雑誌の評価記事を担当するのと異なり、店頭で実機を見ても、そこでテストプリントするわけでもなければ、中を開けて見るわけでもない。だが、実際に見なければわからないこともまたある。たとえば大きさだが、カタログに書かれている数字がどんなに正確でも、感覚的に大きさをつかむことは難しい。店頭で見れば一発でわかる。
というわけで、スペック的に該当しそうなプリンタを抽出したのが表の8機種だ。この中には、どうしてもカタログが入手できず、Internetで調べたデータもある(別にInternetの効用を否定しているわけではない)。また、調べている時にわかったのは、筆者が希望しているプリンタは、どうやらオフィスプリンタの部類に入る、ということだ。前回も触れた通り、筆者はこのクラスをSOHO向けだと思っていたのだが、各社のカタログを見る限り、SOHO向けはもう1ランク下のようだ。
【候補8機種のおもな仕様】
メーカー名 | キヤノン | キヤノン | キヤノン | 京セラ
モデル名 | LBP-450
| LBP-840
| LBP-850
| LS-1700
| 標準価格 | 158,000円 | 148,000円 | 168,000円 | 188,000円
| 最大用紙サイズ | A4 | A3 | A3 | A4
| 印刷速度(A4、コピー) | 12ppm | 16ppm | 16ppm | 12ppm
| ネイティブ解像度 | 600dpi | 1,200dpi | 1,200dpi | 600dpi
| メモリ(標準/最大) | 4MB/36MB | 4MB/36MB | 4MB/36MB | 4MB/36MB
| ランニングコスト(1枚あたり) | ― | 4円 | 4円 | 0.6円
| 給紙方式(本体同梱標準品) | 250枚カセット | 250枚カセット | 250枚カセット | 250枚カセット
| 両面印刷オプション | あり(5万円) | あり(5万円) | あり(5万円) | あり(7.8万円)
| ネットワークオプション | あり(5.5万円) | あり(5.5万円) | あり(5.5万円) | あり(8万円)
| FAXオプション | あり(31万円*1) | なし | なし | なし
| PCL互換性(英語モード) | なし | なし | なし | あり(PCL5e)
| 消費電力(印刷/待機/スタンバイ時) | 299W/―/17.5W | 346W/30W/17W | 350W/37W/22W | 310W/110W/18W
| オプション非装着時サイズ(W×D×H) | 282×416×579mm | 490×610×300mm | 490×610×300mm | 373×383×310mm
| 容積(立法センチ) | 67,924 | 89,670 | 89,670 | 44,286
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メーカー名 | エプソン | エプソン | 日本HP | 富士ゼロックス
モデル名
| LP-8300S
| LP-8400
| LaserJet 4000
| LaserWindOffice 204W
| 標準価格 | 128,000円 | 148,000円 | 168,000円 | 138,000円
| 最大用紙サイズ | A3 | A3 | A4 | A3
| 印刷速度(A4、コピー) | 12ppm | 16ppm | 16ppm | 12ppm
| ネイティブ解像度 | 600dpi | 600dpi | 1,200dpi | 600dpi
| メモリ(標準/最大) | 4MB/36MB | 4MB/36MB | 4MB/100MB | 4MB/36MB
| ランニングコスト(1枚あたり) | 4円 | ― | 2.5円 | ―
| 給紙方式(本体同梱標準品) | 250枚カセット | 250枚カセット | 500枚カセット | 250枚カセット
| 両面印刷オプション | なし | なし | あり(6万円) | なし
| ネットワークオプション | あり(5万円~) | あり(5万円~) | あり(4.3万円) | あり(6万円)
| FAXオプション | なし | なし | なし *2 | あり(138,000円)*3
| PCL互換性(英語モード) | なし | なし | あり(PCL6) | なし
| 消費電力(印刷/待機/スタンバイ時) | 340W/―/30W | 340W/―/30W | 330W/18W/16W | N/A *4
| オプション非装着時サイズ(W×D×H) | 471×487×346 | 471×487×346 | 390×493×343 | 466×390×325
| 容積(立法センチ) | 79,364 | 79,364 | 65,949 | 59,066
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キヤノン LBP-840 |
同じキヤノンのLBP-850は、LBP-840の上位モデルだが、筐体やエンジンは同一である。エミュレーション可能なプリンタが多いなど、さまざまなクライアントが共存する環境向けかもしれないが、PCしかない筆者の環境向きではない。価格も高いことから、必然的に候補から外れる(LBP-850を選ぶくらいならLBP-840を選ぶということ)。これに対しA4専用機のLBP-450は、A4機の割には小さくないが、少なくとも筆者の仕事部屋にも置けそうな大きさ。両面印刷もサポートしている。だが、LBP-840を見た後では、エンジンの古さが気になってくる。サポートする解像度、印刷速度、消費電力といったスペックに、それが顕著だ。LBP-840のエンジンと同じテクノロジを投入したモデルチェンジを期待したいところである。
京セラのLS-1700もA4専用機だが、こちらはかなり小型で、A3やB4の出力をあきらめた甲斐があるサイズだ。著しくランニングコストが低いのは、ドラム交換をせず、トナー補給のみを行なう同社のエコシスのおかげ。PCL5eのエミュレーションが可能なのも筆者には好都合だ。難点は、本体のみならず、両面印刷オプションやネットワークオプションなど、価格が高いこと。しかも、筆者の自宅から近い新宿エリアの量販店ではあまり見かけないことを考えると、大きな値引きの期待できない取り寄せ扱いになりそうだ。本体に両面印刷オプションを加えた価格は266,000円で、実売で20万円を上回ってしまう可能性が高い。これでは、候補から除外せざるを得ない。
日本ヒューレット・パッカード LaserJet 4000 |
富士ゼロックス LaserWindOffice 204W |
[Text by 元麻布春男]