後藤弘茂のWeekly海外ニュース
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●MicrosoftがTech-Edで新アーキテクチャDNAなどを発表か?

 来週、5月5日から、米Microsoft社はフロリダ州オーランドでソフト開発者向けカンファレンス「Tech-Ed '97」を開催する。「Microsoft to further detail its enterprise plans at Tech-Ed event」(InfoWorld,4/25)によると、ここで同社はJavaをインテグレートしたDCOMのアップデートやWindows NTのクラスタリングAPIであるWolfpackのセカンドβを公開するらしい。そのほか、スモールビジネス版のWindows NTサーバーとか、IISにActive Server Page技術を拡張したアップグレード「K2」、それにCommunications Server 4.0などについても明かされるという。また、「Microsoft hits the Java wall」(PC Week Online,4/25)は、Windows Terminalや「DNA (Distributed Network Architecture)」などの新テクノロジについても明かすと報じている。DNAは、Thin ClientからWindows上のエンタープライズアプリまでを包括的にカバーするアーキテクチャらしい。それにしても、Microsoftってどうしてこんなに3文字キーワードが好きなんだろう。


●Pentium IIマシンを東芝やIBMが同時発表か?

 5月7日に米Intel社が「Pentium IIプロセッサ」を発表するという報道は、先々週から各ニュースサイトが一斉に流し始めた。さらに、いつもの通りIntelの発表に合わせ、PCメーカーからもPentium II搭載マシンが発売されるらしい。一番手には東芝やIBMなどと報じるのは「Toshiba, IBM ready fast PCs」(CNET,4/28)。ワークステーションの位置づけで発売するIBMを始め、当初は大手メーカーのPentium IIマシンは、ハイエンドに限られるらしい。庶民の手に入るのは、まだちょっと先か?


●Pentium Proの強化版も投入?

 ところで、Pentium IIはPentium Proの後継と見られているようだが、じつはそうでもない。Intelは、短期的にはPentium ProとPentium IIを並行行して販売するつもりらしい。「Intel to offer Pentium Pro chip for servers, workstations」(InfoWorld,4/26)によると、Intelは動作周波数が200MHzで2次キャッシュの容量が1MBのPentium Pro新バージョンも出すそうだ。つまり、現行のPentium Proよりキャッシュを増量したバージョンで、サーバーやワークステーション向けだという。Pentium II登場以降も、Pentium ProはSMP構成のマシン向けなどに強化が続けられるというわけだ。その証拠に、「Compaq To Announce New Four-Way Server」(InformationWeek,4/25)では、米Compaq Computer社がこの時期にPentium Proの4 MPUサーバー「ProLiant 6000」を発売する予定だと報じている。


●AMDがDEC以外にサポータを得た?

 Intelをここまで焦らせているのは、言うまでもなく米AMD社のフラッグシップ「AMD-K6」の存在。「AMD signs up Digital, HP to use its chips in new PCs」(InfoWorld,4/24)によると、DECが来月K6搭載のデスクトップを発売するほか、米国とヨーロッパの1ダース以上の大手PCメーカーが発売を検討しているという。ただし、これにはIntel忠誠派の米Dell Computer社と米Gateway 2000社は含まれていないらしい。ということは、Compaq Computerは脈ありなのかな?


●M2の性能はPentium比で233MHz相当が最初に登場?

 もう1社、忘れてはいけない米Cyrix社の次世代MPU「M2」に関して、さらに詳細な情報が流れ始めた。同社はこの四半期中にM2を発表することをすでに公開しているが、「Cyrix Sets Battle Plan Vs Intel」(TechWire,4/27)ではその性能をレポートしている。それによると、最初に登場するM2の動作周波数は188MHz、166MHz、それに150MHzで、Pentiumとの性能比較の指標Pレイティングでは、それぞれPR233、PR200、PR166となるという。さらに、その後も性能強化を続け、来年の第1四半期にはPR266やPR300のMPUも出す計画だという。


●IBMはAptivaにM2を搭載して超低価格で発売?

 また、M2搭載マシンもすぐに登場しそうだ。「IBM Consumer Division to ship M2-based Aptivas」(Computer Retail Week,4/23)によると、それはIBMのAptivaだという。IBMはM2ベースのAptivasとしてコード名PC Nextというマシンを開発しており、今年後半に出す予定だという。それもかなりアグレッシブな価格設定で、エントリレベルのマシンは999ドル程度ではないかと、業界筋の証言をもとに記事にしている。じつは、工場を持たないファブレスメーカーCyrixは、M2をIBMのラインで生産・キる予定だ。そして、IBMはファブ契約の際に結んだ付帯条項により、M2などのCyrix MPUをCyrixの生産数と同数だけ製造することが可能だ。つまり、IBMは自家製MPUをAptivaに積むことができるというわけ。


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('97/4/30)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp