iMacの登場、そして新Power Macintosh G3が続いたように、アップルコンピュータは、搭載するインターフェイスのドラスティックな刷新を行なっている。シリアルポートやSCSIなど、俗にレガシーインターフェイスと呼ばれるポート類を外して、USBやFireWireなど次世代PCの標準とされるインターフェイスを積極的に採用してきた。
マラソンに例えれば、本来のペースを守って移行を進めようとしているPC業界に対し、スタート直後から一社でスパートをかけてしまった格好である。必然的に、周辺機器メーカー各社も対応を迫られていて、製品開発のペースを上げざるを得ない状況が生まれている。
実際、USB機器はiMacの発売ではずみがついた。マウスやキーボード、モデムなどのように本来の用途と目されていた低速系のデバイスがひととおり出そろった後、MOやハードディスク、あるいはビデオキャプチャなど、当初それほど考慮されていなかった製品ジャンルにも進出している。こうした結果になったのも、思い切って既存のインターフェイスを廃したiMacの必要に迫られたからといえる。
一方のFireWireは新Power Macintosh G3に搭載されたばかりとあって、現状は高速なストレージとデジタルビデオストリーミングなど、FireWireの特性に合ったベーシックな製品群が順次発表されている段階だ。こちらもUSB同様に、次第に製品ジャンルは拡大していくと予測される。
会場レポート第三弾は、これらUSBやFireWireに対応した新製品を紹介する。なお、1月に開催されたMACWORLD Expo/San Franciscoで展示された製品に関しては、特に改良があったものを除いて、改めてレポートしていない。当記事と一緒にサンフランシスコにおけるレポートも参照してほしい。
加賀電子が参考出展したUSB対応のMOドライブ「iMO640」とCD-R/CD-RWドライブ「IR420U」。USBの仕様としては周辺機器への給電も可能だが、CD-RやCD-RWを安定して動作させるために、ほかに電源ケーブルを利用している | LogitecのUSB対応MOドライブはドライブとアダプタで構成されている。ドライブユニット自体はSCSI対応の製品で、アダプタを介してSCSI-USB変換される。アダプタに汎用性はなく、ドライブに付属する専用品。640MBと230MBの製品が用意されている | USB対応のハードディスク「DataBook」は、三井物産マシナリーが販売する。10,000Gの衝撃に耐えるというのがウリ |
ノヴァテックが販売するUSB対応のISDNターミナルアダプタ「Hermstedt WebShuttle」。ドイツのHERMSTEDTの製品 | Logitecブースに参考出展されたUSB対応の56Kモデム。もちろんV.90をサポートした製品だ。しかし、iMacには同スペックのモデムが内蔵され、新Power Macintosh G3専用内蔵モデムも発売が開始されている。果たしてターゲットはどこにあるのか? ブースの担当者によれば、同ブース内でもっとも謎の多いプロダクトだそうだが…… |
松下電器が参考出展したFireWire対応のDVD-RAMドライブ。ドライブ本体のスペックは、すでに発売されている同社の製品と同一。発売については全く未定とのこと | ヤノ電器のFireWire対応ストレージ。640MBのMOドライブは「PROMINENCE(プロミネンス)」、4/6/9GBがラインナップされるハードディスクは「SIRIUS」と名付けられている。ただし、いずれも開発コードネームとのこと。3月以降に出荷の予定 |
□MACWORLD Expo/Tokyoホームページ
http://www.idgexpo.com/MACW/99/index.html
□アップルコンピュータのホームページ
http://www.apple.co.jp/
□関連記事
【1月7日】MACWORLD Expo/San Francisco 矢作 晃の展示会場レポート 第二弾
FireWire対応のストレージデバイスが続々登場
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990107/macw08.htm
【1月8日】MACWORLD Expo/San Francisco 矢作 晃の展示会場レポート 第四弾
周辺機器接続の標準インターフェイスに向かうUSB
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990108/macw12.htm
('99年2月19日)
[Reported by 矢作 晃]