●OCNを申し込む
ISDNを引いて、まずは、非同期38.4kbpsで使用を開始したが、その後同期64kbps、MP128kbpsを使った。このあたりより、速度的な問題より時間的な問題が大きくなってきた。
まず第一にテレホーダイ。夜11時から朝8時までなので、夜中にアクセスしなければならない。仕事がら月に数十時間はアクセスするので、完全に夜型の生活になってしまった。テレホーダイ時間帯はほとんど接続しっぱなし、という感じで、こんな生活続けていると、ダイアルアップだがWEBサーバーを立てても平気になってしまう。しかも昼間はぼーっとしてしまう。
教訓:テレホーダイは安いが眠い
会社をやめて、原稿書きに専念したが、やはり昼間のアクセスは、電話料金が気になってしかたがない。どうもタクシーに乗って、高速道路を走っているような感じで、頭の中で料金メーターがカチャカチャ上がる感じである。プロバイダも、年間定額制のところは、混雑がひどいし、従量制では料金が大変だ。
NTTのOCNのホームページを見ると今年の4月から松戸がサービスエリアに入っていた。そこで、OCNを使って常時接続を行なうことにした。
一人で使うのはもったいないし、家族や親兄弟にも電子メールアカウントを出してやれば、彼らの分のプロバイダ代も含めて考えれば(あくまでも考えればだが)、月38,000円はそんなに高くないと思った。すでにテレホーダイで毎月4,800円、プロバイダに計算上7~8,000円(複数プロバイダの平均)払っており、これに昼間アクセスする分と夜早く寝られる分を考慮すれば、38,000円はそんなに高くないだろうと考えた。
こういう仕事をしているので、OCNを入れたと自慢して、OCNについての原稿を書けば、なんとかなるだろうという読みがあったこともある(というわけでこの原稿を書いているのだが)。
OCNのホームページで申し込むと、申し込み用紙が送られてきて、これを書いて申し込むのだが、これが大変に面倒(すでに'97年の4月に申し込み用紙が変わったが、この時は最初のバージョン)。なんだか住宅金融公庫に申し込むぐらいの大変さである。
申し込みをして数日、なんとNTTから電話がかかってきた。「当社で現在おつきあいさせていただいている部署はあるでしょうか?」、「はぁ?」。どうも会社かなんかと勘違いしているらしい。おつきあいもなにもうちはただISDN回線の契約をしているだけなのだ。「では担当部署よりあらためてご連絡させます」と電話は切れたが、なんだか不安だった。
●NTTがうちにくる
数日後、NTTの女性担当者から電話が来る。なんでもOCNの契約について伺って打ち合わせしたいとか。いままで、引っ越しなどでNTTと話したことはあるが、自宅にNTTの人が来るのは始めてある(工事の人は来たことがあるが、いつも下請けの業者の人で決してNTTの社員ではない)。
来たのは女性2人、我が家はいたって普通の家で、いかに仕事とはいえ、こんなところ(うちは松戸市でも端のほうで結構田舎である)にまで来ることになるとは。しかも、うちの娘がさっきまで朝御飯をこぼしまくっていたダイニングのテーブルで打ち合わせするなど夢にも思わなかったであろう。
打ち合わせの内容は、申し込み用紙で不明な点を確認したいということと、もしかしたら、用紙が変更になるので、時期によっては書き直しになるかもしれないということだった。また、工事の時期は決まったら連絡するとのこと。手みやげに「真心」と書かれたボールペンのセットをもらう。
しばらくして再度電話あり、工事時期のことで打ち合わせがしたいという。なんだかいやな予感がしたが、とりあえず来てもらう。今度は、男性と女性(女性は前回と同じ人)のペアで来宅。なんでも、うちの地区を担当しているビル(昔は電話局とよんでいたのだが、最近は窓口がなく、単に交換機がおかれている建物になったのでみんなビルと呼ぶことになったとか)の工事は、4月からではなく7月になるという。
なんでもこのビルは、電話番号下4桁の千番台(たとえば(123)4567のときの4)でビルが別れているという。ISDNやOCNなどを引く場合の工事はビルごとに条件が違ってくるわけだ。ISDNの時と同じである。あのときは、電話の対応だけで、結構腹が立ったが、今回はこちらにいらしての報告なので納得する。いちおう7月1日を開通日としてもらう。
教訓:同じ市内でもビルごとに条件が違うので、OCNホームページの対応予定に自分の所属する局番があっても引けるとは限らない。
あと、マンションなどでは、マンション内の配線がNTTのものではないので、調べないとOCNが引けるかどうかわらないという(配線的にはもう1つ電話を引くのと同じだそうだが)。それで、マンションのMDFとIDF(どちらも電話の配線がおかれている箱)を調べてもらうことにする。
マンション内の配線は、NTTからきた電話線がすべて一旦MDFという箱に入り、そこから何軒かごとに電話回線をまとめたIDFへ分岐していく。ほとんどの場合、MDF=IDF間はあとから手を入れることはできず、IDFと各家庭の間の配線も工事できるところとそうでないところがあるらしい。最近のオフィスビルなどでは、配線がパイプの中を通っていて、あとから線を追加することも可能だそうだが、マンションでは、こうした増設に対応していないところもあるという。
調べてもらった結果。NTTからマンションへの配線にも余裕があり、また、MDF-IDF間の配線にも余裕があることが判明。また、IDFからうちの部屋までは6芯のケーブルが引かれており、ISDNでこのうち2本を使っているだけなので配線は可能だという。
マンションでOCNを引く人は少ないかもしれないが、もう1回線増やしたいという場合には、同じように配線に空きがないとダメだというので注意が必要だ。管理人にMDFとIDFの場所を聞いて、確認しておくといいだろう。通常、MDFの中に配線図がおいてあり、IDFから各部屋への配線には部屋番号が付いているので、しろうとでもなんとか分かる。
教訓:マンションなどでは回線、配線の空きがあるかどうかを注意する。
[Text by 塩田紳二]
※明日1日版では、第3回「マンションでのOCN工事」をお送りします(編集部)