デジタルメディアエンタテインメント取締役の中西義明氏 |
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会場に展示されていたCSチューナ「SAS-MS9」(左)とi.LINK端子搭載MDデッキ「MDS-DL1」(右) |
“PlusMedia STATION”とは、ソニーが考えている家庭内AV機器を中心としたネットワーク構想の中心となるセットトップボックス(STB)のことで、家庭内にあるデジタル関連のAV機器などを統合し操作できるようにすることが目標となる。このSTBはデジタル放送や音楽などのデジタルメディアを受信するだけでなく、STBと接続された各AV機器(MDデッキやビデオ、ゲーム)にコンテンツを配信し、コントロールする役目を担う。
■デジタルCS放送チューナー「SAS-MS9」
今回発表されたSKY PerfectTV!のインタラクティブ放送対応CSチューナ「SAS-MS9」は、この構想に即した第1弾製品となり、MDデッキと接続することで音楽配信番組「MusicLink」から受信した音楽データをMDデッキに録音することができる。またi.LINKを搭載しており、i.LINKを搭載したMDデッキと接続することで電源のON/OFFや再生、停止といった操作もコントロールすることができる。これまでの機種にも採用されていたEPG(番組ガイド)やEZパネルなども従来どおり搭載している。価格は、SAS-MS9単体では50,000円。2衛星対応アンテナ付きのセット「SAS-MS9SET」が62,000円となる。5月20日から発売する。
■i.LINK搭載MDデッキ「MDS-DL1」
同時に発表されたMDデッキ「MDS-DL1」はi.LINKを搭載した初めてのMDデッキで、SAS-MS9と接続することで音楽配信番組「MusicLink」からダウンロードした音楽を録音することができる。i.LINKで接続した場合、通常(光デジタル)の4倍の高速で録音することができる。i.LINKで接続されているかどうかは自動検出され、ダウンロードは自動的に4倍速で行なわれる。
i.LINK端子は2つ装備されており、SAS-MS9とは別にVAIOなどのパソコンとも同時に接続することができる。VAIOからは曲順の変更や曲名の入力の他、静止画像やテキストを音楽用MDに収録(2.7MBまで)することが可能な拡張規格“MDclip”にも対応しており、これらの画像などを表示することができる。
■SKY PerfectTV!の音楽配信番組「MusicLink」
SKY PerfectTV!の音楽配信番組「MusicLink」は、インタラクティブ放送に対応しており、通常の番組の他に同時配信される音楽データを受信/録音することができる新チャンネル。5月12日に開局し、チャンネルは734ch。音楽配信に関する課金に関しては従来のSKY PerfectTV!と同じシステムで行なう。番組の受信料は開始から当面は無料で、音楽配信に関しては夏を目処に有料化を目差す。具体的な値段に関しては「現時点では未定」としながらも、「1曲150円から200円程度ではないか? ただし、曲によって値段を変えることになると思う」という。
配信する音楽に関しては「ジャンルは問わない。邦楽、洋楽に関しても同様」。だが、「当初インディーズなどを中心に取り扱う」という。インディーズとは現在流行っているバンド形式の音楽に限定するものではなく、CDなどのように全国販売網にのっていない音楽が対象になる。メジャー音源に関しては「アーチストや権利団体の理解を得、問題が解決すれば取り扱うことになる」としている。また、不正コピー防止に関しては、光デジタルを通じた場合にはSCMSを採用。i.LINKで音楽データをコピーする場合は5Cを採用する予定という(参考:Sony Develops i.LINK (IEEE1394) Link LSI Incorporating 5C Digital Content Protection Technology)。通常の番組は従来のチューナーでも受信することができるが、音楽配信サービスは利用することができない。
MusicLinkに関しては、ただミュージッククリップの放送や音楽を配信するだけでなく、ダウンロード数に関するランキングなどインタラクティブ放送ならではの新しいジャンルを築いていきたいとしている。なお、今回はSKY PerfectTV!による音楽配信サービスだが、インターネットによる音楽配信に関しては「研究はしているが、現在ビジネスとしては考えていない」と言明した。
('99年3月25日)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]