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Macworld Expo New York '99基調講演レポート
Steve Jobs(Apple Computer暫定CEO)
~ 待望の「iBook」に会場は騒然 ~

Jacob Javits Convention Center

会期:7月20日~23日(現地時間)

会場:NewYork Jacob K. Javits Convention Center



 現地時間の7月21日にNewYorkのJavits Convention Centerで開幕した「Macworld Expo New York '99」。その初日に行なわれたApple ComputerのSteve Jobs暫定CEOの基調講演では、「iMacノート」とも言える待望のコンシューマ向けノートブック「iBook」が発表された。また、同社ストリーミングメディアソフト「QuickTime」の普及を促進する「QuickTime TV」、Mac OSの新バージョン「Mac OS 9」の発表に続いて、「Sherlock II」のデモ、Mac用の新アプリケーションのデモも行なわれ、見所の多い基調講演となった。


■Jobs氏のそっくりさんが登場

Jobs Jobs
Jobs役を演じた俳優のNoah Wyle氏(右)とJobs氏(左) 基調講演を行なうJobs氏
 基調講演の始めにステージに登場したのは、Jobs氏ではなく、同氏のそっくりさんだった。シリコンバレーに関する米TVドラマ「Pirates of Silicon Valley」でJobs役を演じた俳優のNoah Wyle氏は、黒のタートルネックのシャツにブルージーンズというJobs氏そっくりの格好で現れ、「とんでもなく素晴らしい製品を見せるよ」とJobs氏独特のしゃべり方で語り、会場を沸かせた。その後、Jobs氏の登場に、会場は一層大きな拍手を送った。

■待望の「iBook」に会場は騒然

Jobs
「iBook」の説明を行なうJobs氏
 Jobs氏は、会場の期待が大きく高まる講演の終わりに差し掛かり、待望のコンシューマ向けノートブック「iBook」を発表した。「ユーザーは、持ち運びができるiMacを待望していた」と語る同氏は、「これで、プロ向け、コンシューマ向けに、デスクトップとノートブックを提供すると以前から言っていたとおりAppleのすべてのラインナップが揃った」と語った。

 「iBook」という名前の由来に関しては、プロ向けには『Power』、コンシューマ向けには『i』と名前がついており、デスクトップは『Mac』、ノートは『Book』だから、『iBook』となるのが自然の成り行きだったとしている。iMacのデザインをベースにした丸みを帯びた筐体は、タンジェリン(オレンジ)とブルーベリー(青)の2色で、9月に1,599ドルで出荷される予定。

 また、iBook用のワイヤレスLANカード「AirPort」を使用したワイヤレス接続のデモでは、会場から大きな拍手があがった。

□iBookのニュースリリース(英文)
http://www.apple.com/pr/library/1999/jul/21ibook.html
□iBookの製品情(英文)
http://www.apple.com/ibook/
□関連記事
【7月22日】米Apple、トランスルーセントボディのノートPC「iBook」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990722/apple.htm


■「QuickTime TV」ネットワークを発表

 Jobs氏はまた、「Star Wars:The Phantom Menace」の予告編を見るために、同社の「QuickTime」が1,000万コピー以上ダウンロードされていると語り、同ソフトウエアが幅広く普及していることをアピールした。同氏はこの普及を一層進めるため、「受信機、ステーション、ネットワーク、コンテンツのすべてを含む『QuickTime TV』ネットワーク」を発表した。同ネットワークは、同社のストリーミングサーバ「QuickTime Streaming Server」を使用して、高画質のビデオおよびオーディオを配信するサービスで、コンテンツプロバイダには、ABC News、BBC、Bloomberg、Fox News、Rolling Stone、VH1、HBO、National Public Radio、Disney、ESPN、WGBHなどが名を連ねている。

QuickTime TVのニュースリリース(英文)
http://www.apple.com/pr/library/1999/jul/21qtv.html


■Mac OSの新バージョン「Mac OS 9」

Jobs
午後にあったApple幹部による質疑応答セッション。Jobs氏の左に座っているのがハードウエアエンジニアリング部門のJon Rubinstein上級副社長。右側に座っているのが国際製品マーケティング部門のPhil Schiller副社長
 Jobs氏はさらに、10月にMac OSの新バージョン「Mac OS 9」を99ドルで出荷することを発表した。「Sonata」というコードネームで開発されていた同OSは、「新たに50種類の機能が追加されている」という。同社の国際製品マーケティング副社長のPhil Schiller氏は、これらの新機能の中から、同社の検索エンジンのアップデートバージョンである「Sherlock II」のデモを行なった。「Mac OS 8.5」から導入されているSherlockは、デスクトップとインターネットを同時に検索し、検索結果をひとつのウィンドウに表示するため、複数のWebサイトに行く必要がない便利な機能。

 アップデートバージョンでは、特定の種類のWebサイトをグループ化して検索できるプラグインが追加されており、これによりユーザーは、ニュースサイトやECサイトのみを検索することができる。たとえば、CDや本、コンピュータなどの商品価格や在庫状況を調べたい場合、1回の検索リクエストで多数のECサイトを検索し、その結果をひとつのウィンドウで示してくれる。


 その他、Jobs氏は「iMacが発売されてから丁度1年間で、約190万台が販売される計算になる」とし、このiMacの人気ぶりに触発されて多数のMac用アプリケーションが登場したと語った。iMacの発売以来、新たに登場したMac用アプリケーションの数は4,000種類近くになるとし、その中からBungieの最新アクションゲーム「HALO」の未公開デモを披露した。マルチプルユーザープレイが行なえる同ゲームタイトルは、2000年1月に発売される予定。

Macworld Expo New York '99のオフィシャルサイト
http://www.macworldexpo.com/mwny99/index.html
Apple Computerのホームページ
http://www.apple.com/
Apple ComputerのMacworld Expoホームページ
http://www.apple.com/hotnews/features/mwny99/
□関連記事
【'98年7月9日】iMacに賭けるSteve Jobs氏、突然の登場で会場に驚きの声
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980709/mwny98_3.htm

('99年7月22日)

[Reported by HIROKO NAGANO, NY]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp