MACWORLD Expo/San Francisco

矢作 晃の展示会場レポート 第四弾
周辺機器接続の標準インターフェイスに向かうUSB

会期:'99年1月5日~1月8日 開催(現地時間)
会場:サンフランシスコ Moscone Convention Center

 Jobs氏の基調講演によれば、USBに対応する周辺機器の数はすでに100種を超えたという。確かに'98年夏にニューヨークで開催された前回のMACWORLDでは、まだUSB対応機器の絶対数が少なかった。しかし、今回の展示会場では周辺機器接続のスタンダードの位置を獲得せんばかりの勢いが感じられる。新型Power Macintosh G3にも標準インターフェイスのひとつとして採用されたことで、これからますますラインナップは充実してくることになるだろう。

 USBの採用はiMacから始まったこともあって、USB対応機器のカラーリングはまんまボンダイ・ブルー(に、似た色)というケースも少なくない。周辺機器メーカーにとっての新iMac多色化展開は、苦笑いするしかないといったところだろう。実際にいくつかのブースで聞いてみても、さすがに全色にはついていけないという回答が多かった。もちろん、ボンダイ・ブルー以外のトランスルーセントやスケルトンデザインを採用した製品も多いので、こちらはひと安心である。

 そんなわけで、展示会場レポートの第四弾はUSB対応周辺機器の中から注目の製品を一気に紹介することにする。


■ビデオキャプチャユニット

インタウェアの米国法人であるVimage Corporationが出展したUSB対応のビデオキャプチャユニット。ビデオ入力された映像をUSB経由で取り込む。プロトタイプということでケースは仮のもの。NTSC入力では毎秒30フレームの取り込みができるという。299ドルで販売予定 こちらはAriston Technologiesのビデオキャプチャユニット。こちらは、フォーカルポイントコンピュータが日本における代理店として、販売する見込み


■リムーバブルメディア、ハードディスク

FireWire対応製品の記事でも紹介した2.2GBのリムーバブルハードディスク「ORB」。USB接続の外部ドライブもラインナップされている。メディアまで、iMac似のカラーに塗り分けられているのが、なんとも気がきいている Microtech InternationalのZipドライブ。昨年秋に幕張で開催されたWORLD PC EXPOでもプロトタイプが公開されていたが、正式なデザインが確定したようである。後述するカードリーダーともおそろいのデザインだ
古くからのMacintoshユーザーには馴染み深いハードディスクのブランド「LaCie」。同ブランドによるUSB対応ハードディスクが写真奥の2台。この春から公開されるSTARWARSサーガの予告ビデオクリップの再生を行なっていた


■各種アダプタ、カードリーダー

NewerTechnologyのUSB-SCSIアダプタ「uSCSI」と、それぞれスマートメディア、CFカードに対応したカードリーダー「uFlash-SM」、「uFlash-CF」。いずれもコンパクトな形状と、トランスルーセントなパーツを組み合わせたデザインで洗練された印象 Microtech InternationalのUSB-SCSIアダプタ「USB XpressSCSI」。対応するSCSI側のコネクタの種類によって2つの製品がある。アンフェノールハーフピッチのSCSI機器が多い日本のユーザーにはうれしい。また、スマートメディアとCFカードの双方に対応するカードリーダー「USB CameraMate」は89ドルで販売される
デザイン面では圧倒的に不利という気がしないでもないSecond Wave社の「SCUSBee」もまた、USB-SCSIアダプタのひとつである。この製品も、前述の二社の製品もSCSIアダプタの価格はすべて79ドルで横並び KeyspanによるUSB-シリアルのアダプタ。ひとつのアダプタで2つのシリアルポートをサポートするのが特徴。iMac向けの製品だが、MIDIやGeoPort、LocalTalkはサポートされていない。79ドルで販売中
すでにありふれた感まで出てきたUSB対応FDDやUSBのHUBは紹介しないつもりでいたが、NewerTechnologyの2製品はデザインの強烈さで採用した。アナウンス以来、モックアップやイラストの展示はあったが、実際に動作する製品は初めて。これらはスタッカブルになっていて、重ねて置ける。ただしFDDは他社製品に比べてかなり巨大


■タブレット

WACOMの低価格タブレット「PenPartner」にUSB版が登場。会場内では99.95ドルで販売されていた。これまでUSB対応のタブレットはなかっただけに、ユーザーにとってはうれしい製品のひとつ いっぽう、CALCOMPのタブレットはペンタブレットの機能に加え、コードレスのマウスとしても使えるすぐれモノだ。もちろんマウスにはボールがなく、いわばペン先がマウスの底面についているイメージ。パッド上でコントロールする
Macintoshにおけるモデムメーカーとしてはお馴染みのGloval VillageによるUSB対応モデム。iMacにはモデムが内蔵されているのになんで? とも思われるが、FAX用に1MBのバッファメモリを搭載しているので、本体が電源OFFの状態でもFAXの受信ができる。もちろん新型Power Macintosh G3にも対応

('99年1月8日)

[Reported by 矢作 晃]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp