後藤弘茂のWeekly海外ニュース
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●Internet Worldでお馴染みMicrosoftとNetscapeの激突

 Microsoft対インターネット企業群。この対立の構図はお馴染みになってしまったが、今週もまたまた「Internet World」で両陣営が激突するようだ。まず、今回の焦点として伝えられているのは、Microsoft対Netscape CommunicationsのDynamic HTML技術。「Dynamic HTML Hot Topic At Show」(3/7,TechWire:CommunicationsWeek)によると、MicrosoftとNetscapeがそれぞれDynamic HTMLのβバージョンを公開するという。どちらがスタンダードを取れるかが、今後の焦点となりそうだ。もうひとつのポイントは、分散オブジェクト技術。「CORBA vendors to coordinate efforts at Internet World」(3/7,InfoWorld)によると、米SunSoft社、米Oracle社、米IBM社、米Visigenic Software社、米Iona Technologies社などが、CORBAのインプリメンテーションで、インタオペラビリティを確立するための発表を行うそうだ。もちろん、これがMicrosoft対抗であることは言うまでもない。ちなみに、Internet Worldは今週10日から14日までロサンゼルスで開催される予定だ。


●Wintelが仕掛けるCeBIT

 もうひとつ、今週の注目イベントは13~19日にかけてドイツのハノーバーで開催される「CeBit」だ。先週も伝えたが、今年はIntelとMicrosoftがCeBITを戦場に選んだこともあって、一気に盛り上がる気配を見せている。「Intel to ship Pentium II early May」(3/4)によると、米Intel社はPentium IIプロセッサのデモを行うが、出荷時期等に関してもなんらかの発表を行う可能性があるという。

 また、Microsoftも、NetPCの発表をCeBIT期間中の3月19日に行うと複数のソースが伝えているが、それに関連して、MicrosoftがHPのネットワーク/デスクトップ管理技術「OpenView」を取り込むという発表も行われるというニュースも流れている。「Microsoft to team with HP to bring LAN-based management features to Windows」(3/6,InfoWorld)。だが、これは予想されていたことだ。MicrosoftのNetPCとZero Administration Windows構想のパートナーの筆頭にはHPが入っており、そして、HPの強力な武器と言えば業界屈指のツールOpenViewだからだ。一連の発表で、NetPCとZero Admin Winは、NCへの単なるけん制でなく本物になり始めるのかな?


●今週のセキュリティホールはいくつ?

 さて、先週の話題と言えばなんと言ってもセキュリティホール!! インターネット関連ソフトでの相次ぐホールの発見に、なんだかもうどうでもいいやと思った人も多いだろう。「That Was The Buggy Week That Was」(3/7,TechWire)によると、先週Internet Explorerに発見されたセキュリティホールは全部で3つ。いずれも発見者が学生だったというところがいい。また、JavaSoftもセキュリティホールをひとつフィックスした。「JavaSoft finds, fixes security hole in JVM」(3/6,InfoWorld)。やはりこれは、バグ取りコンテストを開くのが一番なのでは。


●Intelのチップセット戦略

 Pentium IIプロセッサが見えてきたことで、ニュースサイトのIntel製品戦略への関心はチップセットとマザーボードに移りつつある。「Intel To Cut Prices」(3/8,TechWire:Computer Reseller News)の報道によると、Intelは5月にはPentium II用の440FXチップセットを、8月には次世代の440LXを出すという。さらに、来年は次世代Pentium II(コード名Deschutes)向けに、100MHzのシステムバスが可能な440BXマザーボードも用意するそうだ。Deschutesでは、Pentium IIで採用されるSLOT-1以外に、サーバー向けのSLOT-2用ボードも登場するというから話は複雑だ。さてはて、一体、いつマシンを新調していいのやら。


●Microsoftがライセンス料引き上げ!?

 Microsoftがまたライセンス料を引き上げようとしている。いやいや、Windows 95やOffice 97ではなく、Windows 3.1の話。「Microsoft Puts Squeeze On Windows 3.1 OEMs」(3/7,COMPUTER RESELLER NEWS)のスクープによると、Microsoftはハードウェアメーカーに対するWindows 3.1のライセンス料をほぼ2倍に引き上げようとしているのだそうだ。米国では相変わらず企業ユーザーはWindows 95やWindows NT WSを信用せず、Windows 3.1を使い続けている。その状況をなんとか打ち破り、32ビット環境に移行させよというわけだ。でも、Windows 3.1を使い続ける気持ちもわかるゾ。


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('97/3/10)

[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp