もともとわが家のCD-ROMドライブは、SCSIが圧倒的だった。'97年中盤くらいまでは、ほぼすべてのPCがSCSI CD-ROMドライブを内蔵していたといっても過言ではない。それが'97年末あたりから、一部マシンにATAPI CD-ROMドライブが導入され始めた。放っておけば、ATAPI CD-ROMドライブがSCSI CD-ROMドライブを置き換えていったのだろうが、そうなる前にATAPI DVD-ROMドライブの普及が始まり、結局SCSI CD-ROMドライブを駆逐してしまった、というわけだ。
いったいDVD-ROMドライブの何をそんなに気に入ったのか、と言われるとちょっと説明が難しい。わが家はCD-ROMドライブの導入が比較的早く(等倍速の外付けSCSI CD-ROMドライブである東芝XM-2200Aが最初である)、4倍速~8倍速あたりのドライブが最大勢力であったことから、そろそろ更新の時期であったのは間違いないのだが、より低価格なATAPI CD-ROMドライブでもなければ、書きこみが可能なCD-R/CD-RWドライブでもなく、ましてやDVD-RAMドライブでもない理由は、結構、わが家独自のものかもしれない。
今回は、これがメインテーマではないので、説明は簡単にする。まずCD-R/CD-RW/DVD-RAMといった書きこみ可能なドライブは高価である。しかも、わが家にはこうした大容量リムーバブルに書きこむ需要がない。筆者の商売は原稿書きであり、出力はテキストデータに過ぎない。リムーバブルメディアどころか、アナログモデムでも簡単に送れてしまう。システムのバックアップはもっぱらDDS-2(DAT)を使うので、これまた用がない。こうしたデバイスの多くがSCSIであったことも、SCSIからATAPIへの移行を行なっていた筆者にとって、都合が良くなかった。
ATAPI CD-ROMドライブよりATAPI DVD-ROMドライブにした理由は、DVD-ROMドライブが完全にCD-ROMドライブの機能的なスーパーセットであること、価格がこなれてきていることだ。第1世代のDVD-ROMドライブには、CD-Rメディアを読めないという問題があったが、第2世代ではこの問題も克服されている。CD-Rを書く需要がないとはいえ、他所からCD-Rが回ってくることは多い。やはりCD-Rが読めないのは都合が悪いのである。ちなみに上記7台に第1世代ドライブは1台も含まれていないし、どんなに安価でも第1世代ドライブに手を出す気はない。
だが、すでにマイクロソフトはカンファレンス資料やMSDNのライブラリのDVD-ROM化をスタートさせている。来年あるいは再来年には、DVD-ROMドライブ化はもっと進むだろう(ノートPC購入予定のあるユーザーはアップグレードが難しいだけに要注意!)。今回、Encarta 99のDVD-ROM版を、第3世代の東芝 SD-M1202(4.8倍速)およびソニーDDU220E(5倍速)、さらには第2世代の松下SR-8582(2倍速)と東芝SD-M1102(2倍速)で利用してみたが、2倍速でも特に不満を感じなかった。どちらであろうと、CD-ROM版と違いディスクの入れ替えが不要なメリットの方がはるかに大きい。もうDVD-ROMドライブは買いだ、というのが筆者の結論である。
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[Text by 元麻布春男]