会場:幕張メッセ Hall 1~8
開催期間:9月17日~19日(17日は特別招待日)
東京ゲームショウの性格上、出展されているゲームはそのほとんどがいわゆる家庭用ゲーム機向けのものである。しかし、PCゲームが全く展示されていないというわけではない。そこでここでは、東京ゲームショウ '99秋で展示されているPCゲームをいくつか紹介しよう。ちなみに、PCゲームはそのほとんどがブース3、4に集中している。
■マイクロソフトブースではAGE OF EMPIRES IIとMicrosoft Flight Simulator 2000を大々的に展示
ホール2のPCゲームコーナーにブースを構えるマイクロソフトは、人気シミュレーションゲーム「Age Of Empires」の続編、「Age Of Empires II The Age Of Kibgs」(以下AOE II)と、定番フライトシミュレータの最新版、「Microsoft Flight Simulator 2000」(以下FS2000)を中心に展示を行なっている。特にAOE IIは前作の熱狂的なプレーヤー達が発売を待ちわびていることもあり、かなりの人だかりができていた。
AOE IIは、前作の後(紀元後500年~1500年)の世界が舞台となっている。日本やモンゴル、バイキングなど13の文明から1文明を選んで世界制覇を狙う。時代背景が変わったことにより、登場する人物、建物や武器などのユニットは大幅に変更されている。また、兵隊などの戦闘ユニットを編隊で扱えるようになるなど、戦略面での機能変更が多く、より戦略性の高いゲーム性へと進化している。もちろんグラフィック面も大幅に強化されており、ゲームの完成度は前作から大きく向上している。
会場で展示されているAOE IIはまだ製品版ではなくβ版であるが、かなり製品版に近いものだ。もちろん、インストールされたマシンが5台ほど用意されており、自由にプレイ可能となっている。ちなみに11月26日に発売予定となっている。
一方FS2000は完成度80%ほどのβ版が展示されている。現在はスピード面でのブラッシュアップを進めている段階だそうだが、ベースとなるシステム面についてはほぼ完成しているそうで、今回の目玉であるコンコルドも既に操縦可能であった。こちらも複数台のマシンでプレイ可能となっている。また、前方3台+計器1台の計4台のモニターを利用した、マルチウィンドウによるコックピットを模した大型筐体も用意されているので、ファンはぜひプレイしてみてもらいたい。
このほか、テトリスの開発者アレクセイ・パジトノフ氏制作のパズルゲーム10作が収録された「パンドラの箱」、コンバットフライトシミュレータのアドオン「YS-11 JACフライト」や「陸軍航空隊」などが展示されている。
ソフト以外では、ゲームコントローラ「SideWinder」シリーズの最新モデル「SideWinder DUAL STRIKE」、「SideWinder GAME PAD PRO」、「SideWinder PRECISION RACING WHEEL」や、光学式マウスの「IntelliMouse Explorer」、「IntelliMouse with Optical Technology」、最新キーボードの「Natural Keyboard Pro」といったハードウェアも展示されている。このうち、「IntelliMouse with Optical Technology」と「Natural Keyboard Pro」は初のお披露目である。
Age Of Empires II The Age Of Kibgsのプレイコーナーは大勢の人でにぎわっていた | Microsoft Flight Simulator 2000は、完成度80%ほどのβ版ながら、前作を凌ぐスケールが実現されている | パッケージに描かれるコンコルドももちろん操縦可能だ | ディスプレイ4台を利用した特別コックピット筐体。ファンならぜひともこの筐体でプレイしてみよう |
奇才アレクセイ・パジトノフの新作「パンドラの箱」。ビル・ゲイツもお気に入りらしい | 初公開となるNatural Keyboard Pro。キーボード上部の各種コントロールボタンが特徴 | こちらも初公開の光学式マウスIntelliMouse with Optical Technology。通常のIntelliMouseとほぼ同じ形だ |
■トゥームレイダーシリーズ第4作が国内初登場
トゥームレイダーシリーズでおなじみのアイドス・インタラクティブも、マイクロソフトと同じPCゲームコーナーブースを構えている。E3でのEIDOSブースでは、コスプレのララ・クロフトを登場させたり、様々なイベントを開催するなど、常に派手な演出を行なっているが、東京ゲームショウのアイドスブースでは特別なイベントなども行なわれておらず、ややひっそりとした展示となっている。しかし、その中で注目のトゥームレイダーシリーズ最新作、「TOMB RAIDER THE LAST REVELATION」が国内初公開されている。
4作目となるTHE LAST REVELATIONでは、エジプトが舞台となってゲームが展開される。新しい敵キャラの登場や、新しいアクションの追加などが行なわれているそうで、難易度はやや高くなっているかもしれない。また、グラフィックエンジンが新しくなっているそうで、新しいグラフィック効果によってより美しい画面でプレイできるようになっている。特に、Pentium IIIを利用した場合にはより完成度の高いグラフィックでプレイできるようだ。
ところで、本作で主人公ララ・クロフトのルーツが明らかになるそうなのでファンは要チェックだ。日本での発売日は、英語版が11月26日、日本語版が12月17日に予定されている。
■ゲーマーズドリームでは最新ネットワークゲームを展示
ネットワークRPG「Dark Eyes」で産声を上げた、NTTデータが運営するゲーム専用ネットワークサービス「ゲーマーズドリーム」。そのゲーマーズドリームのブースでは、最新ネットワークゲームがいくつか展示されていた。
まず、10月15日発売予定の「STONEAGE」(日本システムサプライより発売)。その名の通り石器時代が舞台となったネットワークRPGである。プレーヤーは石器時代の1人の住人となり、恐竜を狩りに出かけたり、ほかのプレーヤーとおしゃべりをしたり、仲間と冒険に出かけたりと、自由気ままに生活するという内容だ。ウルティマ・オンラインのようにぎすぎすした雰囲気は全くなく、とにかく穏やかなゲームだ。ネットワークRPG初心者にお勧めのゲームといえる。
また、「Blue Ephere」という潜水艦シューティングゲーム(バンプレストより発売)も展示されている。こちらは、ゲームに参加する1,000人を越えるプレーヤーが2つの陣営に分かれて、それぞれの陣営に与えられたミッションを力を合わせてクリアしていくというものだ。ただし、ブースで展示されているのはムービーのみで、実際にプレイできるものは用意されていなかった。
そして、気になるゲームがもう1つ。それは、元祖美少女育成ゲーム「プリンセスメーカー」の最新版「プリンセスメーカー・オンライン版(仮称)」だ。ゲーム業界に一大センセーションを巻き起こした超人気ゲームの最新版で、どういった内容書きになるか気になるところではあるが、残念ながら具体的な展示はいっさい行なわれておらず、ゲーム画面はもとよりその内容もほとんど不明である。しかし、根強い人気を誇るタイトルだけに、その完成度如何によってはゲーマーズドリームの発展に寄与するキラーソフトとなる可能性も十分に考えられる。今後の発表に注目したい。
石器時代が舞台のネットワークRPG「STONEAGE」。全体的に穏やかな雰囲気で、ネットワークゲーム初心者向けか | こちらはかなり硬派なシューティングゲーム「Blue Ephere」。ただしブースではムービーのみの展示となっている |
■韓国ゲームメーカーのゲームが多数展示されている
ホール3には、ゲーム総合支援センターが用意する海外ゲーム紹介コーナーがある。ここでは、韓国メーカー数社が開発したゲームが展示されている。ジャンルもアクションからシミュレーション、RPGなど様々で、どれもかなり高い完成度を誇っているものばかりである。
その中で特に気になったゲームが、nc softというメーカーが開発する「Lineage」(リニージ)というもので、ウルティマ・オンラインに近いネットワークRPGである。プレーヤーは戦士や魔法使いなどのキャラクターから1人を選び、ほかのプレーヤーと協力して敵モンスターを倒したりダンジョンを探検する。プレースタイルは一般的なネットワークRPGとほぼ同じと考えていいだろう。
このゲーム、韓国内ではかなり多数のユーザーにプレイされているそうで、韓国内に4つのサーバーが用意されており、総登録ユーザー数は50万人に上るそうだ。1つのサーバーで2,000人同時にプレイでき、実際に約7,000人程度がログインしてプレイされることもあるそうだ。
メーカーの人の話によると、日本ではまだパートナーを捜している段階で、サービス開始の目処はたってないそうだ。しかし、ソフト自体は既に日本語化が完了しており、パートナーが見つかれば来年早々にでもサービスを開始したいそうだ。
ただ、問題となるのが言語だ。実際にゲームの様子がデモされているのだが、プレーヤー同士のチャット画面に表示される文字は全てハングル。プレーヤーのほとんどが韓国人なので仕方がないが、このままでは日本人が満足にプレイできるとは言い難い。翻訳機能を搭載するか考えているという話もあったが、言語の壁をクリアするにはかなり苦労するだろう。ただ、ゲーム自体はなかなかおもしろそうなので、言語の壁さえなんとかなれば、日本でもかなりのユーザーを獲得できるのではないだろうか。
韓国メーカーのゲームが多数展示されている、ゲーム総合支援センターのブース。どのゲームもかなり完成度が高い | UOライクなネットワークRPG「Lineage」。韓国では絶大な人気を誇っている | Lineageのスクリーンショット。展示されていたものは日本語化が完了していたが、画面上部チャットウィンドウのハングル文字が課題か |
■その他のPC用ソフト
ここまでで紹介した以外のPC用ゲームをここでまとめて紹介しておこう。
アスキーブースでは、アスキーツクールシリーズの最新版「恋愛シミュレーションツクール」と、女神転生シリーズ「偽典・女神転生 東京黙示録」の2タイトルを展示。偽典・女神転生は、'97年に発売されたPC-9801版の移植ものだ。
エレクトロニック・アーツ・スクウェアでは、中田英寿公認の「FIFA99ヨーロッパリーグ・サッカー」をはじめ、おなじみシムシリーズの最新作「シムシティ3000」、「テーマパークワールド」、「テーマアクアリウム」、ウォーシミュレーションゲーム最新作「Command & Conqer Tiberian Sun」などが展示されている。
また、SEGA PCブースでは「セガ・ラリー チャンピオンシップ」に加え、「バルダーズ・ゲート」の完全日本語版を展示。イマジニアブースでは実際の展示はないものの、「マリーのアトリエ」と「エリーのアトリエ」のPC版が発表されていた。
('99年9月17日)
[Reported by 平澤寿康@ユービック・コンピューティング]