矢作晃の COMDEX/Fall '98会場レポート(Mac編)

COMDEX会場にぽつぽつと灯るiMacカラー

COMDEX/Fall '98会場風景 会期:11月16日~11月20日

会場:Las Vegas Convention Center, Las Vegas Hilton, Sands Expo & Convention Center

 Apple ComputerがCOMDEXへの出展を見送るのは、もはや珍しいことではない。そのこと自体にニュース性はまったくなく、しごく当然のことと受け取られつつある。もともとMacworld EXPOをかかえていたこともあり、ソフトウェアにせよハードウェアにせよ、Appleと関係の深いところほどCOMDEXに対しては冷淡だったが、ここ数年はその傾向が一層強まっていたのも確か。今回もその事実に変わりはないが、ひとつだけ例年とは違ったことがある。それが、場内にぽつぽつと灯りはじめたiMacカラーだ。




 
●iMacにあらゆるインターフェイスを! 「iPeripherals」

Q-HUB
ミドルレンジとして用意された「Q-HUB」は、フロッピーディスクドライブと7ポートをもつUSBハブのコンビネーション
 Apple ComputerにおけるiMacコンセプトのひとつは、シンプルなインターフェイス構成のはずなのだが、欲しい人は欲しいということで、ごっそりと用意してしまったのが、CompuCable社の「iPeripherals」シリーズ。基本的にはUSBをそれぞれのインターフェイスに変換するアダプタの一群で、かなりの力技なわけだが、パラレルまであるというこだわりがなんともいえない。必要なアダプタだけ入手するもよし、すべてをサポートする「iDock」を選ぶもよしというところ。


MP-H10 MP-H10   MP-F20
「iDock」の背面にまとめられたインターフェイス。5ポートのUSBハブに、シリアルがふたつ、ADBがひとつ。現在はプロトタイプのため存在しないが、出荷時はSCSIポートも追加される。iMacとの接続はUSB一本だけでOK   「iDock」の前面にはフロッピーディスクドライブ。本体を回転させる台座までついているのが、この製品のサービス過剰なところ。マウスとスピーカーもiMacカラーの製品が揃っている シリアル、ADB、パラレルの変換アダプタ。こちらもSCSI用は開発中とのことだが、USB-SCSI変換で果たしてどれほどの転送速度が得られるかは、まだ不明。パラレル用はPCともコンパチブル



 
●Clik!ディスクのMac用ドライバはNECが開発

Clik! 現在は白一色にブルーのNECロゴというNECおなじみのカラーリングだが、OEMの状況次第ではカラーリングも変わってくるはず。出荷のメドは来年の2月ごろ(ということは、幕張デビュー?)
 NECが参考出展したiomegaのClik!用ドライブは、USBインターフェースを持つ製品。現時点ではMacintoshでClik!ディスクを使う必然性はないが、今後のデジタルカメラやさまざまなポータブル製品への応用を考えると、早々にMacintosh対応が表明されているのはうれしい。Macintosh用のドライバソフトはNECサイドで開発して出荷される見通し。




 
●USB製品=iMacカラーというヘンなイメージ

 絶対的な数こそ決して多くはないが、会場のあちこちでiMacカラーの製品は目立つ存在。ここでは写真を中心に、会場内でみかけた製品群を紹介する。

Q-HUB   MP-F20   MP-F20
GALLANT社ブースに出展された平面スピーカーとサブウーハー、そしてドルビーサラウンドのデコーダーキット。現時点でiMacカラーの製品は参考出展モデル   サンヨーのUSBオーディオユニット。PC側のCD-ROMやWAVEファイル、MIDIファイルをサウンドソースとし、USBインターフェイスからこのユニットを介して、オーディオ機器に出力する。製品と付属するソフトウェアはWindows 98向けなのだが、なぜかサンプルの製品はiMacカラー   ハギワラシスコムのUSB対応スマートメディアリーダー/ライター。製品自体は完成しており、出荷時期を検討中とのこと。出荷にあたり、カラーリングの変更もあるという
Q-HUB   MP-F20
ノルウェーのAnimaX International社のエルゴノミクスマウス。もちろんUSB対応だが、なぜかADB用も同じカラーで用意されている。日本ではサンワサプライが国内代理店として出荷の予定   Qumax社がOEM向けに参考出展したジョイスティック。わりと見たままの製品。Macintosh用のドライバは、OEM先でということらしい
Qumax Corporation
http://www.qtronix.com



 
●過ぎたるは及ばざるがごとし?

Q-HUB   MP-F20
キーやボタンがずらりと並んだ多機能キーボードなのだが、よくよく見るとキートップに見慣れないキーがあったり、ウィンドウズロゴが書いてあったりする。さらにケーブルの先にはPS/2のコネクタが付いてたりして……。思わず「なんでもかんでもこの色にすればいいってもんじゃ、ねーだろっ!」と心のなかで突っ込んだ製品   ハードディスク用のケースなのだが、インターフェイスはSCSI用とPCMCIA用の二種類だけ。「iMacには、そのままつなげないよね?」と聞けば、「並べて使うとカッコイイ!」んだそうだ。このへんは社名を載せると、お白州状態になりかねないので、特に名は秘すことにする
これだけiMacカラーの製品が存在すると、なかにはちょっとずれたモノも出てくるようになる。以下に紹介する製品の他にも、iMacカラーのCD-ROMケースなどサプライ用品を扱っているところもあった(要は色が違うだけなのだが)。ところが、それらのブースは「写真はNO!」というところが結構ある。こちらから見れば、他人の褌で相撲を取っているような気が大いにするのだが、自社のことではワリにケチくさいのも特徴のひとつか?




 
□COMDEX/Fall'98のホームページ(英文)
http://www.comdex.com/comdex/owa/event_home?v_event_id=248

('98年11月20日)

[Reported by 矢作 晃]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp