【マーケット】

新春企画

新春福袋ショッピング
「福袋は、目玉商品と盛りだくさん感が命」

 新春、初売りのお楽しみといえば福袋だ。きっと売れ残り品がつまっているんだろうな~、買ってみたいけど新春早々損した気分になるのはいやだしなあ、中身さえ見られればそれで満足なんだけどなあ、というのが、ふつうの人が福袋を見たときの気持ちではないだろうか。

 そこで、読者のみなさんの好奇心を満たすべく、編集部では1日、2日に秋葉原と新宿で福袋を購入、ここに一挙公開するので、買おうかどうしようか迷った方、見て安心していただきたい。


●秋葉原、新宿で福袋をゲット

 秋葉原も新宿も、“初売り”という言葉から連想されるような華やかな催しはあまりなかった。
 2日の秋葉原ではラオックス ザ コンピュータ館などでは新春イベントは何もなし、ツクモDOS/V館、ソフマップシカゴ館はバーゲンはやっていたものの福袋はなかった。新宿ではヨドバシカメラが元旦から営業しており、OA館、AV館など売場ごとに内容の違う福袋が各種用意されていた。さすがに元旦ということもあり、ヨドバシカメラ近辺はふだんよりは空いていたが、ゲーム機売場だけはお年玉を持ったお子様や家族連れで立錐の余地もない混雑だった。

 というようなわけで、さほど普段と変わりない正月のPC物欲スポットではあったが、編集部では新宿ヨドバシOA館、秋葉原のナカウラ、ヤマギワ、T-ZONEの各店で福袋をゲットした。


●秋葉原ナカウラ:正しい福袋

NAKAURA 1万円
アイワのポータブルCDプレイヤー●くるくるドライヤー●時計つきラジオ●ブランドまがいバッグ2個●お盆?お皿?3枚●ネコのマンガ入りマグカップ2個●黄色のCDホルダー●10ピースの工具セット(ドライバとレンチ)●コンパクト目覚まし時計●家計ポーチ●SONYのノベルティ、トランプと迷路パズル
  呼び込みに元気がなく、人も少なかったナカウラだが、あらかじめ領収書が用意されているなど販売の手際はよい。十万以上するような高額のものは「デジタルビデオカメラ」とか「28インチTV」とか明記されている。さすがに正体の分からないモノに十万出す人はいないよな、とナットク。ちなみに、TVは袋に入ってなくて目録だけ(当たり前か)。

 ナカウラで購入した福袋は1万円也。目玉はポータブルCDプレイヤー(アイワ)で、ほかには時計付きラジオ、くるくるドライヤー、目覚し時計などのまともなものから、ソニーのノベルティ用トランプや、ひとめで贋物と分かるブランドまがいバックなどまで、ともかくいろいろと入っている。

 ナカウラの福袋は、正しい福袋に必要なふたつの条件、「目玉商品が入っている」「盛りだくさん感がある」を満たしており、まず合格点といったところ。「目玉商品」とは、「ま、コレが入っているから、損はしてないかな」と納得させる力を持つ商品でなくてはならない。この場合、「型遅れでちょっと厚みがあるとはいえ、ちゃんと動くCDプレイヤーが入ってるから、1万円したけどまあいっか」と納得できるのである。また、「盛りだくさん感」は福袋に必須の要素。SONYのノベルティ用グッズなんかは持って帰ってもたぶんゴミになるだけなのだが、「なんかたくさんはいってるなあ~」という満足感は福袋には非常に重要な要素なのだ。


●秋葉原ヤマギワ:「盛りだくさん感」がない

YAMAGIWA 1万円
SONYのCDウォークマン●フィリップスのコードレスアイロン●ビクターのビデオテープ120分3本●ビクターのカセットテープ60分2本
 ヤマギワでは、福袋は同じ価格でA、B、Cと3種類あった。1万円袋に客が集中して、すぐ品切れになり、奥から運んできたものが奪いあいの状態だったのでとりあえずCセットを購入した。各セットの違いについては特に表示がなかったので不明だ。

 こちらも目玉はSONYのCDウォークマン。型落ちで最新型に比べるとやや厚みがあるのは、ナカウラのアイワのCDプレイヤーと同様だ。それにコードレスアイロン。アイロンって、普通の家庭ではやはり使うものなのだろうか、という疑問がよぎるが、必要な人にとってはコストパフォーマンスはそう悪くないかも。しかし、「盛りだくさん感」がない! それにビデオテープが“AV”で、せめて“HG”クラスにして欲しかった。というわけで満足感はいまひとつ。


●秋葉原T-ZONEミナミ:「目玉」「盛りだくさん感」ともになし。悲しい。

T-ZONE 5千円
PowerMacintoshロゴ入りマグカップ●ラジオペンチ、ドライバなどの工具8点セット●林檎マーク入りボールペン●セガサターン用ソフト「ナイツ」のマウスパッド●林檎マーク入り布製フロッピーキャリングケース
 秋葉原で、パソコン系の福袋を販売していたのはT-ZONEミナミだけ。T-ZONEミナミは、新年は2日の10時半から営業。入り口では樽酒の鏡を割って升で振舞い酒をするなどのイベントもあり、10時ごろから列ができはじめ、TVの取材も入っていた。

 しかし、肝心の福袋の中身はごらんの通りかなり貧弱。Appleフロアで販売していたものなので、黒の布製FDケースとボールペン、マグカップはAppleマーク入りのノベルティ。しかし、マウスパッドはサターンの「ナイツ」なのが泣ける。それからノーブランドの工具セット。これ、全部普通に買っても5千円くらいなのでは? という疑惑が頭をよぎる。欲しくないものが入っているけど、中身を普通に買ったら福袋の代金の数倍以上するという、福袋界の常識を破る一品なのである。はっきりいって、これはハズレ。


●新宿ヨドバシカメラOA館:Windowsソフトの盛り合わせ。確かにたくさん入ってはいるが。

YODOBASHI 9千円
卒業II for Windows 95●レミングス●瑞兆(麻雀ソフト)●ダブルプレッシャー(パズルゲーム)●ピットフォール(アクションゲーム)●HINOSELF(フォトCD)●釣り味食べ味沖釣り専科 ヒラメ&マダイ編(ビデオCD)●古典落語名作選2・三遊亭圓生●古典落語名作選3・三遊亭金馬/三遊亭可楽●幻祭夢話 吉野公佳(フォトCD)●渋谷区海岸通り 三井ゆり(フォトCD)
 ヨドバシOA館では「Windows福袋」があり、お値段は9千円。人気はなかなかで、元旦に用意されていた分は、夕方にはほぼ完売の状態だった。中身はソフト、ソフト、ソフトのてんこもりである。目玉といえるのは、「卒業II」か。しかし、「卒業」って、IIはグラフィックがいまいち可愛くないんだよな……。「古典落語名作選」の2・3は好きな人ならいいかもしれない。女の子のフォトCDグラビア2本も、「秘密の肢体を超公開!」とかいうキャッチがついているのだが、基本的にWindows 3.1用で、Windows 95では一部不具合が生じる場合ありとか書いてあったりして、やはり売れ残り詰め合わせ感がにじみ出てしまう。標準価格ベースでは何万円にもなるのだが、ソフトだけだと、満足感はあまりない。


●やはり欲しいモノは一本釣り!

 今回調査した中では、ナカウラの福袋は目玉もあり、しょーもないものもありとなかなか充実していた。しかし福袋調査の結論としては、やはり欲しいモノをいち早く手に入れたときのめくるめく満足感は、福袋では決して得られないということが再確認されたのであった。

 最後に福袋を買うのを我慢するための決めゼリフをひとつ。「普段その店のものを何も買わないのであれば、福袋のなかにも欲しいものは入っていない」(一緒に福袋めぐりをさせられた編集部デスクの奥さん曰く)。でも、T-ZONEミナミではよく買い物するので、T-ZONEさんには、来年は妙なインポート小物セットなどを期待したい。のびのび君とかの入っている「携帯電脳セット」とか、ICMやソフトウェアジャパンの流通在庫詰め合わせの「ノンサポートパック」とか、秋葉原ならけっこう売れると思うのだが。

('97/1/6)

[Reported by PC Watch編集部]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp