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ウルティマ オンライン ザ・セカンド エイジ
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パッケージを片手に説明するGarriott氏 |
そのために、実際に製品を出荷する前に、そして出荷した直後にサーバーの数を急激に増やさなければならなくなった。現在、16のサーバーが世界中で稼働している。もう1つ特筆すべきことは日本のユーザーがそのうち1/3近くになることだ。ただ、日本では初期の段階から複数の人間がバーチャルな世界に入って何かをするといったコンセプトやシステム、たとえば「ハビタット」といったものがすでにポピュラーだったので、日本では受け入れられやすかったのかもしれない。
さらに通常のパッケージソフトは、発売してパッと売れればそれで終わりだが、ウルティマオンラインは発売以来ずっと売れ続けていて、今でも週に500人以上のユーザーが増加している。
今回は、初心者向けにいろいろと変更点が加えられているが、もちろんサーバーにも変更が加えられている。その1つとしてあげられるのが“ウルティマメッセンジャー”と呼ばれるものだ。いままではブリタニアの住人に連絡を取ろうとしても、相手がオフラインの時は連絡を取ることができなかった。今回から住人はすべて“メールバッグ”を持つことになる。このメールバッグを相手にドラッグすれば相手にグリーティングカードを渡すことができる。このメッセージシステムはゲームの中だけでやりとりできるE-mailのようなものだと考えてもらえばわかりやすい。ただし、ゲームの中だけでなくORIGIN社のWEBでも読むことができる。
メッセージにはキャラクターネームと本文だけがやりとりされるだけで、それ以外の情報は付け加わえられない。メールの出し方は先述のとおり出したい人にグリーティングカードを出すだけだが、もしたくさんの人に出したいときでも各人に同じように出していかなければならない。もし、簡単にたくさんの人に出せてしまったら、それを利用した問題がおこるかもしれないからだ(いたずらに悪用するユーザーが現われるかもしれない)。さらに、リボークというボタンがあり「こいつからは絶対受け付けない!」というボタンも付いている。
ウルティマメッセンジャーに関しては、従来のユーザーに対しては自動的にPatchがダウンロードされ、機能が付加される。このPatchに関しては近いうちに配布が開始されるだろう。
サーバーに関して言えば10月1日から5番目のサーバーが新たに開設されることになる。新しくサーバーができれば、ユーザーは色々と新しいことを実現することができる。それに新しいサーバーができれば、まっさらなわけだから、みんな新しい土地を取るために必死になるだろうね。(サーバー開設から)時間がたつと土地を得るのが難しくなり、家や土地を持っている人が、売買したりしているんだ。米国の某大学教授の経済学研究によれば、ウルティマ オンラインの中でのゴールドの価値を計算し、実世界と比較してみるとイタリアのリラよりも価値が上だったというくらいなんだ(笑)。
このほかにも新規ユーザー向けのニュークエストと、既存ユーザーのボランティアによる新規ユーザー支援プログラム「コンパニオン」が加えられる。ゲームの遊び方を教えてくれたり、カウンセラーなどプログラムは多岐にわたっているが、米国ではテストの開始時にボランティアの応募が何千人もの規模になった。現在米国ではコンパニオンプログラムのテスト中で、良好な結果を得られた時点で全世界に導入するつもりさ。
コンパニオンになる資格は年齢制限(18歳以上)のほかPK(プレーヤーキラー)でないことなど若干の要素はもうけて選定している。また、ゲームの中のプレーヤーに「コンパニオンは役立ちましたか?」といった質問を逆にすることなども検討している。
ウルティマ オンライン ザ・セカンド エイジ |
20年続いた物語がついに終章に突入「ウルティマIX:アセンション」
自分でキャラクターを動かしながら説明してくれたGarriott氏 |
ゲームの中ではあちこちに登場するムーンゲート |
システム的なことだが、画面の中央にある星はカーソルだ(写真参照)。カーソルはアバタールの視点と連動していて、星のカーソルを中心に周りを見ることができる。また星の色は対象物までの距離を表わしている。たとえばグリーンの時はさわることができ、黄色の時は物を投げたり矢を撃ったりできる距離で、赤はさらに遠いということだ。
このほかにマウスカーソルを自由に動かせるフリーカーソルモードと、アバタールの姿が見えなくなる1人称視点の3つの中から視点を選択することができる。
前作では距離感がつかめずジャンプが難しいとの意見をいただいたが、今回変更をしてジャンプを失敗したことで死ぬことがないようにしている。カーソルがグリーンであれば指定したところに確実にジャンプしてくれる。
また、バッグのほかにツールベルトという簡単に物にアクセスする入れ物がある。ベルトに物をぶら下げていると考えてもらえばわかりやすいだろう。このツールベルトはファンクションキーに対応していて対応した物を即座に取り出すことができる。
魔法だが、炎の魔法や水晶を地中から生えて敵の足場を悪くしたり、追っ手が追いつくのを遅らせる魔法など、たくさん用意されている。昨年のE3ではマウスの動きによって魔法の効果や威力が変わるといったシステムも考えていたが、取りやめになった。
見えにくいが画面中央にグリーンの星形カーソルが見える | 画面下に見えるのがいわゆるツールベルトと呼ばれるもの | 左上がリュックサックというかアイテムを入れておく袋 |
魔法も数多く用意されている | こちらは雷で敵を一撃する瞬間 |
夜になると満天の星が夜空を彩る |
ゲームの中の世界では時間が流れており、朝は日が昇り、昼になり日が輝き、日が沈み夜になれば暗くなり、星や月が動く。これらの時間の概念は大切で、ブリタニアに入れば2つの月があり、その月の満ち欠けにより世界を結ぶゲートが開いたり閉じたりすることになるなど、ゲームに関係してくる。
天候も自然に変化していく。たとえば雨だけど、一粒一粒がきちんと3Dで描かれているので、地面に当たり跳ね返るところまできちんと描画されている。これまでのゲームでは雨は背景として別に描かれるなどの手法がとられることが多く、あるゲームでは(画面の表示に失敗したのか)建物の中に入っても雨が降っていることがあった(笑)。「ウルティマIX:アセンション」ではすべて3Dのポリゴンで描画されているので、そのようなことはない。建物の中に入れば雨風をしのげアバタールの健康も守られることになる。
ほかの物についても言えることで、すべての物は3Dで作られており、トイレでは水を流せるし、浴槽には水を入れることができ、本も3Dで作られていて1枚1枚めくることができる。
「アセンション」は3Dグラフィックアクセラレータが必須となるし、かなりのマシンスペックを要求することになるが、それだけの魅力のあるゲームになる。
「ウルティマIX:アセンション」は私の20年の仕事の集大成と言うことで、完成することが私自身うれしいですし、制作チームのみんなも喜んでいる。それをユーザーのみなさんのも感じ取ってもらいたい。
数多くの敵が登場し、戦闘を繰り広げることになる | |
変化に富んだフィールドが展開する | ブリタニアには数多くのキャラクターが独自のAIで生活している |
(c)1999 ORIGIN System, Inc.
インタビュア:谷川潔(DOS/V POWER REPORT)、小笠原誠、船津稔(PC Watch)
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