こいつぁド凄ぇ!! SH601em!!
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特に消費に関してはそうだ。もう俺はコレがぜってぇ~に欲しいんだ欲しくて欲しくてたまらないし俺本体が倒れようが死のうが消滅しようがコレだけは買うんだからなこの野郎!! と青筋を浮き上がらせるほど、売り切れ率などが高まるのである。ん~なんかコレでも買うかなとりあえず、みたいに気楽な物欲を抱いたりすると、案外簡単に手に入ったりするもんだ。そういえばいつか紹介したフジフィルムのインスタントカメラ“チェキ”もそうだ。俺は「おっコレでしょコレ買うでしょ」という感じで買った。「死んでも絶対に買うぜ購入必至絶対入手南無阿弥陀仏!!」というほど高いテンションではなかった。が、その後、実はあのカメラは多くの若者が必死かつ血眼でゲットしようとしている超人気商品であることを知った。最近では俺のところへ「スタパさんチェキ買ったんでしょ飽きたら絶対売ってくださいっていうかもう飽きましたか飽きたなら今売ってください」みたいなチェキ熱望メールが何通も届いた。
まあ、“欲しがるほど手に入らない”という法則は、結局は“時計を見るといつも11時11分や3時33分などのゾロ目時刻だ”とか“ソニーのウォークマンは壊れやすい”などの、思い込みの強い後付的法則に近いものがある。ゾロ目時刻の法則なら、11時25分とか3時47分などの全然フツーな時刻を常に見ているのにも関わらず、同じ数字で構成された時刻があまりにも印象的だったために、自分はゾロ目な時刻をよく見る人なのだなどと錯覚しているだけだ。また、ソニーのウォークマンが壊れやすいと思われがちなのは、他のメーカーのヘッドホンステレオに比べてソニー製のシェアが圧倒的に多いため、壊れた経験を持つ人の数も多いというだけの話だろう。
だからきっと“欲しがるほど手に入らない”説も、熱望しまくって手に入らなかった強い残念感が脳内にこびりついたため、これはきっと法則なのだなんて思ってしまうのだ。って、自分で法則持ち出して自分で法則を否定してんじゃねえよ>俺。
ともあれ、そんな法則さえ感じさせたのが、NTT Personal(現DoCoMo)のPHS端末、パルディオ341S(シャープ)だ。コレは、フリップ部分がコンパクトフラッシュメモリサイズのコネクタになっていて、ノートパソコンやPDAに簡単に接続できる便利な端末である。個人的にシャープの端末がすげえ好きだということと、情報機器に対する341Sの接続性の良さ、この2点に魅了され、パルディオ341Sを熱望したのであった。が、探せば探すほど、買えなかった。注文しようとしても注文不可能だったりした。あっアソコに展示してある!! と思ったら在庫切れだった。俺はパルディオ341Sに全然縁がなかったのであった。
そうした空回りを続けていたら、いつの間にかパルディオ341Sに対する熱が冷めた。もはや341Sなんか要らないや~とか思い始めていたそんなある日、何気なしにいつものショップを覗いてみたら、ソレすなわちパルディオ341Sがあった!! ……と思ったらそうじゃなくて、パルディオ341Sの後継機種、パルディオ611S(シャープ)があった。ソコにあったのが341Sだったら「今時出現しやがって」などと思って買わなかったかもしれない。が、ソコにあったのは最強に強まった341Sがさらによりいっそう強まった611S!! これは買うしかねえ!! ソレを買うのは俺だ!! 俺に買わせろ!! くわッ!! という勢いで買った。DoCoMoのジャケットを着た売り子のお姉さんはなんだかビビっていたようだった。
パルディオ611S 人気の端末、341Sの後継機で、PHSの32Kを2本束ねた64Kデータ通信サービス対応端末。重量約112g。 64kbpsのサービスが開始されると、PHS基地局でユーザーの使える3チャネルのうち2チャネルを、これ1台で占有できちゃうことになる。それはそれで心配か? |
ともあれ611Sに感じたのは、シャープ端末独自の良さ。俺はついこの間まで、パルディオ312S(シャープ)というわりと古い端末を使っていたのだが、それでも非常に快適に使えた。PHSではないが、J-PHONEのDP-203、DoCoMoのSH206、それから後述のDoCoMoのSH601emも使った。共通して言えるのは、ハードウェア的にもソフトウェア的にも混乱なく使えるという点。俺はシャープ端末に対して、非常に使いやすくわかりやすい、という認識を持っている。で、同じような感じを、この611Sから受けた。
具体的には、多くのシャープ端末がそうであるように、フリップ式の端末である点がまずいい。単にフリップ式というだけではなく、フリップ部分にマイクを内蔵している点がナイス!! また、シャープ製端末は、軽薄短小傾向のある携帯端末市場において、比較的サイズが大きいものが多い。が、その大きさのバランスが良くて、操作感がすげえイイのだ。まあ操作感などは人によると思うが、俺にとってはかなり抜群。また、多くのシャープ端末に共通して言える、ボタンの独特な質感と、やや硬めな押し心地がまたイイ。気持ちイイとかじゃなくて、非常に使いやすいのだ。まあ、どれも細かい点ではあるが、よく考えられているという印象を受ける。ソフトウェア的な部分では、メニュー表示やフォント自体がとても理解・認識しやすい。
ただ、611S(341Sも同様)は、シャトルボタン(回すことでメニューなどを切り替える機構)が312Sのそれとは違ったものになっている。312Sには“回して表示を変えて押して決定”タイプのシャトルボタンだったのだが、341Sや611Sでは回るだけのボタンとなった。決定操作は別の決定ボタンを押す必要がある。これでも使い勝手は悪くないのだが、個人的には312Sのような“回せるし押せる”というシャトルボタンの方がよかった。もしかしたらコレって、どっかのメーカーが特許とか出願しちゃったとかいうコトなのだろうか!? 秀逸なシャープ端末から、シンプルで便利なシャトルボタンが消えてしまったのは至極残念だ。
なお、611Sのコンパクトフラッシュカードサイズのコネクタは、やはり便利だ。マシンのPCスロットに挿しただけで(ケーブルやデータカード不要で)使える快適さは、一度使ったらやめられない。と同時に、普通のサイズのPCカードスロット(付属のPCカードアダプタ使用)にも、コンパクトフラッシュカードスロットサイズ相当のPCカードスロットにも挿せるという利点は意外なほど大きい。それから細かい点だが、アンテナが伸びるというのも気持ちいい。ハンズフリーで使えるのにも驚いた。
まあともかく、相変わらず便利ですな、シャープの端末は、と改めて感じた俺であった。
DoCoMo by SHARP SH601em 使ってみた人の間で評判がいい端末。使い勝手をほめる声が多く、ソフト部分がかなりこなれているようだ。重量約125g。サイズはちょっと大きめだが、液晶も大きくて見やすい。シャープの製品情報ページでは、メールの受信&返信を疑似体験できるので興味のある方はそちらもご覧あれ |
でも、俺にはメール端末型ケータイに対する条件があった。不特定多数のプロバイダのメールサーバにアクセスできることだ。だから、Niftyメールと10円メール(マスターネット)しか使えないSH601emは買わないのだ。と思っていたら、PC Watchの編集者からちょっと気になる話を聞いた。それは、PC Watchでもおなじみテレコムマスターこと法林氏が“SH601emを絶賛”していたという話。法林氏と言えば、通信機器に対するシビアな姿勢!! その法林氏がイイと言うならきっとなんかどっかかなりキてるはずだ、SH601emは!! というわけで、速攻でSH601emをゲット。すかさず使ってみた。
結論から言うと、SH601emは次の世代の携帯電話端末だ、と感じた。特にそれを感じさせるのは、抜群の操作性。SH601emの大型液晶画面は160×200ドット表示でELバックライト付き。これがタッチパネルとして機能するのだが、その使いやすさにはちょいと驚かされる。
まずこの液晶の広さは、例えば一画面にメール本文を104文字まで表示できる。しかもフォント(12×12ドット)が非常に読みやすい。また、縮小表示(8×8ドットフォント使用時)だと、最大240文字も表示できて、比較的ちゃんと読める。大した視認性であり、しかもコンパクトさも持ち合わせている画面なのだ。
このイケてる広さの液晶を、タッチ操作で使えるのもすげえイイ。端末の各種設定、メールの設定、文字入力など、ほぼ全ての操作をタッチ操作でこなせるのだ。また、操作時のメニュー表示などがかなり洗練されていて、わかりやすくて使いやすくい。PDA感覚で使えると言えば伝わりやすいか!? ともあれ、携帯電話を操作している感覚ではなく、マトモなGUIシェルを持ったマシンみたいな感覚で使える。なお、SH601emには専用の超小型タッチペン(これがまた使いやすい)が付属していて、これはストラップに装着しておける。指先で直接タッチパネルを操作してもいいのだが、精細な画面だけに、この付属ペンがかなり役立ってくれる。
この抜群な液晶パネルがあるうえに、フリップを閉じればフツーの携帯電話感覚で物理的なボタンを押して使えるというのもイイ。いくら便利なタッチパネルがあっても、やはり指で感触を確かめられるボタンでダイヤルできるのは、電話機として使いやすいのだ。
もうひとつイカシてるのが、611Sのシャトルボタン(と決定ボタン)とほぼ同じ機構を持っていること。シャトルボタンを回して電話帳を表示・選択し、ダイヤル、という操作がすげえクイックにできるのだ。またこのシャトルボタンは、メール本文のスクロールなどにも使えて、何かと便利。
あと、電話帳そのものも良い。電話帳件数は500件で、まあ普通なのだが、その1件ごとにつき3つの電話番号と2つのメールアドレスを登録できちまうというのが凄まじい。しかも別売のデータリンクキットを使えば、パソコン上でこの電話帳を編集できるというから咽び泣き状態。もちろん俺はデータリンクキット(SH001)を注文した。ちなみに、一般に売られているいわゆる“携帯メモリ編集ソフト”の類だと、電話帳の各1件にはひとつの電話番号を書き込むだけの処理しかできない。SH601emのすげえ電話帳機能を楽勝で使いこなすためにはデータリンクキットが必須である、ていうか、データリンクキットでSH601emとパソコンをつなぎまくって電話帳データを編集しまくって究極のメール端末型ケータイを目指すのが俺の楽しみそのものだと言えよう。あ~なんかよくわかんなくなってきたが、電話としてもメール端末としても使いやすく、専用のデータリンクキットまで用意されたSH601emは、至れり尽くせりな感じのマルチメディア電話であり、やはり次世代の携帯電話端末だ。
一方、DoCoMoのメール端末型ケータイを使って10円メールなどを利用する場合、メールの全文を受信できる。のだが、J-PHONEのように、自動的に端末へメールが到着してくれない。でも、サーバにメールが届いたかどうかを知る術はある。10円メールの“着信通知サービス”を利用すればいいのだ。このサービスは、マスターネットのメールサーバにメールが到着したことを、ショートメール(DoCoMo端末用文字メッセージサービス)やポケベル(インフォネクスト)への文字メッセージで知らせてくれるもの。SH601emの場合なら、メールが届いたことをSH601emへ直接文字メッセージ(内容は差出人の簡略化されたメールアドレスになる)で知らせてくれる。
SH601emの場合、J-PHONEのDP-212などに比べると、メールを読むまでにワンクッションあってちょっと手間がかかるのだが、それでも無操作でメールの有無がわかり、一度の受信操作で全文が読めるというのは便利だ。現実的に、仕事などで使うメールの内容は、少なくとも数百文字。ちょっと多いメールになれば1000文字以上になるだろう。そう考えると、操作面や表示面で非常に優れたSH601emを使ってのメール受信は、かなり現実的なような気がする。
今思ったが、SH601emをJ-PHONEのDP-212と比べるのは、ちょっと酷な気がする。SH601emは、ザウルスとかパームサイズPCなどのPDAと比べた方がいいのかもしれない。そう思う理由のひとつとして、SH601emの文字入力のたやすさがある。SH601emでは、50音配列やキーボード配列が選べるソフトウェアキーボードが使える。漢字変換は単文節変換だが、それでも、携帯電話としてはすっげスピーディーに文字入力できる部類だ。実際俺はSH601emで何度か返信メールを書いたが、「こんちはスタパです。特集記事の件、了解しました。締め切りと文字数を教えてください」とか「わかりました。現在出先なので、帰宅してから書き直します」などの単文メールなら、全然問題なく書けた。
この程度メールが書けて、もちろん長文メールが読めて、さらに着信の通知も利用できて、つまりマトモかつ便利にメールのやり取りができる。そしてこのことが携帯電話端末のみでできるという点は、メール中心のモバイルにおいて、PDA類を凌駕していると思える。
最後になったが、SH601emには、簡単なPDA的機能がある。手書きメモ、スケジュール、音声メモ、電卓機能などがそうだ。まあどれも簡易的な機能なので、あまり凝ったことはできない。でも携帯電話にスケジュールとメモが入っているだけで、すげえ便利に感じる。またスケジュールやメモの入力が比較的快適にでき、かつ、単純なぶん簡単に使いこなせるから、“あるけど使ってない機能”に成り下がらないという点もニクい。複雑怪奇な予定など年に1度くらいしかない俺にとっては、もしかしたら非常に実用的なスケジュール管理マシンになるのかもしれない。あと、意外に超便利だと感じたのは電卓機能。液晶パネル全体にテンキーボードが表示され、ミニ電卓感覚で使える。突如必要になる計算、金の計算、くだらない計算など、けっこう頻繁にあるちょっとした計算欲を満たすに十分な電卓機能だ。さすがに平方根は求められないが、金の計算なら千億円単位までこなせるので、とりあえず生活上の計算は問題なくこなせる。ていうか、携帯電話に電卓が付くということはこれほど便利なのか、という感じがした。
ともあれ、このSH601em、とりあえずナイスでありグレートであり、マジな話、抜群なメール端末型ケータイだと言えよう。これで音がよければ(例えばフルレート端末なら)、超抜群なのだが、まあそれはDoCoMoの方針なので、どうにもならないと言えよう。
例えば俺が愛用しているエプソンのType3の260MBハードディスクカード(今時こーゆーの使ってる人少ないとは思いますが)を挿すまではいいのだが、抜くに抜けない。どうにもこうにも抜きにくい。EJECT用のボタンを押しても、カードの先が1センチほどせり出す程度。まあ普通のノートパソコンなら、その程度カードが出てくれば抜けるのだが、770Xの場合はヤケにガッチリとカードをホールドしているので、スッと抜くことができない。そう言えばカードを挿す時もスッとは入らず、ヌヌヌズッて感じで入る。潤滑油でもさそうか。とにかく硬いので、結局このハードディスクカードには、極薄ビニールテープで作った“ベロ”を装着。これを引っ張ればすぐに抜けるように工夫してみた。なお、Type2のカードなら、さほど苦労せずに、普通に抜ける。
でも何でだろう? エプソンのType3のハードディスクカードを使っているマニアックなシャチョーさんが、カードを抜くときの硬さを知って「むっむむむっ、抜けん!! カードが抜けないからIBMはダメだ!! ウチの計算機は全部NECか富士通あたりに変えよう!! おいチミ、今すぐそうしたまえ!! かっかっか!!」などと言い出したらIBM的に大損だと言えよう。ていうかもしかしたらThinkPadってみんなPCカードスロットが狭め!? まあそんなこたぁないだろうけど……。ともあれ、些細な問題だが、そんなことがあった最近の770X利用状況である。
□DoCoMoのPHS端末「パルディオ611S」製品情報
http://www.nttdocomo.co.jp/products/phs/lineup/611s/index.html
□シャープのDoCoMo用携帯電話端末「SH601em」製品情報
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/sh601em/text/index.html
□DoCoMoのSH601em製品情報
http://www.nttdocomo.co.jp/products/keitai/lineup/sh601em/sh601em.html
[Text by スタパ齋藤]