「EXPO COMM WIRELESS JAPAN'97 第2回国際ワイヤレス/移動体通信ビジネス展」は、モバイル関連のサービス、機器などの専門家向けの展示会で、会場の半数以上は計測機器や設備などで占められている。参加者数は昨年の26社にくらべ2倍以上の70社となっている。
個人ユーザーにも興味がある機器としては東芝、三菱、京セラなどが、自社の端末、小型ノートPCなどをベースに展示を行なっているが、これらはすでに他のイベントで公開済みのものが大半であった。いくつかの初公開のもののみをレポートする。
○NTT DOCOMO「携帯電話対応Mobile Gear」
会場入り口脇に大きなスペースを占めていたのがNTT DOCOMOで、次世代の移動体通信規格「W-CDMA(広帯域CDMA)」の展示が約半分、現状のモバイル機器の展示が半分という構成だった。W-CDMAについてはパネル展示とパンフ配布が中心で実機の展示・デモは行なわれていない。
昨日発表されたばかりの「モバイルコンピューティング推進コンソーシアム」についての展示は行なわれていなかった。
新しいモバイル機器として、携帯電話対応Mobile Gearが初公開されている。これはNECのMobile Gear(DOSベースの従来型)をベースに携帯電話へのインターフェースを内蔵したもので、通信のためにPCカードスロットを使う必要がなく、フラッシュメモリカードなどが使えるというメリットがある。また、DOCOMOの「10円メールサービス」用のソフトが内蔵されている。。
8月8日に発売予定で、価格はまだ未定だが、「現状のMobile Gearと同等程度、携帯電話インターフェイスカードが不要な分、割安。」という。携帯電話ベースでメールを使うユーザーには魅力的な製品だ。
□ニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/whatnew/whatne42.html
○富士通「モバイルキット&PIAFSカード」
富士通ブースでは、自社製のPIAFS対応カードと、自動車用の携帯電話モバイルキットが参考出品されていた。PIAFSカードは秋ごろまでに、モバイルキットは夏のうちに発売の予定。PIAFSカードはBibro NCのオプションとして4万円程度の価格となるという。現在市場に出ているカードとの価格差が大きいが、「コスト的にはこれぐらいになってしまう。これ単体では商売にならないが、関連商品の技術開発のためにもやらざるをえない」という。PIAFSの普及のために政策的な価格で販売しているキャリア勢に対抗するのはむずかしいらしい。
また、このところいくつかのショウで参考出品している携帯電話と一体化したPDAも展示されている。
□株式会社 リックテレコムのホームページ
http://www.ric.co.jp/
□EXPO COMM WIRELESS JAPAN'97のページ
http://www.ric.co.jp/telecomi/event/expo1.html
□参考記事
【'96/12/5】沖電気、PHSデータ通信PCカードを参考出品
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/961205/oki.htm
('97/7/8)
[Reported by date@impress.co.jp]