パソコン系の大型店で福袋に力が入っていたのはT・ZONE各店だった。LaOXザ・コンピュータ館、九十九電機各店、ソフマップChicago店などでは確認できなかった。ソフマップは初売りが元旦だったので、その日に数千円のものが用意されていたという。
T・ZONEは確認できただけでも、T・ZONEアップル館店頭、T・ZONEミナミ店頭、ミナミDOS/Vフロア、ミナミサプライフロアと4カ所で福袋が販売されていた。そのなかから、「当たりはデジカメ」という本店店頭と、袋が図抜けて大きいDOS/Vフロアで購入した。ミナミ店頭ではカシオ福袋というカシオ製品のみの福袋をやっており、それにも心が残ったが内容がわからない方がおもしろいので見送った。
パソコン系が少なかったので、家電系だが人が多かったヤマギワ東京本店を選んだ、去年好評だったナカウラは安い方の福袋が7,000円と2万円しかなかったので見送った。
10,000円 ●「オリンピック100年の歴史」全16巻 ビデオCD●ロイターマルチメディア報道年鑑'94、'95、'96●1,000ピースジグゾーパズル×2●幼児向け筆箱 総点数 22点 |
価格的にはオリンピックのビデオCDセットだけでも10倍以上(標準価格108,800円)だが、いかに今年が長野五輪の年とはいえ、16枚組のビデオCDが一般性のある商品とは思えない。
ロイターのマルチメディア報道年鑑は、Mac/Win 3.1対応のQuickTimeムービー中心のもの。3年分あるが'96年10月が最新の内容で、去年を振り返ることができない。年賀状のデータ集とか家計簿でいいから、なにかひとつ役に立つソフトウェアが入っているとすこしは印象も変わると思う。
ジグゾーパズルも、カップヌードルCMのhungry? マンモス編とマイナーな猫のイラストもので、やっぱり欲しい人は限られると思う。
Microsoftのロゴ入り商品が中心で、価格的には3倍程度は固い。Microsoft関連商品のカタログも入っており、標準価格を確認し、自分を納得させる材料になるのは親切だ。ただ、DOS/Vマシンユーザー=Microsoftファンとはいちがいに言えないので、開けた時のよろこびには個人差があるだろう。Microsoftファンであれば、十分に満足できる内容はある。
いけないのは、ここにApple関連商品がまざっていること、これは双方のファンにとって不幸な組み合わせだ。よく見ると袋の脇に小さく“ハイブリッド”と書かれているが、両方を楽しめる心の広いユーザーは少ないのではないか。
その他のミニーマウスのマウス、工具セット、キーボードパッドなどは秋葉原ではおなじみのもの。ポストイットはバラバラになっていた。
10,000円 ●カシオ 手書き電子手帳RX-205●カシオ ネームランドKL-565●バンダイ デジタルモンスター●ビデオテープ3本組(スタンダード120) 総点数 4点 |
並んでいるのを取ることもできるが、基本的には店員に言って取ってもらう。「1万円のをひとつ」というと「CDと電子手帳がありますが、どっちにします」というので、後者にする。去年は「A、B、Cのどれにしますか」と聞いていたが、今年は内容をはっきりさせていた。やはり不況で中身がはっきりしないと財布の紐も開かないのだろうか。ほっとくとレシートもくれないので、領収書を書いてもらう。
内容はまるでカシオ福袋で、カシオの電子手帳とネームランドが主力。どちらもベーシックな機種で機能は必要最小限。実売価格でもモトは確実にとっている。これにたまごっち型ゲームのデジタルモンスターとビデオテープがオマケ。
役には立つのだけど、福袋を買ったという楽しみが薄い。点数も少なく袋を開けたときがさみしい。くだらないものでいいからもっとオマケがほしかった。
新宿西口ではヨドバシカメラが各店の店頭に「お年玉箱」という福箱を積み上げて販売していた。虎のイラスト入りの真っ赤な箱でよく目立っている。ソフマップをはじめとする他店では福袋は確認できなかった。調査が遅くなってしまったため売り切れた可能性もあるが、一部の店員が虎の着ぐるみまで着込んで「お年玉箱」を売り出していたヨドバシほど力が入っていなかったことも確かだ。
9,000円 ●オリンパス OZ76 ZOOM 35mmカメラ●35mmフィルム24枚撮り●レンズ付きフィルム(白黒)●カセットテープ(ノーマル60分)●ビデオテープ(スタンダード120)
【以下OA館と共通】 総点数 14点 |
コンパクトカメラと、カシオのゲーム機能付きウォッチが主力、これにAMラジオと強力な懐中電灯の防災セット、マイナーメーカーの電動歯ブラシ、ヘアードライヤーなどの実用家電、オマケのテープ類という組み合わせだ。内容的には小物が多いこともあってお買い得感がある。
しかし、これはまごうことなきカメラ屋の福袋だ、OA館やAV館でわざわざ買う必要があるかは疑問だ。だからといって去年のOA館のように古いソフトが一杯というのも悲しいし、難しい。そういうものと割り切れれば、内容の評価は高い。
二つの箱の中身の差はカメラで、APSと35mmの違いはあるが、2倍ズーム(38~76mm)とリモコン付きのAV館で買ったものの方が“当たり”だ。
9,000円 ●京セラ ULTIMA100 APSカメラ●APSフィルム25枚撮り●レンズ付きフィルム(カラーAPSタイプ)●カセットテープ(ノーマル64分)●ビデオテープ(スタンダード140)
【以下AV館と共通】 |
10,000円 ●コニカ K-mini 35mmカメラ●35mmフィルム24枚撮り×2●アイワ カセットプレーヤー●写真用アルバム●小型電気カミソリ●ダウンケット(羽毛シート、ハーフサイズ、150×105cmの四角いシート) 総点数 5点 |
内容はダウンケットが主力、ベーシックなコンパクトカメラとカセットプレーヤーが脇を固め、あとはオマケという構成。ダウンケットの価格は不明だが、ほかのものだけでもモトは取れている計算だ。コンパクトカメラのパッケージにも24枚撮りフィルムが1本ついている。
ここも、パソコン館のものというよりは、ビックカメラの福袋というべき構成だ。カメラとカセットプレーヤーはメーカー品だが本当にベーシックな機種で、他のオマケの点数も少ない。ダウンケットの価値の比重が高いため、これをどのように評価するかが評価の分かれ目だろう。
もちろん不特定多数の人を相手にする商品なので、すべての人が満足する福袋などありえないが、オマケを増やしたり、商品の幅を広げるなどしてミートする層を広げようとしている福袋の方が正しい。そういう意味では、ヨドバシカメラの福袋が一番魅力的だったが、それだけに普段売っている商品と指向の異なる福袋なのはさみしい。趣味嗜好が強くでるパソコン系の福袋は難しいのだろうか。
買う側でも、自分の趣味嗜好にあった買い物がしたいのであれば指名買いをすべきだし、中身を確認しないと買えないのであれば買わない方がいいと思う。福袋の魅力はそれが「びっくり箱」であり、中から意外な物が飛び出すおもしろさだ。中身がみえないからこそ、そこに自分の予想もしなかった幸せが入っているような気がするのだ。迷った末に思い切って買い、中身の品定めをして、マァこんなものかと笑って終われれば、それで十分幸せなのに。
1)ご自分のメールアドレス
2)希望の店名(T・ZONE、ミナミ、ヤマギワ、ヨドバシAV、ヨドバシOA、ビックパソコンと表記)
3)「福袋」をテーマに200字以上
を書き添えて、サブジェクトを[fuku]としてdate@impress.co.jp宛へお申し込みください。締め切りは1月7日午後5時とします。
メールによる当選のお知らせから3日以内にご返事がいただけ無い場合は当選を無効とし、他の方へ振り替えます。
なお、賞品は現状渡しとし、送付時の破損を含め、交換・返品などには応じかねます。商品は未使用ですが、撮影のため一部開封されていますのであらかじめご承知おきください。
('98/1/5)
[Reported by date@impress.co.jp]