■価格はほぼ横並びだが、新宿では早くも値引き競争の気配
まず気になる価格のほうだが、こちらは発売初日ということもあってか、どこもほぼ横並びで、メモリ4MBモデルのA-50が64,800円、8MBモデルのA-51が74,800円。ただし、新宿のカメラ量販店では、一部でこれより数100円安い価格表示もあり、交渉次第では値引きの余地もありそう。新宿では早くも価格競争が始まりそうな気配だ。
■関心の高さを物語る秋葉原駅前でのデモの人の多さ
秋葉原で特に印象的だったのは、とにかく扱うショップ数が非常に多く、露出度が高いこと。パソコン店はもちろんのこと、家電店や小規模なショップでも店頭でカシオペアを大きく展示し、大型パソコン店には必ずと言っていいほど「カシオペア大量入荷」といった張り紙も張られ、ショップ側の期待度の高さが伺えた。
メーカーのカシオ側も大々的なキャンペーンを展開中で、秋葉原駅の改札口前では専用ブースを設けてデモンストレーションを行っている。加えて、各パソコン店の店頭でも実機の展示やパンフレットの配布を行うなど、製品のアピールに余念がない。駅前のデモでは、実機に触れる人や定期的に行われるステージの解説に聞き入る人で人だかりができ、ビジネスマンを中心に関心度が非常に高い様子。カシオによれば、当初11時からスタートするはずだったデモも、ステージ準備中から人が集まりだし、やむなく簡易のデモを予定より早く始めるハプニングもあったという。
■売れ筋は8MBタイプのA-51で、パワーザウルスとの比較をする人も
いくつかのショップで聞いたところでは「売れ行きは上々」とのことで、8MBメモリ搭載の上位モデルA-51を中心に売れているという。8MB版と4MB版との実売価格差が1万円しかないことも要因の一つのようだ。心配なのは、初期入荷のものはどこも予約分で多くがはけてしまうため、「土日には店頭在庫が切れてしまう可能性がある」と指摘するショップがあったこと。秋葉原のある専門店でも「予約数が多く、今回入荷する分はすべて予約に回し、店頭に出すものは次の入荷分からになりそう」というところもあった。しばらくは品薄となる可能性もありそうだ。
このように注目度の高いカシオペアだが、手強いライバルの登場も間近に控えている。携帯端末としては国内で圧倒的な人気を誇るシャープ・ザウルスの最新モデル「パワーザウルス」の発売が1週間後(17日発売)ということで、店頭では両者の製品比較説明を求める買い物客も多いという。そして、同じ時期には日本電気のもう一つの日本語版Windows CE搭載H/PC「Mobile Gear」も出荷される予定になっている。ただし、こちらは各ショップの店頭でのデモ機も少なく、現状あまり目立った印象がない。本命と見られるメモリ8MB版の上位モデルも発売予定が8月ということもあって、今のところはカシオペアとパワーザウルスとの直接対決という構図ができあがっているようだ。
日本語版Windows CE搭載のH/PCとしては、ひとまずスタートダッシュに成功したようように見える「カシオペア」だが、こうしたモバイル系製品の初モノには「最初に勢いよく火がついても、その後が続かない」というケースも多い。カシオペアの今の勢いが今後も続くのかどうかが、ひいては日本語版Windows CEへの評価という意味でも、大きな焦点となりそうだ。
□カシオペアの製品情報
http://www.casio.co.jp/hpc/
□Mobile Gearの製品情報
http://www.psinfo.nec.co.jp/mg/
□パワーザウルスの製品情報
http://www.sharp.co.jp/sc/eihon/mi-50x/
□関連記事
【6/25】カシオ、Windows CE日本語版搭載H/PC「カシオペア」を7月10日発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970625/casio.htm
【'96/11/18】カシオ、Windows CE搭載H/PC「CASSIOPEIA」発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/961118/casioce.htm
('97/7/10)
[Reported by suzuki-k@impress.co.jp / fumitake@impress.co.jp]