第1回目の今回は、9月10日までに更新されたコンテンツについてご紹介するが、夏休みだったせいか、8月はプレスリリースも少なかった。リリースとしてはたった3つしか出ていない。7月が14あったのに比べると激減という感じである。そこで、今回は、初回ということもあり、ちょっと古い物(内容的には重要なのだが)も含まれているがご容赦願いたい。
まずは、日本語サイトからの紹介である。
●Outlook97
自動仕訳ウィザード(アドイン)
http://www.microsoft.com/japan/office/officefreestuff/outlook/
Outlookの自動仕訳ウィザードは、切望されていた自動仕訳機能をOutlookに追加するもので、かなり高機能な振り分けができる。たとえば、メールの着信時の振り分けなどは、他のソフトよりも細かく制御が可能だ。また、送信時にも適用できるので、自分の送信メールも含めてメールのやり取りをまとめておくといったことも可能。EudoraProのフィルタも結構細かいが、こちらのほうがさらに細かい設定が可能だ。
●Visual Studio 97 Service Pack 2
バグ修正モジュール
http://www.microsoft.com/japan/developer/vstudio/defaultsp2.htm
5月の終わりに発売された開発環境Visual Studio97にさっそくSP2(Service Pack2)が登場。Service Packとは、バグの修正を行なうためのもので、無償で配布されることが多い。対象となるソフトウェアがインストールしてあるマシンで、ダウンロードしたプログラムを実行すると、ソフトウェアが修正される。いちおうのルールとして、サービスパックの場合、最新のものを適用すると、過去のService Packの分を含めて修正が行われるので、Service Pack 2を使う前にService Pack1を適応する必要がない。たまに、前回のService Packの修正をさらに修正するということもあるので、適応する前に注意が必要。
このSP2が登場する以前から、MSDN(Microsoft Developer Network:開発者向けのサービス)で配布しているCDとの同時利用に問題があるなどの話が出ていたが、出荷後半年もたたないうちにService Packが出ることになった。もっとも、このVisual Studioの中には、VC++、Visual BASIC、InterDevなど多くの巨大プログラムが入っているので、修正が多くなる可能性は高い。なお、このService Packは、個々のプログラムにも有効で、以下の製品が対象となる。
Microsoft Visual Studio 97 (Professional および Enterprise Editions)
Microsoft Visual Basic 5.0 (Professional および Enterprise Editions)
Microsoft Visual C++ 5.0 (Professional および Enterprise Editions)
Microsoft Visual InterDev 1.0
Microsoft Visual J++ 1.1
Microsoft Visual SourceSafe 5.0
●IntelliMouse™ Software Development Kit
インテリマウス用開発キット
http://www.microsoft.com/japan/hardware/DevSite/IntMouse/
NetscapeのCommunicatorが対応するなど、最近対応ソフトが増えているIntelliMouseのホィール機能だが、こちらにホィール対応にするためのSDKがある。SDKとは、Software Developement Kitの略で、ソフトウェアを開発するときに必要なモジュールやドキュメント、ツールなどをまとめたもの。利用するには、Visual Studioなどの開発環境が別途必要。プログラマ向けのもの。
使ってみるとスクロールさせるのに意外に便利なので、プログラムを作る人はちょっと覗いてみるといいかも。
●Microsoft(R) PowerPoint(R) Viewer 97
パワーポイント表示、再生ソフト
http://www.microsoft.com/japan/office/officefreestuff/powerpoint/viewer/winppv97.htm
PowerPointで作成したPPTファイルのビューアーソフト。これは再配布可能(タダで自由に利用できるし、条件に従えば、製品に添付しての出荷も可能)なもの。Power Pointで資料を作れば、見るだけの人は、このソフトをインストールするだけでいい。また、資料を人に配るときに一緒に配布してもいいのだが、このビューアーだけで2MBあるので、フロッピーに入れて配布というのはちょっと難しそう。
●Visual Basic Version 5.0 Control Creation Edition SP2(日本語版)
VBCCEのバグ修正モジュール
http://www.microsoft.com/japan/developer/vbasic/
Visual Basic Version 5.0 Control Creation Edition(略称VBCCE)は、ActiveXコントロールを作るための特別のVisual BASICで、無償で配布されているもの。すでに日本語版が登場していて、これはそのService Packである。
●Windows CE関連情報
開発者向け情報
http://www.microsoft.com/japan/developer/winds/Ce/ce.htm
WindowsCE関係の開発情報だが、ここにあるGlossaryは、けっこう便利。CE以外のWindows関連の説明もある。
●サポート情報
http://www.microsoft.com/japan/support/default.htm
MSのサイトでは、サポートに問い合わせのあった質問とその答えをWeb上で公開している。ここをみると意外な話がたまにある。MSの製品を使っているなら(まあ、この記事を見るぐらいなら、何か1つぐらいは使っていると思うが……)、たまに見てみるといいかも。ここにあるような質問で、せっかくの無料質問権を失うなんてもったいない。
日本のサイトもドメインはmicrosoft.comになったが、英語のオリジナルの情報公開の時間差は従来と変わらないようだ。そこで最新情報という点では、どうしても英語サイトのチェックも欠かせない。また、同じ情報を公開するにあたって、日米でのマイクロソフトの態度の違いなんかが見えることもある。
●Microsoft Office 97 Service Release 1
オフィス97用バグ修正版(International English版)
http://www.microsoft.com/office/office97/servicerelease/
日本では、サービスリリースCDの申し込みをしないと入手はできないが、USでは、インターネットからOffice97のサービスリリースがダウンロード可能。サービスリリースという名称でService Packといわないところがこのソフトの微妙な位置づけを表わしている。Service Packはいままで、原則的にインターネットでも公開で無償でダウンロードできたものだった。日本で無償配布しないことからService Releaceという名称になったのだろうか。なお、インターナショナル版がすでに公開されているので、ダウンロードするときはそちらを利用しよう。International English版のURLは下記の通り。
http://www.microsoft.com/officefreestuff/office/dlpages/sr1of97z.htm
●Microsoft Agents
ユーザーガイド用ActiveXコントロール(英語版だが日本語版で使用可)
http://www.microsoft.com/workshop/prog/agent/
Microsoft Agentsとは音声認識や発声機能がついた、ユーザーガイド用のシステム(ActiveXコントロールで実現されている)。これを使うと、アプリケーションで、入力欄の横に「ランプの精」(Genie)を出して、入力する内容を案内するなんてシステムができる。
この前のバージョン(出たのはIE3.0が出たあとぐらいなのでずいぶんと前)で将来的な予定としてキャラクタエディタなどを出すといっていたが、今回しっかりと入っている。
日本語版の可能性についていちどマイクロソフトの人に聞いてみたことがあるが、残念ながら、音声認識や発声のモジュールの日本語化という点で難しいとのことだ。
●Microsoft Dial-Up Networking 1.2 Upgrade Download with PPTP for Windows 95
Windows95ダイアルアップネットワークのVPN対応機能追加
(日本語版で利用できるが、日本語版での動作保証はWebに記載なし)
http://backoffice.microsoft.com/downtrial/moreinfo/win95pptp.asp
出先からインターネットを使って、会社のLANにアクセスするためのVPN(Virtual Private Network。仮想専用線)をWindows 95で使うためのモジュール。VPNを使うと、遠くのモデムに電話しないで、近くのインターネットプロバイダのアクセスポイントに接続するだけで自分がふだん使っているネットワークに接続できる。もちろん、通信内容は暗号化されているので、セキュリティは保たれる。ただし、接続先のネットワークではNTが動いている必要がある。
●Microsoft Routing and Remote Access Service Update for Windows
NT Server ルーティング機能強化
(日本語版で利用できるが、日本語版での動作保証はWebに記載なし)
http://www.microsoft.com/ntserver/info/routing&ras.htm
NTのルーティング(ネットワークパケットの行き先を制御すること)機能とリモートアクセス機能を強化するためのモジュール。次のNT 5.0で標準で装備されるという。
この機能を組み込むと、NT Server(NT Workstationでは利用できない)でようやくGUIを使ったルーティング設定機能が組み込まれる。前述のVPNも利用可能で、今回新しく、NT Server間をVPNで接続できるようになった。詳しい解説はSuperASCIIの10月号に書いたので、興味のある方はそちらを参照してほしい。
[Reported by 塩田紳二]