【リレー連載 物欲道修行記】


リレー連載 物欲道修行記

第22講 非衝動買い派 師範:西川和久

 今回から、西川和久師範にご登場いただくことになりました。西川和久氏というと、「Win/Vの」というイメージが強いのですが、ご本人はまったくそういった過去の業績にはこだわっていなくて、'96年からすっかりカメラ道にはまっておられます。

 そんなわけで、「最近パソコン関連はそんなに買ってないから」とおっしゃる西川氏ですが、余りの機材で1台組み立てたりしていることがPC Watch新年会で発覚。「そうは言っても、月イチくらいはなにか買ってますよね~」ということで編集部が押し切り、このリレー連載に加わっていただくことになりました。今後どんなブツが出てくるか、編集部でも楽しみです(ちなみに、西川師範がこのところたくさん買っている銀塩写真のレンズなどは禁じ手とさせていただきました)。(編集部)


'96年最後の秋葉原、さて何を買おうか!?

 1996年も残りわずかとなった12月29日(日)、秋葉原へパーツを買い出しに行ってきた。最近パソコンの周辺機器は会社から近い渋谷で事が足りてしまうため、あれだけ毎週通っていた秋葉原も、ここのところ数ヶ月に一回パーツを買いに行く程度になってしまった。当日いざ、買いに行く事を考えるとあまり「これ!!」と言って欲しい物も無く、筆者の事務所内を見渡して、あれば有効そうなパーツを3点見繕って出かける事にした。ざっと見積もって総額約10万円の買い物となりそうだ。


●やっぱりPhotoshopは128MB欲しい

 筆者のメイン・マシンはPentium Pro 200MHz、メモリは64MBとなっている。通常の事務的処理なら十分なメモリ容量である。が、何故か去年の後半からPhotoshop 4.0βが常駐ソフトになっているためメモリ不足でHDDにスワップがビシバシ発生する。「本業はパソコン関係なのにどうしてPhotoshop??」という話は抜きにして、まずここから環境改善することにした。

 このマシン、マザーボードは少し古くIntel製でPerformance/AUと呼ばれる物だ。4枚のSIMMが付けられるが、困ったことに全て同じタイプにしなければならない。32MB×2=64MBの構成にしているので、32MB×4=128MBにするしか選択肢はなく、「まあ、32MB SIMMもここにきてかなり安くなったので、思い切って128MB構成に」と32MB SIMM2枚を買ってきた。

 SIMMをマシンに取り付けてビックリ!! Photoshopがキビキビ動く。例えば、EPSON PM-700CでA4いっぱいに印刷するのに、解像度360dpiの場合に必要なドット数は約3,800×2,800、なんと画像一枚表示するのに30MB程のワークエリアが必要となる。64MBマシンでWindows 95を起動すると残りは40MB程度になり、何か少し作業をするだけで、もうスワップの嵐となるのだ。ところが、128MBに変身したこのマシンではほとんどスワップも無く快適に、そして素早く作業が終了するではないか!! こんな事ならもっと早く増設しとけば良かった……。


●EOS DCS 3cのバックアップはPDで決まり

 筆者の愛機、Canon EOS DCS 3cで撮った写真データも半年ほどでかなりの量になってきた。そろそろデータを整理しないと、2.0GBのHDDも画像ファイルで一杯になってしまう。MOやZipなど、一般的なバックアップ・メディアも候補に上がったが、容量不足でかえって整理が面倒になりそうだ。と言うのも、このEOS DCS 3cはPCMCIA Type3のHDDが使えるので、現在のところ最大容量340MBとなり、フルに撮影すると一つのHDDで247枚写すことができる。また、調子に乗って撮影しだすとすぐに300枚を超えるため、少なくとも400MB以上の容量を持つ安価なバックアップ・メディアにしなければならないのだ。そうなるともう解は一つしかなく、PDドライブで即決となる。

 PDドライブはCD-ROMとPDとが併用でき、PDの容量は640MB、しかも一枚3,000円程度である。また発売当初はドライブ自体かなり割高感もあったが、最近では6倍速モデルでさえも5万円程度、旧モデルの4倍速版は3万円台とお買い得になってきた。自宅に4倍速モデルを持っている筆者は「どうせなら速い方」と迷わず6倍速モデルを購入した。

 この6倍速モデル、CD-ROMの速度だけではなく、PD自体も高速になっている。厳密に計ったわけではないが、自宅の4倍速モデルと比較しても、ファイルの削除、コピーなどすべてにわたって体感的に2倍程度速い。これならイライラせずに快適にバックアップできるだろう。


上、6倍速PDドライブ
下、Nikon CoolScan II

バックアップしてある画像は
こんなのばっかり。

●HDD追加したらマシンが一台出来上がり

 さて、最後はEIDE 2.0GB HDD/IBM DAQA-32160を購入した。理由は部屋の中をガサガサ物色した結果、

  1. 16MB SIMM×4
  2. Intel Advanced/EV (Pentium 133MHz with 256KB cache、SB16相当付き)
  3. メイン・マシンへPDドライブを付けたため、余ったIDE8倍速CD-ROMドライブ
  4. Mach64/4MB
  5. 3com Etherlink III/PCI
  6. Adaptec AHA-2940
  7. 3.5inch FDD付きケース

これだけのパーツが見つかり、あとHDDを付ければそこそこのマシンができる事を発見(?)したのだ。AHA-2940もあるのでSCSIタイプも検討したが、少し割高になるのでEIDEのHDDを選択した。組み立てて驚いたのは、ISAを一切使っていない事である。社内のマシンどれを見ても必ずNetworkかSound関係でISAのカードが一枚は入っているが、このマシンは社内初の“PCIだけを使ったマシン”となった。

 作動するのを確認してWindows 95を入れたものの、既にマシン余り状態に突入しつつあるので、今のところ何に使うわけでもなく床に転がっている。Pentium 133MHzとは言え、メモリ64MBもあるので「Solaris 2.5.1かFreeBSDでもインストールしようかな!?」と考えているのだが……。


新たに購入したHDD
最近容量の少ないドライブは売ってない

年末組立てたマシンの全貌
ISAが全部空いている

[Text by 西川和久]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp