クロック周波数リアルタイム変更ソフト
SoftFSB Version 1.5 for Win32

SoftFSB Version 1.5 for Win32
  • ジャンル:ハードウェアユーティリティ
  • 種別:フリーソフト
  • 作者:H.Oda!氏
  • 対応OS:Windows 95/98/NT 4.0/NT 5.0



ソフトウェアは作者のホームページから
ダウンロードできます


 このコーナーでは、窓の杜編集部の協力を得て、Windows用のさまざまなオンラインソフトを月ごとにテーマを決めてレビューします。今月のテーマはハードウェア関連オンラインソフトです。掲載は毎週木曜日を予定しています。

【編集部】

■クロックアップのお供に

 CPUの動作クロックは、内部の倍率と外部のベースクロックによって決定される。このうち内部倍率はCeleronやPentium IIなどでは固定になっており、BIOSから変更できるのは外部のベースクロックのみだ。これを通常の設定より高くすることによって、より高クロックで動作するようになるわけだ。たとえばクロックアップで一躍有名になったCeleron 300Aは、内部4.5倍、ベースクロック66MHzの300MHz動作だが、マザーボードのディップスイッチやBIOSからベースクロックを100MHzに設定することによって、450MHzで動作してしまうこともあるのだ。しかし、動作可能なクロックを探すために、ディップスイッチで設定を変更し、BIOSを変更していちいち再起動するのは面倒だ。そんなときにお勧めなのがこのSoftFSBだ。

■ソフトの使い方

 「SoftFSB」は、ベースクロックをWindows上からリアルタイムに変更できるソフトだ。使い方はごく簡単で、起動したら[Target Motherbord]のラジオボタンをチェックし、ドロップダウンリストの中から使用しているマザーボードを選択する。もし使用しているマザーボードがリスト中にない場合は、マザーボードに使われているPLL-ICの型番を調べ、[Target Clock generator]をチェックしてリスト中から選択する。次に[Get FSB]のボタンを押せば準備OKだ。ここで間違ったマザーボードやPLL-ICを選択しているとハングアップする可能性があるので、ほかのアプリケーションは終了させてから実行しよう。

 設定が終わると、ウィンドウの下部に現在の内部および外部のクロックスピードが表示され、各種の操作が行なえるようになる。左側にあるスライドバーを移動させると、[Select FSB(PCI):External]に変更したクロックスピードが表示され、PLL-ICがサポートしているクロックを自由に選択できる。試してみたいクロックに合わせ[Set FSB]ボタンを押すと、すぐにベースクロックが変更される。もしクロック数が高すぎて動作しない場合はハングアップし、場合によってはリセットも電源スイッチも受け付けなくなることがある。こうなってしまったらあわてずに、パソコン背面の主電源スイッチを切るか、電源コネクタを引き抜こう。また、あまりに急激なクロックアップはCPUにダメージを与える可能性もあるので、一段階ずつテストしたほうがいい。動作する最高のクロックまで引き上げたら、好みのベンチマークソフトで効果を確認してみるのも面白いだろう。

■トレイアイコンで簡単操作

 SoftFSBにはTask Trayモードという便利なモードがある。設定を終えた後に[Task Tray]ボタンを押すと別のウィンドウが開く。ここで[Enable TaskTray]をチェックしてSoftFSBを再起動すると常駐モードになり、タスクトレイにアイコンが現われる。SoftFSBの起動・終了時に設定したクロックスピードに変更することも可能で、それぞれのON/OFFもチェックボックスで指定できるようになっている。スタートアップに登録しておけば、起動時に自動的にクロックを変更してくれるわけだ。タスクトレイのアイコンを右クリックすると、設定できるベースクロックが一覧表示され、ここからもクロックの変更が可能だ。また、アイコンをクリックするか、右クリックのメニューから[OPEN]を選べば、通常の操作ウィンドウが開く。

TaskTrayボタンを押すと常駐モードのほか、起動・終了時のクロックも設定可能 タスクトレイから直接クロックを変更することもできる

■マザーボードがサポートしないクロックも選択可能

 最近でこそ多彩なベースクロックを設定できるマザーボードが増えたが、初期のころはクロックアップを前提にする場合、選択の余地はほとんどなかった。しかし、SoftFSBが対応しているPLL-ICを搭載しているマザーボードならば、マザーボードのサポート外のベースクロックを試みることもできる。また、BIOSから設定できないモードが使えたり、オーバークロックによりSCSI機器で問題が起きてもベースクロックをもとに戻すことによって再起動なしに使用できるなど、メリットは多い。なにより「簡単」であることがこのソフトの最大の魅力だ。ただ、添付されているマニュアルはごく簡素なものなので、ホームページ上にある詳しい説明を読んでおいたほうがいい。

■増える対応マザーボード

 現在はVersion1.6β5が作者のホームページからダウンロードすることができる。これは対応マザーボード、PLL-ICを増やしたものなので、Version 1.5ではサポートされていなかった製品も追加されている。また、ホームページにはユーザーによる動作マザーボードの報告も掲載されているので、参考にするといいだろう。

□作者のホームページ
NrkLv_HomePage
http://www.h-oda.com/

[Text by 鹿山雅志]


■■ 注意(編集部)■■

・CPUのメーカー規定周波数以上の動作(クロックアップ)は、CPUや関連機器を破損したり、寿命を縮める可能性があります。その損害について、筆者およびPC Watch編集部、またCPUメーカー、購入したショップもその責を負いません。クロックアップは自己の責任において行なってください。

・この記事中の内容は筆者の環境でテストした結果であり、記事中の結果を筆者およびPC Watch編集部が保証するものではありません。

・筆者およびPC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp