推定小売価格:
ViaVoice PROミレニアム日本語版 18,000円
ViaVoice Standardミレニアム日本語版 9,800円
連絡先:ダイヤルIBM
Tel.0120-04-1992
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ViaVoiceミレニアムは、従来製品の認識率が90%前後であったのに対し98%から99%へ向上しており、同社によれば「極限に迫る認識精度」としている。従来は音声特徴量が13次元で表現されていたものが、24次元へとさらに細かくなった。細かくなると計算量は増えるが、データベクトルを精密化する事で計算量を減少させ、高速化を実現したという。このほかにも解析結果をハードディスクに保存し自動的に学習してより精度を高める「アンスーパーバイズドエンロール」を搭載している。この機能により、ソフトのセットアップ時の音声登録作業を1/3に減らすことができたとしている。
このほかにも、声でマウスを動かすボイスマウス機能(“左に高速移動”、“5cm右に移動”等の表現でポインタを操作する)など数多くの機能が追加されている。
日本IBMは都内で発表会を開き、デモを交えてViaVoiceミレニアムの性能をアピール。「ViaVoiceミレニアムの発売で音声認識の普及期に入った」とコメントした。
□日本IBMのホームページ
http://www.ibm.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.ibm.co.jp/NewsDB.nsf/1999/09283
□製品情報
http://www.ibm.co.jp/voiceland/
また、発表会の席上ではViaVoiceミレニアムを使った新製品を株式会社コジマ、株式会社ジャストシステム、株式会社日立製作所が発表した。
コジマはViaVoiceミレニアムを利用した英会話学習ソフトを三省堂、東京書籍、日本ユニシス・ソフトウェアと共同で開発している。ViaVoiceミレニアムの英語版を利用したもので、ユーザーの英語を米国人が判断できるかを判定するもの。話者が英語を話しViaVoiceミレニアムが判断できれば、米国人にも通じるということになる。判定の精度は初級、中級、上級の3段階に調節することができる。発売時期、価格共に未定。
□コジマのホームページ
http://www.kojima.net/about-us/index.htm
日立はキーボードレスのPC「FLORA 220MP」を発表、展示した。FLORA 220MPはViaVoiceミレニアムによる音声認識と同社の文字認識技術「てが~る」とを組み合わせることでキーボードレスを実現した。基本機能としてはCPUにCeleron 266MHzを採用。RAMは32MB(ViaVoiceモデルは96MB、最大160MB)、ハードディスクは4.8GBで、10.4インチのTFTタッチパネルを採用している。解像度は800×600で26万色表示。OSはWindows 98。
サイズはB5で265×205×32mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約1.35kgだが、片手で持つと若干重たく感じた。バッテリは約3時間。インターフェイスはPS2、USB、FDD、ポートリプリケータ、マイク、ヘッドフォンで、PCカードスロットはType2×2。
日立では「キーボードに不慣れな人以外に、医療福祉や工事現場などでも有効」としている。価格は通常モデルが388,000円、ViaVoiceモデルが454,000円となっている。
□日立のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/index-j.html
□「FLORA 220MP」のニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9909/0928.html
会場に展示されていた「FLORA 220MP」。右側がふたを閉めて液晶が見えなくなった状態。ふたを裏にまわすと、左のようにスタンドにすることも可能 | 電源とインターフェイス。通常はペン入力だが、キーボードを繋ぐことも可能 | ポートリプリケータとFDDを接続したところ |
ジャストシステムは音声入力だけでなく、パソコンと対話することで操作することを可能とした音声ワープロ「Voice一太郎10 e-Talk」を発表した。発売時期は年内としているが、11月下旬の見込み。価格は28,000円。
Voice一太郎10 e-Talkでは、一太郎の持つ約2,000ものコマンドに対して、100万通りの命令方法が設定されており、ユーザーの自然な話しかけにも的確に判断し、ユーザーの意志に沿ったコマンドを実行する。これは同社の「JIIF(Justsystem Intelligent InterFace)」を利用したもの。
デモでは「前に編集した」と言うだけでファイルを開き、「(文章中にある)“バザー”をすべて赤くする」と言うだけで、文章中の“バザー”という文字列を検索し選択、フォントを赤くするといった一連のコマンドを自動的に実行していた。このほかにも「文字を少し大きくする」といった抽象的な表現も自動的に判断する。
また音声で文章を入力することができることはもちろん、音声データをテキストに書き起こすこともできる。同時に3つのファイルを指定し一度にテキストファイルに書き起こすことも可能で、処理時間も音声データの収録時間のほぼ半分となっている(16秒の音声データなら8秒程度で処理が終了する)。
このほかにも音声データを一太郎ファイルに張り付けることができ、ファイルを開くと自動的に添付音声ファイルを再生してくれる。また、ATOK13をベースとしたVoiceATOK3の搭載、スケジュールソフト「Sasuke」、メールソフト「Shuriken」のバージョンアップなど、数々の機能がバージョンアップしている。
発表会では浮川和宣社長が挨拶を行ない「生産効率を上げるだけでなく、ユーザーにパソコンを使うことの楽しさや驚きを体験して欲しい。最新のソフトウェア技術を搭載したこのソフトをすべてのパソコンユーザーに使って欲しい」とコメントした。
「Voice一太郎10 e-Talk」のパッケージ写真。e-Talkの文字が大きく印刷されていることからも、新機能に関する自信のほどが伺える | 午後に行なわれたジャストシステムの発表会では浮川社長も挨拶を行なった |
□ジャストシステムのホームページ
http://www.justsystem.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.justsystem.co.jp/news/99l/news/j990928a.html
□製品情報
http://www.justsystem.co.jp/product/applicat/vt10/index.html
('99年9月28日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]