Click


元麻布春男の週刊PCホットライン

仕事マシンのリプレースとトラブル



■仕事マシンのリプレース

 この原稿を書いている今、新しい仕事マシンへ移行するための準備作業が並行して進行している。仕事マシンというのは、筆者が原稿書きに使うPCのこと。生活の糧を得るための重要なシステムだから、最新のパーツを厳選して、と行きたいところだが、残念ながらそうはいかない。一部を除いて、お古のパーツを寄せ集めたマシン、というのが実態だ。新しいパーツは、拡張カード類の評価に用いる実験マシンが優先で、仕事マシンは二の次にせざるを得ないのが実情なのである。なにせ実験マシンは、新しいテクノロジが登場するたびに更新を余儀なくされる(AGPグラフィックスカードの評価にAGPスロットのあるマザーボードは不可欠、といった具合)。おのずとパーツの入れ替えは激しい。仕事マシンの中枢は、実験マシンからこぼれ落ちたパーツで構成されるのがならわしになっている。

 次の仕事マシンの構成は、おおむね表のようになっている。

CPUPentium III 450MHz (Retail)
マザーボードASUS P3B-F
メモリ64MB PC100 DIMM×2 (CL=2)
ビデオカードAll-In-Wonder 128 16MB
ハードディスクIBM DJNA-371800(18GB)
DVD-ROMドライブCreative DVD5240E-1
フロッピーディスク第2世代LS-120(LKM-F934-1)
サウンドカードHoon-Tech YMF744
ネットワークカードEtherExpress PRO/100B


 CPUは、以前実験マシンに使っていたPentium III 450MHzだが、新規購入でもこれを選ぶだろう。このところの筆者のチョイスは、Celeronなら上から2番目、Pentium II/IIIなら一番下、というもの。この辺りのプロセッサが、最もコストパフォーマンスに優れ、買って間違いないという判断である(Pentium III 450MHzが消えようとしている現状では、Pentium III 500MHzのコストパフォーマンスも極めて高く、お買い得感があるが)。


 筆者は、通常、実験マシンのマザーボードにはIntel純正を用いる。だが、それだけで済むとは限らない。何か不具合が見つかった場合、それがIntel製マザーボード固有の障害でないことを確認するために、サードパーティ製のマザーボードでもテストしたいことがある。このP3B-Fはその目的で購入したものだ。しかし、チップセットが間もなく800番シリーズに切り替わることを思えば、そろそろP3B-Fは実験マシン用パーツから引退させても良いころだろう。メモリも、1世代前の64MB SDRAM DIMMである。

 グラフィックスカードは、唯一、新規に購入したAll-In-Wonder 128だ。本来は、実験マシンで使っていた手持ちのRIVA TNT2のカードを流用し、TVチューナーカード(さすがにこれは実験マシン用パーツとして用意されていない)のみを新規に購入したかったのだが、どうも今一つピンとくるものが見当たらなかった。可能なら、ATI Video Wonderが間に合えば、これを使いたかったのだが、どうも出てきそうにない。32MB版が登場したせいか、All-In-Wonder 128の16MB版が安売りになっており(17,800円~19,800円程度)、TVチューナー専用カードとの差額、拡張スロットの消費を減らせることなどを考慮した上で購入したものだ。

 ハードディスクは、All-In-Wonder 128のMPEG-2キャプチャ機能に合わせ、手持ちの中で最も容量の大きい18GBのものを流用することにした。実験マシンのハードディスクは、新しいものがベターだが、大容量である必要は薄い。というより、なまじ大容量だとフォーマットに時間がかかるため、しょっちゅうフォーマットをする実験マシンにはあまり向かない。このDJNA-371800も、実験マシン用としては、容量を持て余し気味だった。

 フロッピードライブに使うLKM-F934-1は筆者の仕事場では標準品。特にフロッピーブートする機会の多い実験マシンでは、倍速が役に立つ。DVD-ROMドライブは、実験マシン用のドライブをもう1世代後のものに変更したため余剰になったものである。サウンドカードは、ソフトウェアDVDプレイヤーのドルビーデジタルマルチチャンネル出力(S/PDIF出力)への対応を考慮して決めた。他にもサポートされたチップはあるが、YMF744が最もトラブルが少ない気がしている(初期バージョンのドライバは、デジタル出力を可能にするのに、アナログ出力を2チャンネルに設定しなければならない、というトリッキー?な部分があったが)。ネットワークカードも、わが家の標準品だ。

■怪しいトラブルに手間どる

spider_clush

 実は、この構成の仕事マシンへの移行は、勤労感謝の日の連休で完了しているハズだった。それがうまく行かなかったのは、非常にトリッキーなトラブルの解決に時間がかかったからだ。それは、All-In-Wonderでビデオ表示をすると、画面表示がおかしくなるというもの。たとえばTVチューナーやDVDプレイヤーなどを用いてビデオをオーバーレイ表示している最中、デスクトップ上でマウスの右ボタンをクリックしてプロパティウィンドウを表示させ、どれも選択せずにデスクトップ上で左クリックすると、プロパティウィンドウが表示されていたところにマウスカーソルが残る。あるいはビデオ表示中にSpider(Plus!98に付属するカードゲーム。筆者のお気に入り気晴らしゲームの1つ)を起動すると画面が乱れる、といったものだ。この問題の解消に2日を要したことが、移行が遅れた原因である。


 ちなみに、この問題が生じた原因は、どうやらハードディスクのパーティションが多すぎたことのようだ。筆者は、大昔(最も大容量のハードディスクが1GB程度だった時代)のドライブ構成の影響で、機能別にドライブレターをCからFまで使っている。大雑把には、CにOS、Dにアプリケーション、Eにユーザーデータで、Fにその他、といった感じだ(昔はこれが全部別のハードディスクだったが、今はすべて1台のハードディスク上にある)。今回、All-In-Wonderを用いるにあたって、ビデオのテンポラリ用にGドライブを設定したところ、上の問題が生じてしまったらしい。少なくともGドライブをやめたところ、問題は解消してしまった。しかし、ハードディスクのパーティションの数と、画面表示の関連性をつかむまでに、2日間もかかってしまったのである。原因が、All-In-Wonderなのか、Windows 98のWDMキャプチャドライバなのかはともかく、今時ハードディスクのパーティションを4つも5つも設定しようとした筆者も筆者だ。昔はバッチファイル等の関係で、ドライブレターを触るのはイヤだったのだが、今はそういうこともなくなってしまった。これを機会に、パーティションの数を減らそうかとも思っている。

バックナンバー

('99年11月25日)

[Text by 元麻布春男]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当pc-watch-info@impress.co.jp