なお、8月22日(金)は休載とさせていただきます。
Dungeon Keeper
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Dungeon Keeperを初めて見たのは、どこかのショウだったような気がする。そのときは「ああ、こんなのが出るんだ」程度にしか思っていなかった。月日が流れて、あれから2年くらい経ち、ついに発売された。私自身はそれほど期待していなかったが、プレイしてみると、2年かけただけあって、なかなかよくできている。早くも、私はこのゲームに魅了されてしまった。
●効率のいいダンジョンなんてあるのか?
Dungeon Keeperを開発したのはBullfrog社で、最近ではシンジケート ウォーズなどを出したところ。正直いって、ここ最近はあまりパッとしないメーカーという印象だった。そうこうしてるうちに、いつのまにかDungeon Keeperが登場したのである。
Dungeon Keeperでは、プレイヤーはダンジョンの主(=ダンジョンキーパー)となり、ダンジョンを広げてクリーチャーを養いながら、敵対する相手のダンジョンハート(ダンジョンの命らしい)を破壊するとレベルクリアとなる。敵のクリーチャーや、ダンジョンに侵入してくる勇者を全滅させたり、領主を倒す場合もある。勝利条件はレベルによって異なるが、プレイヤーのダンジョンハートが壊れたら負けなのだ。
プレイヤーはダンジョンを広げる必要があるのだが、大きければいいというものでもない。敵がこちらに近づく前に体制を整え、戦闘の準備をし、敵クリーチャーをせん滅する。プレイヤーには敵のレベルもわからないし、敵側のダンジョンに攻め込んだ時は、罠が仕掛けられているかもしれない。このへんのドキドキ感がDungeon Keeperのおもしろさのひとつといえるだろう。
ゲーム開始直後は、ダンジョンハートと何匹かのインプがいるだけ(レベルによって変化する)。まず、はじめにインプに宝物庫を作らせる。これはダンジョン内に点在する金鉱を貯蓄するところ。次はプレイヤーのダンジョンハートと門をつなげる道を作る。この門から、クリーチャーが出現する。ダンジョン内で条件が整うと、新たなクリーチャーが現れる。クリーチャーが現れたら、ねぐらを作ってやる。ねぐらがないと、クリーチャーは不機嫌になって、ダンジョンから出ていってしまうのだ。このあと作るモノとしては、ニワトリ小屋(クリーチャーの食料になる)、訓練室、図書館、工房、などがある。ほかにもいろいろあるが、序盤であれば、こんなものでいい。序盤のレベルでは敵の勇者やクリーチャーは積極的で、どんどん接近してくるので、相手が来る道を用意しておいて、待ち伏せすればいい。あと、大切なのがお金。一定期間が経過すると、クリーチャーに払うお金が必要になる。そのため、金鉱を掘り起こし、貯えておかないと、自滅することになる。
●個性的なクリーチャーがいっぱい
クリーチャーを呼ぶには条件がいる。たとえば、ビートルはねぐらが必要で、バイルデーモンはねぐらとニワトリ小屋が必要。ほかにもクリーチャーは数種類いて、どれもが個性的で、プレイヤーを楽しませてくれるヤツラなのだ。
クリーチャーはみんな特技をもっていて、これらはダンジョンを維持していくのに欠かせない。その代表がインプの穴掘りで、これがなければ始まらない。そのほかにフライは飛行タイプのクリーチャーで、水や溶岩などの障害の影響をうけないため、ダンジョン内の偵察にはもってこいだし、ウォーロックは勉強家でどんどこ魔法を開発してくれる。溶岩が大好きなドラゴンは、溶岩近くにねぐらを作るだけで、経験値が入る。これら、クリーチャーの特性を把握し、うまく使いわけることもクリアにはかかせない。
クリーチャーは、ダンジョン内で勝手に行動する。いつまでも寝ている者や積極的に訓練に励む者、研究ばかりしている者などいろいろだ。ただ、プレイヤーがクリーチャーを捕まえて、別の場所、たとえば訓練室に移動させると、訓練を始めたりする。このように、クリーチャーをまめに移動させることも重要なのだ。
また、相性の悪いクリーチャーもいて、こいつらを同じねぐらにすると、戦いを始めてしまう。とにかく、いざこざが断えないのだ。
●マルチプレイも可能だが……
EAVではサポート対象外ということだが、Dungeon Keeperではマルチプレイが可能となっている。対戦については未プレイなのでなんともいえないが、Diablo以上におもしろいかはちょっと疑問に思っている。というのも、このゲーム、相手が来るのを待っていたほうが得策なのだ。ある程度、Goldを確保して、クリーチャー鍛えて、罠をしかけておけば、かなり有利にゲームをすすめることが可能なのだ。
もうひとつ。ゲームの動作速度なのだが、クリーチャーが単体で動いてる間はそれほど気にもならなかったが、後半になって敵味方が入り乱れてくると、どうしても動作が緩慢というか、止まり始める。ひとりでやってても、この程度なので、通信となるともっと遅いだろうと予想できる。
パッケージによれば、Pentium 133MHz以上推奨とあるが、私としてはPentium 200MHz以上を推奨したい。私のマシンスペックで快適にプレイできたとはいいがたい。というわけで、もしプレイしようと思っているなら、そのあたりも覚悟したほうがいいだろう。
●難易度設定には疑問、でも海外モノには珍しくプレイヤーに優しいゲーム
最初の1~5レベルはチュートリアル。マニュアルに沿って作るモノを作って、放置しておけばクリアできる程度の難易度。そう思っていたら、6~8レベルはさらに難易度が急降下する。本当はこっちがチュートリアルなんじゃないかと思うほど。そして、そこそこ楽しめる難易度になったなと思ったころ、だいたい15、16レベルになると、難易度が急上昇する。やっぱり勇者は強いと再認識するはず。高レベルの勇者がバカ強で、全部のクリーチャーを向けても、なかなか倒せない。やっと倒したと思えば、こちらもボロボロで、なんとか敵のダンジョンハートを破壊という感じ。いま攻められたら終わりだな、と内心びくびくしながらのプレイ。このあたりのメチャクチャな難易度設定は、さすが海外モノと感じさせる。
ゲーム画面をみると、暗い印象を受ける人もいるだろうが、けっしてそんなことはなくて、動き回るクリーチャーやリアルタイムで表示されるメッセージなど、かなり忙しいゲームなのだ。また、ゲーム内でもクリーチャーの指示や部屋作り、はてはケンカの仲裁など、ゲーム中、安まる暇などない。でも、そんなに難しいことではない。2、3回プレイすれば、おおまかな作業方法は理解できるし、インターフェイスが直感的で、わかりやすい。とてもプレイヤーに優しいゲームといえるだろう。海外モノにはめずらしく、プレイヤーを選ばないゲームなのだ。さらに、付属する日本語マニュアルはしっかりできているので、英語の苦手な人でも問題なし。
[Reported by 尾道晃]
□Weekend Summary
●システムソフト、「スーパーエアーコンバットII」 ほか