矢作晃のWORLD PC EXPO98レポート

iMacを軸に昨年より増加した、Mac関連製品のみどころ

会場風景 会期:9月30日~10月3日
会場:幕張メッセ

 今回のWORLD PC EXPO98におけるMacintosh関連のみどころといえば、やはりiMacとその周辺機器が中心。アップルコンピュータは、自社ブースのほかにiMacパビリオンを構えて来場者にiMacの存在を強く印象づけようとしている。


■会場入り口には巨大なiMacのバルーンが登場

 幕張メッセの最寄り駅であるJR海浜幕張駅を降りて、係員が誘導するままに会場へと足を進めていけば、必ず目にすることができるのがこのバルーン。総合受付となっている幕張メッセの第11ホール入り口付近に設置してある。なお、この第9~11ホールが入っている幕張メッセ北館の南側出口では、会場内で入手する資料を入れる「iMac特製ペーパーバッグ」(ようは紙袋)が手に入る。

 第4ホールに位置するアップルコンピュータのブースは、iMac、PowerMacintosh G3、PowerBook G3、Softwareといった具合にカテゴリー別に製品が展示されている。およそ30分間隔で行なわれるメインステージでのプレゼンテーションは、iMacとMac OSの2本立てで行なわれているが、回数は3:1程度の割合でiMacの方が多いので、Mac OSのステージを見たい人は、まめに開始時刻をチェックしておきたい。ちなみに、iMacのステージでは終盤にひとつのヤマがある。その時は瞬発力が問われるので、いい思いをしたい人はあらかじめ心構えを。

高さは約6mという「iMacバルーン」。初日はちょっと雨に濡れていた ちなみに、通路を挟んで反対側にはGatewayの牛さんがたたずんでいる


■iMac用周辺機器のチェックはiMacパビリオンへ

 第7ホールへ足を進めると「iMacパビリオン」にたどり着く(案内は前述のアップルブースにも掲示してある)。ここは、iMac体験スクールの受講ができるほか、iMacの周辺機器やアプリケーションがひととおり展示されているパビリオン。体験スクールの受講は一回あたり16人までなので、参加したい人はできるだけ早く申し込みをしておいたほうがいい。プログラムは、GoLive CyberStudioとiShadeを体験する「iMac@Internet」とMicrosoft Office 98を体験する「iMac@SOHO」のふたつ。

大きくふたつに分けられたiMacパビリオンの関連商品エリア 体験スクールは各4台のiMacを四方に配置して、中央から説明する形式

 パビリオン内の周辺機器のエリアには、USBに対応するプリンタがひととおり展示されている。現時点ではパラレルをUSBに変換するケーブルを利用する接続方法が主流で、プリンタ自体がUSBポートを持っている製品はキヤノンの「BJC-430J(BLACK)」ぐらい。担当者の説明によれば、10月1日から同社のダウンロードページ( http://www.canon-sales.co.jp/Download/bjmac.html)でこの製品に対応したiMac用のプリンタドライバを『お試し的』に提供し始めるという。Windows用にすでにこの製品を購入済のユーザーで、かつiMacを所有しているなら試してみる価値はあるだろう。製品へのパッケージングの時期に関しては現在検討中とのこと。

USBポートを持つ数少ないバブルジェットプリンタ「BJC-430J(BLACK)」にiMac対応プリンタドライバを使って出力 キヤノンのバブルジェットプリンタに対応したピクセラのパラレル-USB変換ケーブル。ドライバを収録したCD-ROMが付属。スキャナカートリッジに対応した双方向通信が可能なドライバは11月以降に提供される予定

新潟キヤノテックのパラレル-USB変換ケーブル。中央のものはハブ機能付き。キヤノンのバブルジェットプリンタとLASERSHOT(LIPSIII)に対応。iMacっぽいデザインの製品はOAカラーを嫌うウィンドウズの個人ユーザーにも好評だという。ちなみにこの製品はiMacパビリオンではなく、新潟キヤノテックのブース(#3133)と、USBパビリオン(#7321)に展示されている アルプス電気も、自社のマイクロドライ方式のプリンタ用にUSB-パラレル変換ケーブルを11月中旬に発売予定。対応機種はMD-1000、MD-1300、MD-1500 エプソン販売はすでに自社製品向けのUSB-パラレルの変換ケーブルを出荷済。iMac対応のシールが貼られた製品にはWindows用とiMac用のドライバが同梱されている

 いわゆるiMac向けのストレージデバイスも、各社が出荷に向けて準備中だ。プリンタなど他の周辺機器に比べ、デザインをiMacにあわせていたり、トランスルーセントな素材を採用したりするなど、結構こだわりのみえるジャンルである。

イメーションとパナソニックが共同開発したiMac用スーパーディスクドライブ。当初よりやや出荷予定が遅れているが、どちらもパビリオンだけでなく自社ブースでも積極的にPRしていた ヤノ電器のUSB対応フロッピーディスクドライブ「UFD-01」。初期のクリアスケルトンから、ブルースケルトンに変更されて出荷される

ヤノ電器のPCMCIAカードリーダ/ライタ「UPCRW-01」(左)と、ピクセラのコンパクトフラッシュカードリーダ/ライタ「PX-iM」(右)。前者は24,800円で10月中旬に出荷予定で、後者は価格、出荷時期ともに未定 加賀電子が参考出展していた、iMacとのUSB接続に対応したMOドライブ。詳細は不明。この製品はパビリオンではなく加賀電子ブース(#8215)に展示

日本アイオメガのUSB対応のZIPドライブ。米国での出荷を年内に予定しており、それにあわせて日本でも英語版のまま限定出荷する可能性があるという。正式な国内版は年明け以降を予定。日本アイオメガのブース(#3341)に展示 いわゆるVAIOカラーのUSB対応ZIPドライブ「Mii zip 100」。マイクロテックが参考出品した。Windows用にはノートでの利用を意識してPCMCIAカードのインターフェイスを標準添付。iMac用はカラーをiMacにあわせ、USBケーブルを添付して出荷したいとしている。パビリオンと日本アイオメガのブース(#3341)でみられる 以前から噂のあったNewerTechnorogy社のUSB対応フロッピーディスクドライブ。しかし今回はモックどころか、厚紙での展示。ただの紙でもみたいという人は、メディアビジョンのブース(#5131)へ


■トランスルーセントな感じ……とオマケ

 これまで紹介してきた製品以外にも、プリンタやスキャナ、デジタルカメラといったイメージング製品を中心に、Macintosh対応ハードウェアや対応ソフトウェアは会場のあちこちに展示されている。iMac自体がわりと人目を引きつけやすいデザインということで、So-netなど意外なところでもステージでのデモンストレーションマシンにiMacを使用しているブースも結構目立つ。そのあたりは、実際に来場されて確かめていただくこととして、最後はもう少しトランスルーセントなモノやこだわりのモノを紹介しておこう。

サプライ用品のテックパーツのブース(#4253)では、MacAlley社のiMac向けUSB対応機器の国内販売を検討中。デザインや色の組み合わせなどまだ検討している段階とのことで、いろいろ話をしてみるのもいいかも こちらもサプライ用品で、ロアスのブース(#2313)で見つけた製品。USBハブではなくて「USB切り換え器」。つまりホスト側(例えばPC/AT互換機とiMac)を切り換えるわけだ。USBはホットプラグが可能なので、切り換えた先のマシンで機器が自動認識される メルコのブース(#7241)では、iMacのメモリ増設作業を実演している。手伝っているアシスタントさんの衣装が流行のトランスルーセントというわけ

NewerTechnorogy社のCPUアクセラレータ。PowerMac G3のCPUを400MHzにするという代物。他に、PowerBook1400とPowerBook2400用のG3アクセラレータなどが出展されている。国内代理店のメディアビジョンのブース(#5131)で 物販エリアにあるコレクション(#8112)でみつけた「iMac Glass」。コレクションを含む会場内店舗の一部では、電子マネー「VISAキャッシュ」が利用できる。「VISAキャッシュ」は、総合受付そばの販売カウンターで購入可能 Macintoshとは無関係ながら、最初が牛バルーンだったので最後も牛模様で締める。まぁ、丑年だし(ホントは寅年です)。やっぱりこだわってるなぁ、と感じるのはその衣装。昨年はカウボーイ(カウガール)で、今年は牛柄の浴衣。番傘も牛柄で、帯と下駄の鼻緒はロゴとおそろいの緑。ブランド名など書かずとも、ひと目でそれとわかるってのはポイント高いですねぇ。

□WORLD PC EXPO98ホームページ
http://wpc98.nikkeibp.co.jp/

('98年10月1日)

[Reported by 矢作 晃]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp