E3会場となっているコンベンションセンターのSouth Hallには、ソニー・コンピュータエンタテインメント、任天堂、セガ・エンタープライゼスという、コンシューマ向けのゲーム機市場を主導する3社がブースを連ねる。
発売時期を異にしながらも、各社がそれぞれ次期ハードウェアの構想・展開を明らかにしつつある今、出展内容も各社の方向性を垣間見せるものとなった。
■次世代PlayStationでグランツーリスモが遊べる!
驚いたのは、すでに公開されている映像の上映だけではなく、実際に来場者自身が操作できるデモが行なわれていたことだ。操作可能なものは2つ。本体はピラミッド内部に収納されているため目にすることができないが、そこから伸びているケーブルにつながったコントローラが来場者に手渡される。デモの1つは、SCEがテクノロジーデモに位置づけるもので、火山の噴火、水面に現れる波紋などのシーンを操るもの。
そしてもうひとつが、実際に走行できるグランツーリスモだ。各種メディアによる報道で画像自体は見慣れつつあるが、不慣れな来場者の予期せぬ走行でも、車本体に映り込む周囲の様子がリアルタイムに変化していくさまを見ると、やはりワクワクしてしまう。走行以外のことはできないので(視点は3カ所に変更できる)、まだゲームという段階ではないが、初めて体験したものとしては満足できる内容だ。
同ブース内には、現行のPlayStationに向けたタイトルについても、夏以降の新作を中心にプレー可能な展示が多数行なわれている。
SCEのブースはE3のなかでも最大。正面にはパラッパやクラッシュなど、お馴染みのキャラクターの巨大なオブジェが勢揃い | いかなる掲示や説明もされていないが、モニタの映像を目にした来場者がピラミッドへ次々と引き寄せられてくる | 実際にコントローラを手にとって操作する来場者。操作するより周囲でじっくり見ていたほうがそのスペックを実感できるかも |
デモの制御用とおぼしきVAIOノートには、開発環境としての採用が発表されているLinuxのシールが貼られていた | こちらは、現行のPlayStation用のグランツーリスモ2。同社の今夏に向けた主力製品のひとつとなるはず | 期待作といえば、BIO HAZZARD3(米国ではRESIDENT EVIL3)も実際にプレイ可能なものは初お目見えになる |
■“DOLPHIN”情報は見送りで、現実的な展示となった任天堂
一方、日本での発表に続いてE3開幕前日に行なわれたブリーフィングでも正式に明らかにされた、任天堂の「DOLPHIN(開発コードネーム)」。こちらは、展示ブース内における情報の公開は行なわれなかった。発表会やブリーフィングでも、具体的なものはなにひとつなかったので、しかるべき結果といえる。
展示の方はいたって現実的な内容で、「STARWARS Episode1:RACER」と「Pokemon」関連、そして「ドンキーコング64」などに大きなスペースが割かれている。
ブース正面に位置するスクリーンに「STARWAS」や「Pokemon」の映像が絶え間なく流れている任天堂ブース | ふたつの巨大なスクリーンで、それぞれにプレイできるとあってデモプレイには行列ができていた「STARWARS Episode1:RACER」 |
「Pokemon」関連のコーナーには、ポケモンスナップに対応するシールのプリントステーションも展示。日本ではコンビニでの対応だが、米国ではソフトの出荷にあわせてこうした機器が用意されるようだ |
対応ソフトの充実ぶりから、デモプレイ目的の来場者で混雑が続くブース。オブジェなどは最小限で、できるだけ多くの試遊機を提供 | 発売日は9が4つ並ぶ'99年9月9日。相当数のソフトがローンチタイトルとして名前を連ねると予想される |
会場入り口正面に巨大なDreamcastプロモーションがお目見え。両目ともにグルグルしていて、インパクト大 | ナムコの「Soul Calibur」は、日本でも米国でもキラータイトルとなる期待が高い |
□E3ホームページ
http://www.e3expo.com/
('99年5月14日)
[Reported by 矢作晃]