会場内に掛けられていた3Dfxの垂れ幕。このほかApple Computerのおなじみ「iCandy」の垂れ幕もみられた。展示会場内は設営中だったが、急ピッチで作業が繰り広げられていた |
E3は東京ゲームショウとは違い、ターゲットがデベロッパーなどのゲーム関係者に絞られているため、今後1年から2年という長期スパンで開発中の最新のゲームが出展される。ただし逆に、出品されたものが今年中に発売される保証はなく、翌年同じタイトルが出品されるといった例も数多くある。
また、大手ディベロッパは会期中に会場とは別に設けられた劇場などを貸し切り発表会や、パーティを催すことも多く、他の展示会にはない独特の“お祭り”のような雰囲気に包まれる。明日からの開幕を控え有名なゲームデザイナーがロスに集まってきており、いやが上にも雰囲気は盛り上がりつつある。
今年は昨年度に引き続き出展が予定されている「Diablo II」、Quakeの生みの親として知られているJon Romero氏の新作「Daikatana」、1年越しに完成するのか?「Age of Empire II」などの“繰り越し組”のほかに、すでにデモ版も公開されている「Quake III Arena」、ガラッと変わると噂されているMicrosoftの「Flight Simulator 2000」、新エピソードの公開があと1週間に迫っている「STARWARS Episode I」関連ゲームなど数多くの話題作の出品が予定されている。
今回の発表会はロサンジェルス、ダウンタウンの中心に位置する巨大な劇場が会場となった。会場内にはポケモンカーが展示され、金色のマリオがお出迎えだ。
発表会ではまずNINTENDO64の新作「STARWARS Episode I:Racer」、テレビでタイアップのアニメが放映されるなどポケモンで得たメディア戦略を再度展開するアクションゲーム「JET FORCE GEMINI」、そして今年一番の話題作となる「Donkey Kong 64」などがムービーで紹介された。特にSTARWARSの紹介時には実際の映画「THE PHANTOM MENACE」の主人公の少年“アナキン”君を演じる子役の少年が壇上に立ちゲームの宣伝に一役買っていた。続いてゲームボーイカラー関連、ポケモンに関する商品展開に関する説明が終わった後、ついにDOLPHINEは公開された。
とはいえ、結果的には日本で発表された以上のことは何一つ明らかにはされなかった。ただ米国ではIBMの関係者が壇上に立ち「これまで発表されたどのコンソールマシンのCPUよりもパワフルだ。もちろんPlayStation2よりもだ。ただし、スペックはすごいが値段は安い」といったコメントが聞かれた。また銅配線技術を使っていることが強調され、CPUの名前は「IBM Gekko Processor」という。
対応ソフトについては語られなかったが、Rare社が開発中のミッキーマウスを主人公としたゲームに関する説明の中で「NINTENDO64とゲームボーイカラー、そしてDOLPHINEでも発売するだろう」といった発言があったため、ミッキーマウスが発売当初のラインナップに加わっていると思われる。
突如現われて会場内の記者を驚かせたアナキン君。さすが子役で、コメントも当を得たものだった。ちなみにレースゲームが好きだそうです | プレゼンテーションを行なった関係者が質疑応答も行なったが、特に目新しい事実はなかった | NINTENDOとPanasonic、IBMの協力関係でDOLPHINEが成立していることを表わしている |
まずはじめに、IBMと協力して次世代機のCPUを制作する件が発表され、その後松下電器との提携が発表された。しかしこの絵をみると主役がマリオみたいで(確かにその通りなのだが)態度がデカイような気が…… | この写真がイコールGekko Processorの写真かどうかは判別つかないが、銅配線技術により、小さくなったことはわかる |
プレゼンテーション中SONYのロゴが登場しこの直後ガラスのようにパリンと砕け散った。「我々はSONYのようには絶対にならない」と言う発言はどういった意味があったのか? |
具体的には、'99年9月9日から199.99ドルで販売を開始するというこれまでの発表にとどまり、作品紹介も日本ですでに発売されているタイトルが多いため(海外デベロッパーが発表したものでおもしろそうなものもあったが、日本での発売は未定と思われる)、強い興味はあまり感じられなかった。唯一、タービン・エンタテインメントという会社と共同開発中という「FRONTIER(コードネーム)」が、約1,000人同時に遊べるネットワークRPGということで楽しみだが、スクリーンショットなどは全く公開されなかったのが残念だ。
新作の紹介ビデオが上映時のこと。ナムコの「ソウルキャリバー」が登場したときの歓声が一番大きく、日本だけでなく米国でも「Dreamcastの救世主はナムコである」という印象を強く受けた。
壇上に立ったSEGA OF AMERICAのベルナルド氏は「ソニーのようには絶対にならない」と語ったり、「セガは玩具を作ることもなく、巨大な家電メーカーでもない。我々はずっとゲームを作り続けてきたのでゲームに関しては(我々を)信じてほしい」と発言したり、言葉の端々にソニーや任天堂といったライバル企業への対抗心が見え隠れしていた。
このほかにも、アメリカでは最大手の1つに数えられるゲームデベロッパーGT Interactiveが新社長のお披露目を行なうパーティを開催したり、Eidos Interactiveが新作アクションアドベンチャー「OMIKROM」の発表会で、音楽を担当したデビッド・ボウイを招いたりしていたのが目立っていた。
大川会長と湯川元専務。米国での湯川専務の知名度はイマイチなのかちょっと寂しそうでした | 逆に、米国では絶大な信頼感と認知度を得ている入交社長。大川会長とも談笑してました | 会場に設置されていたDreamcastは2台だけ。この2台でセガラリー2の通信対戦が行なわれた。人気は上々だったが、少し寂しい気もする |
('99年5月13日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]