COMPUTEX TAIPEI '99 レポート
~ Socket 370対応互換CPUなど新CPUの展示相次ぐ ~


会期:6月1日~6月5日
会場:台北世界貿易センター展示場
   台北国際コンベンションセンター
主催:TCA(台北市電脳商業同業公会)
   CETRA(中華民国対外貿易発展協会)


 COMPUTEX TAIPEI '99では、Intel、Rise、IDT、Cyrix(National Semiconductor)といったCPUメーカーが出展し、Socket 370対応製品を含む新CPUを出展していた。


■Rise Technology
 CPUメーカーの中でも注目の展示が多かったのがRise Technology。5月末に開発を表明したばかりのSocket 370対応版互換CPU「TIGER」や、2次キャッシュ統合型Socket 7対応CPU「mP6 II」を展示していた。


Tiger mP6 II mP6
Tigerパッケージ mP6 IIパッケージ mP6パッケージ

 TIGERはmP6コアをベースに、256KBの2次キャッシュを統合したCPUで、FSBクロックとしては66MHz/100MHz/133MHzの3種類に対応し、さらには(チップセットを介して)PC266規格のメモリにも対応しているという。同社では年末までには出荷すると説明しており、その際には400MHz(133MHz×3)のタイプも予定しているという。

 また、mP6 IIは、mP6コアにTIGERと同じ256KBの2次キャッシュを統合したSocket 7対応CPUで、366(100MHz×2.5)、380(95MHz×3)、400(100MHz×3)、433(95MHz×3.5)、466(100MHz×3.5)などの製品がラインナップされるという。出荷予定は第3四半期とのこと。

□Rise Technologyのホームページ(英文)
http://www.rise.com/


■IDT
WinChip 3デモ

 IDTでは、次世代のSocket 7対応CPU「WinChip 3」の動作デモや、同社初のベースクロック100MHz対応CPUの展示などを行なっていた。

 WinChip 3の動作デモは、PCケースを閉じた状態だったためにCPU自体を確認することはできなかったが、説明員によれば、同社のパフォーマンスレートによる333タイプ(100MHz×2.5)のデモだという。出荷予定は9月とのこと。

WinChip 2 Revision A 233 WinChip 2 Revision A 266 WinChip 2 Revision B

 また、同社初のベースクロック100MHz対応CPUとして展示されていたのは「WinChip 2 Revision A」と「WinChip 2 Revision B」の2タイプ。いずれも現行のWinChip 2をマイナーモデルチェンジしたもので、新たにベースクロック100MHzに対応し、CPUの動作倍率設定として2.33倍や2.5倍などを追加したもの。2タイプの違いは、想定用途やパッケージで「Revision AはデスクトップPC向けのSocket 7タイプで、動作電圧は3.3Vまたは3.52Vのシングルボルテージ。これに対し、Revision Bはソケットを使用しないBGAタイプで、動作電圧はコア2.8V、I/O 3.3Vのデュアルボルテージ」とのこと。なお、Revision Aの200(66MHz×3)と233(66MHz×3.5)はCOMPUTEX終了後、ほどなく日本国内での販売が始まり、7月には266(100MHz×2.33)も販売開始になる見通しだという。

 また同社では、変換子基板を介してSocket 7で使用できるRevision BをCPU評価用として一部メーカーに貸し出しており、実際にこのタイプの「Revision B」を自社製品と組み合わせて展示しているメーカーも一部で見られた。このタイプのRevision Bは、見た目がほとんどRise mP6と同じもの。動作電圧もMMX Pentiumと同じことから、一般への販売も期待されるが、IDTでは「特に予定はない」とのこと。

□IDTのホームページ(英文)
http://www.idt.com/


■Cyrix(NationalSemiconductor)

Socket 370のCPU 対応マザーボード1 対応マザーボード2

 5月初頭にPC向けCPUからの撤退を宣言したばかりのNationalSemiconductorのブースでは、なぜかSocket 370対応新CPUを展示中。説明員に理由を尋ねると「事業を売却する際の重要なオプションとして、Socket 370対応CPUの開発も進めている」とのこと。ただし、事業売却先との問題があるとして、詳細に関しては一切明らかにされなかった。

□Cyrixのホームページ(英文)
http://www.cyrix.com/


■Intel

 Intelのブースでは、特に新しいCPUの展示はなかったが、ノートPC向けCPUの展示が中心に据えられ、Mobile Celeron 366MHzなどに採用されているモバイルCPU向け新Socket「μPGA1」や、次世代のモバイル向けCPUに搭載されるという動作クロック可変技術「Geyserville」技術のデモが行なわれていた。Geyservilleのデモでは、デモ機のACプラグを引き抜くことができるようになっており、動作クロックが500MHzから400MHzに落ちる様子が確認できた。

Geyservilleデモ 500MHz時 抜くと400MHzに落ちる
μPGA1
μPGA1搭載のノートPC

□Intelのホームページ(英文)
http://www.intel.com/

□COMPUTEX TAIPEI '99のホームページ(英文)
http://www.computex.com.tw/cpx99.asp
□TCAホームページ(和文)
http://www.ippc.com.tw/tca/tca.htm
□台北世界貿易センター展示場ホームページ(英文)
http://taipeitradeshows.cetra.org.tw/
□TAIPEI International Trade ShowsのCOMPUTEX TAIPEI '99ページ(英文)
http://taipeitradeshows.cetra.org.tw/computex/

('99年6月1日)

[Reported by suzuki-k@impress.co.jp]


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