【イベント】 |
開催地:台湾・台北市
主催:台北市コンピュータ同業協会
会期:6月2日~6日(現地時間)
コミュニケーションデバイスを扱うブースがまとめられたブロックでは、モデム、ISDN機器、LAN関係の各種製品の展示が行なわれている。
■モデム:
V.90への移行は緩やか、USB対応もWindows 98正式出荷以後が本番か
従来のK56flexや33.6kbpsのモデムも展示しているブースが多く、V.90への移行はそれほど急ピッチには行なわれていない印象を受けた。
V.90モデムはRockwellのチップを使ったものばかりで、ASKEY、BILLION ELECTORICなど各社の製品が展示されていた。機能的にはメーカーによる差はとくになく、価格的にもほぼ横並び。とくにこれといった目立つ製品はなかった。
内蔵用のカードではPCI対応とISA対応の両方を用意しているところがほとんどで、モデムボードも遅まきながらPCIへの移行が進んでいることを感じさせる。ちなみに、国内の展示会と違って、パッケージ製品の展示はほとんど見あたらないのがCOMPUTEX TAIPEIらしい。
USB対応の通信機器が増えるのはWindows 98の正式出荷後になりそうだ。
数多い通信機器の中でも、もっとも目を引いたのがIPルータだ。
IPルータはモデムやTA機能は持たず、ルーティングだけを行なう。これまで家庭やSOHO向けのISDN機器は、モデム、TA、DSU、HUBなど、あらゆる機能を内蔵して一体化する方向の製品が多かった。しかし、企業などの大規模ネットワーク用にはルーティングのみを行なうIPルータという製品が多く存在する。国内でも先日マイクロ総合研究所から、“既存のモデムやTAを活用する”ことをキャッチフレーズにした「NetGenesis4」というHUB機能を内蔵したIPルータが発売されたばかり。すでにモデムやTAを持っているユーザーも多く、こうしたIPルータは機能が絞ってあるだけ安価なので、注目を集めている。
COMPUTEX TAIPEIでもこうした製品のトレンドを受けてか、IPルータ製品が複数展示されていた。
また、ARGUS TECHNOLOGIESでは、HUBの機能も切り捨て、モデムやTAのシリアルコネクタに直結できる小型のIPルータ「Celer Access300」を展示していた。「Celer Access300」は10Base-Tのポートを備えており、このポートを介してすでに構築してあるLANに接続する。機能的には、HUB機能を内蔵していないことを除けばNetGenesis4と比べても遜色なく、ネットワークモニタやDHCPサーバー、ファイアウォールも組み込まれている。標準価格は299ドルで、本体からシリアルケーブルが2本出ているタイプ(CA-320)は399ドルとのこと。ほかにもシリアルと10Base-2/Tのみを持つIPルータなどが複数のブースで展示されていた。
■モデムメーカーも主力はISDN製品へ
モデムメーカーの老舗ZyXELでも、すでにモデムよりTAおよびIPルータ、ダイアルアップルータの展示に力が入っており、モデムメーカーによってはビデオカンファレンスなどの別分野を開拓し始めているところもある。V.90の規格が策定されたばかりだが、すでにモデムという製品そのものが「枯れた」技術になろうとしているようだ。
□COMPUTEX TAIPEI '98のホームページ
http://www.computextaipei.org/
□関連記事
【6/3】COMPUTEX TAIPEI '98レポート Vol.1
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980603/cmptx0.htm
('98/6/4)
[Reported by kayama]