台湾のチップセットベンダーVIA Technologiesは都内のホテルで自社のチップセットやグラフィックスチップベンダーなどを集めて「PC2000 Platform Solutions」と題した技術セミナーを開催した。このセミナーにはVIA自身のほか、ATI Technologies、AMD、Cyrix、Micron、NVIDIA、S3といったメーカーが参加しており、それぞれの製品の今後についてを語った。
●CyrixはGobiの名前をJoshuaに変更し2000年の第1四半期にデビューさせる
展示会で展示されていたJoshuaを搭載したPC。チップセットはVIAのVT82C693A(Apollo Pro133)が採用されており、実際に動作していた |
その中で、Bode氏はCyrixの次世代CPUについて触れ、これまで「Gobi」のコードネームで呼ばれてきたCayenneコアのCPUが「Joshua」という名前に変更されたことを明らかにし、併せてその詳細を公開した。そのスペックは下記のようになっている。
ただ、このJoshuaがCyrix/VIAの思惑通りに発売されるかは不透明だ。というのも、ご存じのようにVIAはIntelとP6バス(Pentium IIIやCeleronなどで利用されているシステムバス)のライセンスに関する法的な係争を抱えている。VIA自身はNSと提携し、両社の共同製品とすることでクリアできていると主張しているが、その主張の通りに決着するのかは現時点では不明だ。裁判の行方によってはそうしたVIAの主張が通らない展開も無いわけではなく、そうなった場合VIAはもちろんCyrixに関してもP6バスを利用するJoshuaは販売できなくなる。そうした法的な問題に関してはVIAは「ノーコメント」ということだった。
何はともあれ、Joshuaは初めてIntel以外の会社が発売するP6バスのCPUとなるだけに、その行方には注目が集まるところだろう。
●VIA自身のロードマップはむしろ後退?
VIAの戦略に関しての講演をおこなうプロダクトマーケティングディレクターのEric Chang氏 |
さて、VIAのプロダクトマーケティングディレクターのEric Chang氏によるVIAのセッションも行なわれたが、基本的には4月に行なわれたものとほとんど同じで特に目新しい内容はなかった。それどころか、今回のセッションで説明されていたロードマップは、7月のPlatform99で行なわれたロードマップよりも後退した内容で、実におおざっぱなものだった。従って、今回のセッションでは特にVIAに関しては新しい内容もなかった(展示会場ではPlatform99で配布された資料と同じ資料が配付されており、そちらのロードマップはPlatform99と全く同じだった)。
また、4月のセミナーではDDR SDRAMに関してのVIAの取り組みが強調されていたのだが、今回のセミナーではDDR SDRAMに関する説明はほとんどなく、ひたすらにPC133 SDRAMに関する説明のみが行なわれていた。Intelも遂にPC133のサポートを発表するなど、今まさに旬と言えるPC133をアピールしたいということなのだろうが、なんとも不可解だった。
●本邦初公開のGeFORCE 256とSavage2000
セミナーに引き続いて行なわれた展示会では、NVIDIAのGeFORCE 256とS3のSavage2000がそれぞれ日本では初公開された。特にNVIDIAのブースには多くの来場者が集まって人だかりができるほどで、Cube Environment mappingのデモなどGeFORCE 256の処理能力に注目が集まっていた。ただ、公開されていたデモはIDF期間中に行なわれたGeFORCE 256発表会で行なわれたものと同じもので、特に目新しい内容はなかった。
また、Savage2000も日本では初公開とあり、多くの来場者が足をとめてデモに見入っていた。
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【9月2日】ライバルは次世代プレイステーション?
~NVIDIA GeForce 256衝撃のデビューを飾る!~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990902/idf02.htm
('99年9月17日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]