後藤弘茂のWeekly海外ニュース
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SGIがWintelワークステーションを来年投入?


●Windows NT 5.0はオンスケジュール?

 Windows NT 5.0のベールがいよいよはがされる。「Microsoft Seems to Be onTrack With Beta Windows NT Platform」(The Wall Street Journal,9/6、http://www.wsj.com から検索、有料サイト)によると、米Microsoft社はWindows NT 5.0のプリβ版の配布を先週一部の開発者などに対して始めたという。Windows NT 5.0の正式β版は、9月23日からサンディエゴで開催される開発者向けカンファレンス「Professional Developers Conference (PDC)」で発表されると、Microsoftではアナウンスしてきた。ところが、「NT 5.0 beta ship date likely to slip; Win 3.1 users to get Windows 98 upgrade path」(InfoWorld,9/6)など、Windows NT 5.0がスケジュールから遅れているという記事がこの1~2週間続出。今回の、予期せぬプリβ版の配布は、そうした疑念を払拭するのが狙いなのかも知れない。

 ようはそれくらいMicrosoftのスケジュールや製品計画が信用されていないということ。同社は今月、Windows NT Server 4.0のEnterprise Editionなどを出荷するが、「Cedar snag delays NT Enterprise」(InfoWorld,9/1)によると、当初の計画にあった技術の一部は遅れており、製品計画も不鮮明になっているらしい。たとえば、Windows NTと米IBM社の基幹系システム(CICSやIMS)をコネクトする「Cedar」(コード名)などは、出荷時期や提供形態も定かではないという。やれやれ。


●IBMがNetPC製品化を取りやめか?

 しかし、Microsoftの戦略のなかで、いまいちばん揺らいで見えるのは、なんと言ってもNetPCだ。THE WALL STREET JOURNALは、「IBM Says It Won't Sell Stripped-Down NetPCs」(The Wall Street Journal,9/8、http://www.wsj.comから検索、有料サイト)で、ついにIBMがNetPCの製品化を取りやめたというスクープを飛ばしている。顧客のデマンドがないことが理由だそうだ。これは、今のところ、どれぐらい確実な話なのかは明らかではないが、これが本当だとすると、NetPC戦略というのはかなり揺らいでくることになる。というのは、ここ1~2ヶ月、NetPCについてIBM以外のメーカーからも疑問の声が上がっているという報道が相次いでいたからだ。たとえば、先週も「Microsoft Stands Behind Net PCs」(COMPUTER RESELLER NEWS,9/4)などの記事中で、そうした声が紹介されている。


●シャープがWindows CEデバイスを年内投入

 一方、Microsoft関連のニュースの中で、先週、ポジティブな話題が多かったのはWindows CEだ。「Microsoft, Vendors Ready Next Windows CE Generation」(PC World,9/2)などが、今月後半にWindows CE 2.0が発表されることを報じている。これは、以前このコーナーで紹介した通りのスケジュールだ。Windows CE 2.0では、東芝がすでに製品計画を公式に発表しているが、PC Worldによると、富士通もIntertopのWindows CE版を投入する予定らしい。また、「HP offers free ROM upgrade to palmtop PC users」(Computer Retail Week,9/4)によると、米Hewlett-Packard社は、ハンドヘルドPC「HP 320LX」で、Windows CE 2.0へのROMアップグレードを提供する予定だという。

 それだけではない。スクープ記事「Sharp to sell Windows CE devices in the United States」(InfoWorld,9/2)によると、シャープも米国ではWindows CEデバイスを年末までに投入するらしい。シャープ幹部へのインタビューをベースに構成されており、信憑性は高そうだ。もっとも、Windows CEを投入するのはWindowsが支配的な米国だけで、日本ではWindows CEをやるつもりはないという。残念。


●MMX2では浮動小数点命令を拡張?

 米Intel社は、来年後半、Pentium IIラインでMMX命令を拡張した「Katmai」(コード名)というMPUを出すと言われている。「Intel extends reach of MMX technology」(Electronic Engineering Times,9/8)は、そのKatmaiとMMX2関連記事。3Dグラフィックス性能の向上に力点が置かれていると言われるMMX2に関しては、まだ情報はまったくない。この記事では、浮動小数点演算命令をマルチに発行できるようになるのでは、という観測を取り上げている。

 また、NEWS.COMでは、Intelの戦略を検証する特集をやっていた。「New chip couldshut out rivals」(NEWS.COM,9/4)によると、IntelがPentium IIでSlot 1とSlot 2という新しいコネクタを採用したのは、競争相手を閉め出すためという。特許と企業秘密で守られているこれらの新コネクタに、他のx86互換MPUメーカーが対応するのは難しいからだそうだ。他のメーカーは、あくまでもSocket 7(Pentium/MMX Pentium用ソケット)で行くか、独自のソケットを採用するか、Slot 1にチャレンジするか、いずれにせよ困難な道を選ばなければならない。ちなみに、米AMD社は'99年にK7を出すが、この記事によると、それはSocket 7ではないそうだ。


●AMDはK6の歩留まりでひと苦労

 もっとも、AMDはAMDで、別な理由で苦境に陥っているようだ。「Low Yields Plaguing AMD's K-Series Again」(Electronic Buyers' News)によると、AMDのK6は、歩留まりが予定より低いために、生産量が限られ、開発コストを償却できるだけの売り上げが見込めないという。せっかく、性能面ではいいものを作ったのに、肝心の生産でもたつくというのは意外な展開。


●SGIがWintelワークステーションを来年投入

 ところで、Windows NT搭載PCワークステーションが、すごい勢いで増えている。米国では、主要PCメーカーの大半が参入を果たしたか参入の意向を表明したが、なかでもすごいのは米Hewlett Packerd社が9日火曜日に発表するシリーズらしい。「HP tobridge gap between Unix and NT workstations」(InfoWorld,9/5)によると、UNIXワークステーション用にこれまで提供してきたハイエンドのグラフィックスサブシステム「Visualize fx」を搭載しているらしい。

 しかし、来年になれば、このHPも強力な競争相手を迎えることになりそうだ。というのは、なんと米Silicon Graphics社(SGI)が、Windows NT&Intel MPU搭載PCワークステーション市場に参入してくるからだ。「Silicon Graphics Finally Bows ToWintel's Growing Power」(THE WALL STREET JOURNAL,9/8、http://www.wsj.com から検索、有料サイト)のスクープによると、これはSGI会長のEdward McCracken氏らが明かしたもので、同社は来年後半を目指して開発しているという。


●OracleとBorlandのジョイント

 最後に米Oracle社ネタをひとつ。次世代開発ツール「Sedona」が延期になったOracleだが、どうやらJavaとCORBA向けにSedonaを作り直すまでのつなぎに、別のJava開発ツールを投入するらしい。「Oracle shelves Sedona toolset」(NEWS.COM,9/2)によると、これはコード名「Valhalla」と呼ばれるJavaとJavaBeans開発ツールで、今月遅くに概要が発表されるという。もっとも、さすがにこの短期間では間に合わなかったのか、米Borland International社からライセンスを受けたJBuilderの技術をベースにしているという。しかし、Valhalla=ヴァルハラ、北欧神話に登場する死せる英雄の殿堂というコード名は、なかなかすごい。


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('97/9/8)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp