会場:台北世界貿易センター展示場
台北国際コンベンションセンター
主催:TCA(台北市電脳商業同業公会)
CETRA(中華民国対外貿易発展協会)
日本では、コダックを除けば海外メーカーのコンシューマ向けデジタルカメラを目にすることは少ない。それは、他の国がデジタルカメラを作ってないからではなく、日本独特の高価格でも高画素の製品を求める市場が障壁となっているからのようだ。
実際、今回のCOMPUTEX TAIPEIでも、台湾メーカー各社からデジタルカメラが出品されていた。それらのデジタルカメラは80万~150万画素で、日本の1~2世代前の印象だが、その代わりに価格は日本より低く設定されている。また、低価格にするためか光学ズームを搭載している機種がない。また、80万画素以上のほとんどの機種にUSBインターフェイスが搭載されているなど、日本とは製品の傾向がかなり異なっている。
各ブースの係員に日本への参入について聞くと「日本のデジタルカメラ市場は競争が激しい。また、日本製のデジタルカメラはコンパクトで高画質だが、非常に高い」という、ほとんど同じ答えが返ってきた。ただし、「だからこそ、低価格で参入する余地がある」と考えるメーカーと、「低価格を求める、日本以外の市場で勝負する」というメーカーの2種類に意見が分かれた。
今回は上記のように、日本とかなり毛色の異なる台湾メーカーのデジタルカメラをレポートする。
■PRETEC、DS-7とFinePix 700に似たデジタルカメラ
PRETECのブースでは、35万画素クラスの「DC-600」と、80万画素クラスの「DC-800」が展示されている。DC-800は2月に開催されたPMAで「PREMIER」から出展されていた製品と同じものだ。
デザインはそれぞれ富士フィルムのDS-7、FinePix 700にどことなく似ている。ただし、大きさはいずれも一回り大きい印象だ。両機種とも記録メディアはコンパクトフラッシュ(CF)、液晶と光学ファインダーを備え、インターフェイスはシリアルを搭載。DC-800ではさらに、USBも装備している。
価格はDC-600が200ドル、DC-800が300ドル。いずれも、現地では出荷が開始されている。日本への出荷については検討はしているという。
また、この2機種のデジタルカメラとプリンタを接続して、PCを使わずにプリントアウトするユニット「FotoPrint」も並んで展示されていた。HP、エプソン、キヤノンのプリンタに対応し、99ドル。
なお、同社では近々150万画素クラスのデジタルカメラも発表する予定があるとのことだ。
「DC-600」の正面。DS-7によく似たデザインとなっている | 「DC-600」の背面。液晶ファインダも備えている |
「DC-800」の正面。フラッシュも搭載している | 「DC-800」の背面。1.8インチTFT液晶を備える | 「FotoPrint」。これを使えばPCを使わずにインクジェットプリンタから出力できる |
■LARGAN、150万画素モデルが9月に登場
LARGANでは、PMAでも参考出品されていた80万画素の「EASY 800 VIEW」と、150万画素の「EASY 1500 VIEW」を今回も展示していた。
いずれも液晶と光学ファインダーの両方を備え、記録メディアはCF、インターフェイスはシリアルのみとなっている。出荷は9月ということで、輸出価格はそれぞれ215ドル、250ドルとなっている。既に、日本のメーカーとOEM供給についての話があるとのことなので、日本でも発売される可能性は高そうだ。
「EASY 1500」のスペックシート。下に「予告なく変更する可能性があります」と表記してある | 「EASY 1500」の正面。まだ、モックアップの段階なので、フラッシュがうまく閉じなかった | 「EASY 1500」の背面 |
「EASY 800」のスペックシート。こちらも下に「予告なく変更する可能性があります」と表記してある | 「EASY 800」の正面。非常にあっさりしたデザインだ | 「EASY 800」の背面。背面もほとんどボタンもなく、すっきりしている |
■TECO、130万画素のデジタルカメラ
「DC 1311」。まだ、サンプルなので仕上げが粗い。USBインターフェイスも備えている |
■SAMPO、ボイスレコーダを搭載したデジタルカメラ
SAMPOは、ボイスレコーダ機能を装備した1/3インチ85万画素CCD搭載「DCE-400」を出展している。光学式ファインダーに加え、液晶ファインダーも備える。インターフェイスはUSBとシリアルで、CFスロットを搭載。外形寸法は144×51.5×75mm(幅×奥行き×高さ)と結構大きい。
現地での出荷はすでに開始しており、価格は192ドル。日本への出荷の予定はないとのことだ。
「DCE-400」の正面。デザインはすっきりときれいにまとまっている | 「DCE-400」の背面。音声も録音できる |
■Mustek、85万画素のデジタルカメラ
Mustekブースでは、1/2インチ85万画素CCDを搭載した「MDC-800」を展示。デザインはコンパクトカメラに近いが、外形寸法が138×73×50mm(幅×奥行き×高さ)と、日本人の手には少し余る。
液晶と光学ファインダー両方を備え、インターフェイスはシリアルとUSBを装備している。内蔵メモリを4MB搭載しているほか、CFスロットも用意されている。価格は279~299ドル。日本でも9月にリリースされる予定。
「MDC-800」のスペックシート | 「MDC-800」の正面。角張ったデザインで、日本のデジタルカメラより、一回り大きい印象だ | 「MDC-800」の背面。左上の液晶はステータスモニタ用 |
■Altima Computer
Altima Computerは、子供向けとして19,200画素CMOSイメージセンサを搭載した「Kids Camera」を展示。解像度は160×120ピクセル、液晶は搭載しておらず、メモリは内蔵4MBのみと、非常に割り切った仕様だ。ただし、価格は子供向けということで60ドルと低く抑えている。
また、同じでデザインで30万画素COMSイメージセンサを搭載した「AltimaCam-30」
も参考出品されている。こちらの方は、まだ出荷時期や価格は未定だ。
「Altima Kids Camera」。160×120ピクセルと低解像度だ | 「AltimaCam-30」。30万画素のCMOSイメージセンサを搭載する |
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【2月23日】山田久美夫のPMA99レポート第3弾「150万画素モデルが続々登場した海外モデル」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990223/pma3.htm
('99年6月3日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]