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新iMacとiBookは10月16日に、Mac OS 9は10月30日に国内販売開始
iMacの価格は118,000~178,000円


アップルコンピュータ代表取締役社長
原田永幸氏
'99年10月16日から順次販売開始

価格:
「iMac」118,000円
「iMac DV」148,000円
「iMac DV Special Edition」178,000円

「Mac OS 9」12,800円

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 アップルコンピュータ株式会社は、10月5日(現地時間)に米国カルフォルニアで開催された「Apple Special Event」で衝撃のデビューを飾った新型の「iMac」の日本での発売を発表した。販売開始は来週の土曜日の10月16日。全国のiMacデモ展示販売店および同社のオンラインストア「The Apple Store(アップルストア)」を通じて販売される。なお、iBookも同日に販売が開始される。また「Mac OS 9」日本語版が10月30日に、12,800円で発売されることも併せて発表された。

 新iMacのラインナップは米国と同じで「iMac」、「iMac DV」、「iMac DV Special Edition」の3機種。スペックも同じでMac OS 8.6を搭載する。価格はそれぞれ118,000円、148,000円、178,000円。

 初代のiMacの時には、発売解禁時間が午後3時と時間まで設定されていた。しかし、今回は16日とだけ発表されており、記念イベントも有楽町西武と共同で10月15日~31日まで開催する「iWeek in SEIBU」の中で、16日と17日の午前11時から発売記念イベントを開催することが決まっているのみ。秋葉原や新宿での深夜販売などのイベント開催は現在のところ未定としている。

原田社長の目の前で、新iMacのベールが剥がされた
 この新iMacの国内発売の発表会では、最初にアップルコンピュータ代表取締役社長原田永幸氏が、同社の方針を説明。「iMacは発売以来、世界で200万台出荷し22億ドルを売り上げた」とし、さらに「新しいユーザーを掘り起こし、色々な意味で話題を呼んだ」と、iMacがパソコン界に新風を吹き込み、新しい市場を築いたことを強調した。

 そして、お馴染みのプロとコンシューマ、デスクトップとポータブルに分けられたマトリクス図を示し、コンシューマ・デスクトップに位置するiMacが新しくなることを告げ、ステージ左側に置かれた黒布で覆われた台に近づいた。会場に集まった人の大半が、なにがそこに置かれているか予想がついていたものの期待感は高まり、ベールがはがされ新型のiMacが登場した瞬間には一斉にシャッターが切られた。

 新iMacを日本で初お披露目するという大役を済ませた原田永幸氏はここで退場。次にMac OS 9とiMacについて担当者がそれぞれ個別に解説した。

 Mac OS 9については既に米国で何度も解説されている「Sherlock 2」や、マルチユーザー機能、声紋認証など9つの機能を説明した。ただし、声紋認証では何度か失敗し、結局手動でログインするという一幕も見られた。また、日本語版のSherlock 2ではショッピングチャンネルで、日本のショッピングサイトも使えるようにする予定を明らかにした。

 iMacの解説では「姿は旧モデルに似ているが、ゼロからの新たなチャンレンジを凝縮した」とその新しさを語った。システムバスクロックが100MHzのPowerPC G3 350MHzを搭載することなど、個別のスペックを語った後、搭載するビデオチップATI Rage 128 VRの性能の高さを見せるために、「Apple Special Event」と同様に「Quake 3」のデモを行なった。

 次にサウンド面も大幅に強化したと述べ、「従来のパソコン用スピーカーは低音に弱いが、Harman Kardonの新設計のスピーカーを搭載したことで100Hzの低音にも対応する」と、音質の良さをアピールした。

 その他にも、いままでかなり面倒だったメモリの増設が簡単になったことや、初回起動時にODNの1ヶ月間無料のインターネット接続サービスの画面が現われ、さらに短時間でインターネットに接続できるようになったことなどを挙げ、使い勝手の面でもかなり改善しているとした。

業界初のファンを使わない設計。そう、沈黙は金なのだ! iMovieのデモ。日本らしく子供の成長記録を編集する
 また、ハードウェアも設計を新たにしたことで「ファンを付ける必要がなくなり、普通のパソコンでは37~40dbある動作時の音を30dbまで抑え体感で半分以下になった」と、デスクトップパソコンでは類を見ない静寂さを強調。

 次に今回から用意されたDVD-ROMドライブを搭載した機種で、DVDの再生デモを行なった。ソフトウェアプレーヤーでの再生だが、十分に機能していた。なお、米国のモデルでは「A Bug's Life」といったDVDビデオのタイトルがバンドルされるが、国内モデルではDVDのタイトルは付属しない。

 DVモデルのもう1つの特徴である、FireWireとビデオ編集ソフト「iMovie」のデモも行なわれた。このソフトは新iMacのためだけに開発されている。「“iMacだけ買えば、クリエイティブなことができるソフト”であると自負している」とその機能を誇った。実際のビデオ編集のデモは実に日本的なもので、子供の成長を記録したビデオクリップを作成した。素材をDVカメラからiMacに取り込み、キャプションや、エフェクトを入れたあと、音楽を入れる作業を行なっていると、iMovieが強制終了してしまうというハプニングが起こった。しかし、起動し直すと「簡単に作成できるので、すぐにできます」との言葉通り、ものの数分でビデオクリップを作り上げ、逆にiMovieでは編集が簡単であることを印象づける結果となった。

 Mac OS 9、iMacの個々の製品解説が終了すると、まとめとして原田永幸氏が再び登場。発売日と価格を発表した。それが終わるとステージに糸井重里氏が登場し、対談を行なった。糸井氏が「途中で寝ちゃいました」と切り出し、「取材に来ている人はラフな格好で来ているのに、原田さんがスーツを来てちゃだめですよ」というと、原田氏は「今回もシャーロックの格好で出ようかと思ったんですけどね」と苦笑した。

 発表会の最後に行なわれた質疑応答で出た「米国ではCompuServeと3年契約を結ぶと、400ドルのリベートが受けられるが、日本ではそういったサービスは行なわないのか」という質問には、「現在のところ予定はない。しかし、日本でもフリーPCが出始めているので検討はする」とした。また、「グラファイトモデルでは透明度が高く、シールドも無いように見えるが、電磁障害は大丈夫か」という疑問には、「米国で発売するものだからもちろんFCCを通っている。しかし、電磁障害の解決はかなり苦労したと聞いている。CPUなど電磁波が出やすいものをロジックボードの下に置き、ロジックボードをシールドとして使ったり、底面には分厚いシールドを入れたりして解決したそうだと」と回答した。

【主な仕様】
iMaciMac DViMac DV
Special Edition
CPUPowerPC G3 350MHzPowerPC G3 400MHz
メモリ(最大)64MB(512MB)128MB(512MB)
HDD6GB10GB13GB
ビデオチップATI Rage 128 VR(8MB)
CD/DVD24倍速CD-ROM4倍速DVD
本体色ブルーベリーブルーベリー、グレープ、
ライム、ストロベリー、タンジェリン
グラファイト
価格118,000円148,000円178,000円

【新iMacの整列】
新、旧のiMacを見比べると、透明度の違いがよくわかる。また、旧iMacでシールド板が内部に見えていたが、新iMacではなくなっている。「見せるために内部も設計し直した」という力の入りようだ。

外形寸法は381×435×381mm(幅×奥行き×高さ)、重量15.8kgと、旧iMacの380×440×395mm(幅×奥行き×高さ)、重量17.3kgに比べると、奥行きが14mm短くなり、重量も1.5kg軽くなっている。

今回の正式な並び順。iMac ブルーベリー、DV タンジェリン、ストロベリー、ブルーベリー、グレープ、ライム、Special Edition グラファイト
【旧iMacの整列】

【iMac ブルーベリー】 【iMac DV タンジェリン】 【iMac DV ストロベリー】 【iMac DV ブルーベリー】

【iMac DV グレープ】 【iMac DV ライム】 【iMac DV Special Edition
グラファイト】

グラファイトの透け具合はすごいの一言。逆に、CRTの電子銃がこんなに見えていいのか不安になるほど グラファイト以外のモデルでも、従来より透明度は上がっている。また、内部のシールド板が取り払われていることも、透明感を増している 背面の取っ手部分にある、たくさんの穴は廃熱のため。これにより、ファンレス構造が実現できたとしている iMac DVの右側面にあるインターフェイス。従来あったカバーが今回からなくなった。FireWireも搭載されたことで、ケーブルの抜き差しが増えると考えられるので、当然ともいえる。

また、リセットスイッチがちゃんとした“スイッチ”になっているのも注目点だ


□アップルのホームページ
http://www.apple.co.jp/
□「iMac」のニュースリリース
http://www.apple.co.jp/news/1999/oct/07imac.html
□「iBook」のニュースリリース
http://www.apple.co.jp/news/1999/oct/07ibook.html
□「Mac OS 9」のニュースリリース
http://www.apple.co.jp/news/1999/oct/07macos9.html
□「iMovie」のニュースリリース
http://www.apple.co.jp/news/1999/oct/07imovie.html
□データシート
http://www.apple.co.jp/datasheet/index.html
□「iWeek in SEIBU」のニュースリリース
http://www.apple.co.jp/news/1999/oct/07seibu.html
□関連記事
【10月6日】米Apple、DVDやFireWireに対応した新型iMacを発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991006/apple3.htm
【10月6日】新iMacが衝撃のデビュー! FireWire搭載など3モデルに分化
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991006/apple1.htm
【10月6日】新iMacはここが変わった! iMac DV & iMac DV Special Editionの細部に迫る
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991006/apple2.htm

('99年10月7日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp