェースを備えているため、双方のチャンネルに同じ容量のDRDRAMを搭載していく。しかも、空きスロットには信号線を直結するC-RIMMを装着することを忘れないようにしたい。今回のMSI 850 Proの場合は、CPUに一番近いメモリスロット1から、DRDRAM、DRDRAM、C-RIMM、C-RIMMの順で搭載していく。メモリの切り欠きに注意しながら「パチッ」と音がするまでしっかりと取り付けよう。

電源交換→完成


Pentium 4対応電源に載せ換える


マザーボードに電源コネクタを接続する


完成!! 無事にPentium 4マシンができあがった

 ケースに搭載されていた電源はPentium 4非対応だったので、対応電源「Enhance ELECTORONICS ENP-0735」に交換する。背面を止めているネジを外せば簡単に交換可能だ。そして、マザーボードおよびマザーボードベースをケースに装着する。あとは、拡張カードを挿入し、各種デバイスとのケーブルを結線していけば終わりである。このとき3本の電源コネクタをつなぎ忘れないように注意したい。最後に、キーボード、マウス、モニタをセッティングすればPentium 4マシンの完成だ。

 マシンが無事に起動したらどれくらい性能が向上したのかベンチマークテストを行なってみる。確かに今回は、Celeron 300AMHzからPentium 4 1.5GHzというように動作周波数だけでも1.2GHzもの差があり、体感でも明らかな速度差を実感できる。しかし、ベンチマークで数値化することにより、どういった機能が向上したかを具体的に知ることができるはずだ。今回使用したのは、Sandra 2001 StandardでSSE2にも対応したベンチマークソフトである。結果だが、どの項目も軒並み大きな差が生じている。とくにFloating-Point FPU/SSE2では、Pentium 4 1.5GHzは17倍近い値を出している。これは、Pentium 4に搭載された拡張命令のSSE2が大きく影響しているためだと考えられる。このベンチマーク結果を見ると、Pentium 4はSSE2とあわせて非常に高いポテンシャルを備えたCPUであると再認識させられる。