【ソフト】

独占禁止法に関する裁判は継続

速報:米Microsoft、訴訟の一部について司法省と和解

'98/1/23



 米Microsoft社は、現地時間の22日、米司法省(DOJ)と法廷侮辱罪をめぐる争いについて和解したと発表した。今回和解したのは、独占禁止法を巡る裁判に伴う、連邦地裁の暫定命令にMicrosoftが従っていないとして司法省が法廷侮辱罪で訴えていた件のみ。本来のMicrosoftを独占禁止法違反として訴えている裁判は継続される。

 MicrosoftがWindows 95の最新版にInternet Explorer(IE)を組み込むことをPCメーカーに要求しないことに同意、和解が成立した。

 詳細についてはまだ不明であるが、Microsoftのニュースリリースによれば、両者はMicrosoftが新しいふたつの選択肢をPCメーカーへ提供することで合意したとしている。新たな選択肢は、このふたつである。

  1. 司法省が求めたように、IEのアイコンといくつかのファイルを、Windows 95のAdd/Removeユーティリティによって、すべて(またはほとんどすべて)削除できる。ファイルの削除によって、Windows 95のインターネット関連機能が失われる可能性がある。
  2. Microsoftが主張するように、IEのアイコンを削除する。しかし、IEのファイルはそのまま残される。
 このふたつの新しいオプションは数日中にMicrosoftからPCメーカーへと伝えられる。PCメーカーは従来の3つのオプションに加え、新しい選択肢を得ることになる。従来の3つのオプションは下記のとおり。
  1. IEを含んだフルのWindows 95
  2. Microsoftの指示した方法に従ってIE関連ファイルを削除したWindows 95
    (ただしこの場合は「OEMメーカーはIE3.0の小売り版に含まれる“全ファイル”をWindows 95から除くことができる。しかしこのようにされたWindows 95はもともと設計されたとおりには動かないことを警告する」とMicrosoftは付け加えている
  3. '95年に出荷した最初のWindows 95からIE 1.0を削除したもの
 今回の和解は、両者の主張を併記し、選択可能としたものであり、裁判の流れを本来の独占禁止法を巡る争いへと戻すためのように読める。和解の位置づけ、詳細な内容については続報を待たれたい。

□Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1998/Jan98/doj1-22pr.htm
□米司法省のホームページ
http://www.usdoj.gov/
□プレスリリース
http://www.usdoj.gov/atr/press_releases/1997press/1334.htm
□参考記事
【1/21】後藤弘茂のWeekly海外ニュース
【ニュースサイトWatch 特別編】
「攻撃的過ぎるMicrosoftの裁判戦術は裏目に出るか?」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980121/kaigai02.htm

('98/1/23)

[Reported by date@impress.co.jp]


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