スタパ齋藤

我ながら買い過ぎです
~'98年買った携帯電話端末22台・その1~



■ 我ながら買い過ぎです

 今年に入って、去年までの原稿やメモなどのテキストデータを整理していたら、おったまげたことに、何と俺は去年だけで22台もの携帯電話端末(デジタル携帯電話、PHS含めて)を買ったことがわかった。22台!! 自分でも信じられない数だ。ひと月に約2台!! 冗談みたいな数だ。それ以前買った端末は5台で、これは'91~'97年の7年間に買った数。まあ年に1台ってことにしておいても、去年の携帯電話購入頻度は、それ以前の22倍にもなっている。なんか不謹慎な気さえしてくる。

 というわけで、去年買った端末のうち、ちょいオモシロどころをいくつか振り返ってみたい。なお、去年のスタパトロニクスでも端末を何台か紹介したが、記事にしたのはJ-PHONEのDP-212(パイオニア製の大型液晶端末で縦横自由に表示可能)とDoCoMoのピーターパン(松下製のPDAタイプ端末)まで。それ以降のものについて紹介してみたい。



■ 残念だったアレ

Peterpan
DoCoMo ピーターパン
スタパ氏に限らず「デジタル携帯電話+PDAのコンセプトは良いが、製品の(とくにソフトの)使い勝手がダメな感じ」というユーザーが多い一品。ネーミングセンスも「ビジネスマン向けだとすると“ピーターパン”はいかがなものか」という声アリ。重量約320g、連続待ち受け約140時間
Dialo
DoCoMo Dialo
PeterPanとは違って、購入者の間で評判がいいのがコレ。重量約240g、連続待ち受け約100時間
 去年買った端末のうち、非常に残念だったのがDoCoMoのピーターパン。大期待して買ったのだが、なんつーかこう、えーと、ん~、要するにイマイチだった。ハッキリ言って使いにくかった。コンセプトには同感するところが多いのだが、なんか試作品みたいな雰囲気。結局、2カ月くらい使って、解約。そしたら間もなくして販売終了。末期には3,000円とかで売られていたらしい。ともあれ、誰かコレ使いませんかといろんな人に声をかけたが、誰も欲しがらなかったので、じゃあ捨てちゃえと思ったが、いやその前に分解してみようと思ってバラしたらモトに戻らなくなっちゃったのでやっぱり捨てちゃった。心意気的にはもっとグリグリ使い込みたかったのだが、如何せん……つまり、俺の最強に強まった心意気を萎えさせてくれた、非常に残念な1台だった。

 次に買ったPDA的携帯電話は、DoCoMoのDialo。コレは東芝製の端末で、GENIOと同じような使い勝手のものだそうだ。GENIOは使ったことがないのでなんとも言えないが、Dialoはけっこう良かった。

 フツーに使える電話的機能と、フツーに使えるPDA的機能。感触としては質実剛健。いかにも東芝の端末という感じのカタさ、というか、マジメさが感じられた。で、これに加え、かなり使えるメール機能があって、ソレがけっこうイケたのだ。

 メールサーバーへの接続は、あらかじめいくつかのプロバイダ用の簡易設定が用意されていて、具体的には10円メール、NIFTY SERVE、People、PC-VAN、マスターネットなどなら簡単につなげられる。また、不特定多数のプロバイダに接続することもできた。と同時に、Webブラウザが使えた。つまり、しっかりPPPし、ちゃんとTCP/IPしてくれる、ヒジョーにマトモなメール端末として使えた。

 なので俺は、Dialoを頻繁に持ち出して使った。もちろんメール端末として使うためだ。それまではザウルス&携帯電話とか、サブノート&携帯電話みたいな感じで、いわゆるモバイルメールを使っていたのだが、Dialoを手に入れてからは、もうDialoだけ。複数の機器を持ち歩くのが面倒になるくらい、Dialoはビシッとメール端末してくれた。

 ちなみに、Dialoはパソコンとの連携もいい。本体にはIrDAポートとシリアルポートがあり、パソコンと簡単に接続できる。普通はDialo/GENIO PIMという専用のリンクソフトを使ってデータのやり取りを行ない、Dialoの電話帳(アドレス)やスケジュールやメモのデータを自由にパソコン上でエディットできる。このソフトは簡素ながら使い勝手がよく、かなり役立ってくれた。なお、Dialoは去年の暮れ頃、実売価格1万円前後の店が多かった。最近ではもっと値下がりしているかもしれない。



■ J-PHONEの人気端末

 メールが使える端末と言えば、J-PHONEの多くの端末(Skywalker対応端末)がそうだが、J-PHONE端末ではパイオニア製のDP-212を使っていた。が、超カッコいい端末が新登場。ご存じノキアのDP-154EXだ。

 コレは、携帯電話史上かつて見られなかったようなイケイケでノリノリなフィーリングのデザインで、近未来の軍隊かなんかが使いそうな雰囲気を持つ端末だ。モノとしてヒジョーに物欲を煽る製品だったので、俺は速攻で購入。DP-154EXのマンダリンオレンジを買った。

 使った感じはまあ普通。普通の携帯電話だ。ちょっと良かったのは、バンド型のストラップ(!?)のユニークさ。腰にぶら下げたり、手の甲にくっつけられたりと、“他の携帯電話にもこういうストラップ付けて欲しいなぁ”と思うほどのユニークなストラップ。まあ便利かどうかは人の好みだと思うが、斬新なアイデアだ。が、おもしろいのはデザインとそのストラップくらいで、他の部分は平凡。持っていてウケはいいのだが、特に使いやすいとは思わなかった。また、日本製の最新端末などに比べると、機能がやや低かったり、使い勝手がナンだったりもした。

 で、結局、2週間程度で元のDP-212に機種変更。やっぱパイオニアの端末気合入ってますよ~、と改めて思った俺であった。

DP-212
パイオニア製のJ-PHONE端末。重量約122g、連続待受約150時間。スカイウォーカー対応
DP-154EX
ノキア製のJ-PHONE端末。重量約97g、連続待受約200時間。これまでにないデザインが人気を呼んだ。スカイウォーカー対応



■ 音のいいケータイを求めて

DII HYPER
三菱製のDoCoMo 800MHz帯フルレート端末の最後の世代。連続待ち受け時間もいまとなっては非常に短く、重量もずっしりくる重さ。音が良ければこのへんが我慢できるかどうかがポイント(といっても、フツーにはもう売っていない)
 DP-212は、というか、J-PHONEの端末は、その通信方式上、ホントに音がイイ。たまに悪いこともあるが、多くの場合、音がイイ。それに比べて、DoCoMoなどの端末は音が悪い。

 そんなわけで、マニアの間で話題の、DoCoMoのフルレート端末をどうにか手に入れたいと、'98年の俺はがんばった。最初は古い携帯電話端末を使っている人を片っ端からつかまえ(もちろん知人ですけど)、「そそそ、その端末、俺にくんない!? そのかわり新しい端末あげるから」などと言って、古い端末をゲットしまくった。が、当初は知識が浅かったため、これはフルレート端末だ、とだ、と思って入手した端末がハーフレートだったりした。ちなみに、フルレートだと思い込んで手に入れたけど実はハーフレートだったのが、富士通の101Hyperと三菱のD101。嬉々として手に入れ、DoCoMoショップで番号を入れ(通話できる状態にし)、その後にハーフレートだったことが判明。限りない無念さに襲われた。

 が、しっかり勉強し、どれがフルレートなのかわかるようになってから間もなく、松下のPII HYPERと三菱のDII HYPERを入手。結局、PII HYPERの方は友人に貸し、DII HYPERの方を使ってみた。

 で、驚いたのが、ホントーにすっげー音がイイってこと。初期のデジタルは“デジタルだから音がイイ”というキャッチフレーズに偽りがなかったことを確認。どの程度音がいいのかと言うと、フルレート端末(DII HYPERなど)から人に電話し、しばらく話してから「実はケータイからなんですけど」とか言うと「えっホントですかヤケに音イイですね~」と驚かれるほど。イヤホンマイクなど使って通話すると、など使って通話すると、PHSに迫るほどイイ音で通話できる。

 しかし、古い端末だけに、サイズも重量も機能も旧型。デカくて重いし、ちろん漢字なんか出やしない。音の良さを取るか、使い勝手の良さと携帯性を取るか、けっこう悩む。あーとっととW-CDMAの端末が出まくるか、cdmaOneが普及しまくらないかなぁ、と遠い目をしている最近の俺だ。



■ PHSもおもしろい!!

 一度、音のイイ携帯電話なんてものを使ってしまうと、もうその気持ちよさから離れられない。また、一度、便利で操作性に優れた携帯電話なんてものを使ってしまうと、その便利さから離れられない。その双方を追求していくと、どうもPHSに向かいがち。そんな感じで、去年はPHSもたくさん買ってしまった。

PHS DATA LINK MC-P100
SII製PCカード型PHS。SIIからは、姉妹品と言えるTwo LINK DATA(通話相手先限定サービス)対応の「MC-P110/TD」も発売されている。どちらも使ってみると非常に便利。外に出なくても、こたつでノートでPHS接続、なんて使い方もアリ
 そんななか、すっげー便利だと思ったのが、DDI PocketのPHSデータ通信カード、SIIのPHS DATA LINK MC-P100。PCカード型のPHS端末だ。ノートパソコンなどのPCカードスロットに挿すだけで、すぐに32kbpsなどの高速なデータ通信ができるという、モバイルな人にはおなじみのカードである。俺の場合、その存在は知っていたのだが、買ってはいなかった。でも、音がイイ端末が欲しい → 音がイイと言えばPHS → PHSと言えば高速データ通信 → データ通信と言えばカード型PHSがソソる感じ、という、いつもながらのこんがらがった論理回路が働き、MC-P100を購入。購入後、「あれ? 俺ってこんなモン買うはずじゃないような気がしなくもないなぁ」とか思ったが、使ってみたらすっげー良かった。

 周知のとおり、PHSでのデータ通信はデジタル携帯電話(PDC)に比べるとずっと快適。速いのだ。デジタル携帯電話では使う気にならないWebブラウザも、PHSだと実用的な存在になる。それから、ノートパソコンのPCカードスロットに挿すだけという手軽さは、想像以上に快適。普通はPHS端末+ケーブル+データ通信カード、となるが、MC-P100はPCカードスロットに挿すだけ。この差がすげえデカい。

 データ通信時の機材が少なくて済むのに加え、MC-P100はノートパソコンなどから電源が供給されるという点がなかなか気持ちいい。モバイルなんてコトをしていると、どうしても気になるのがバッテリの持ち。結局のところ、バッテリ問題は、気になるけどどうにもならない問題だ。で、PHSとサブノートを使っていたら、PHSのバッテリとサブノートのバッテリの、合計ふたつのバッテリの内容が気になる(まあPHSはそうそうバッテリ切れを起こさないが)。ところが、MC-P100の場合はバッテリ切れを気にする必要がない。最初からバッテリがないからだ。そして俺が気にすべきは、サブノートなど(MC-P100の母艦的ハードウェア)のバッテリのみ。サブノートのバッテリが万全なら、他のことは何も気にする必要がない。そこが気持ちイイ。まあちょっと屈折した気持ちよさではあるが、非常に単純明快で、考えるべきコトが減るって点がイイ。ちなみに、MC-P100はデータ通信以外にももちろん、通話(イヤホンマイク使用)が可能だ。通話時には、付属のダイヤルユーティリティを使うのだが、パソコン上の電話帳データを流用できるので、けっこう快適かつ実用的に使える。



■ まだまだあるが……

 さて、携帯電話端末をゲットしまくりの'98年だったが、実はまだまだ紹介したい端末がいくつもある。特にDDI PocketのDataScopeや、NTT DoCoMo(PHS)のパルディオ611S、それからNTT DoCoMoのSH601emなど、じっくり紹介したい端末がいくつかあるので、その詳細はまた今度ってことでひとつ。

 で、話はいきなり変わって、先週お伝えした、IBMのフラッグシップノートパソコン、ThinkPad 770Xのその後について。

 770Xを使い始めてそろそろ半月が過ぎるが、とりあえずは絶好調である。ほぼ問題ナシ。でも、些細な問題というか不都合がある。というのは、俺の場合770Xに外付けしてキーボードとマウスを使っていて、いつもほとんどレジューム(スタンバイ)しまくり。で、スタンバイしたりスタンバイから復帰したりするのはまるで問題がないのだが、スタンバイ中にキーボードのどれかのキーを押下すると、スタンバイから復帰してしまうのだ。ふつー、そーゆー挙動はしないような気がするのだが、770Xは、する。そう言えば、ソニーのノートパソコンも、スタンバイ中に外付けのキーボードのキーを押下するか、マウスを動かすかすると、スタンバイから復帰してしまった。デスクトップノート野郎としては、こういったイレギュラーな挙動(!?)はなんか、気持ちよくない問題である。それ以外の点では、770X、現在なんも問題ナシ。実に快適に動いている。

 そうそう、実は本日、比較的ヘビーなシミュレーションゲームを動かした。具体的には『ポピュラス ザ ビギニング』。このゲームはすっげーおもしろくて徹夜必至で……とかそーゆー話じゃなくて、このゲームはいわゆる3Dゲームで、3D表示のステージがグリングリンとスクロールしまくる内容だ。でも、770X上では全然まるでストレスなしに動きまくった。Pentium II 300MHzクラスのハイエンドノートになると、CPU速度・ビデオチップともに比較的ゴージャスなので、重い3Dゲームも難なくできる。また、Photoshopなんかの重量級アプリも3~4秒で起動できる。ワープロやメーラーなんかはダブルクリックした瞬間に開く感じ。あーやっぱり速いってイイことなんだな~、と実感。思い切って買って良かったと感じられるパフォーマンスだ。

[Text by スタパ齋藤]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp