今回の広野師範のネタはPHS。ポケベルとPHSのハイブリッド端末PALDIO PxP103Pだ。この業界には、携帯電話、PHS、ポケベルの3つを持ち歩いている方が多い。PxP103Pなら、これがふたつで済むというわけだ。
ところで、前回、広野師範は結婚されて物欲道に影響があるのか?、と書いたが、編集のゲットしている情報によると、すでに結婚まえから同居されていて、4年越しのおつきあいということなので、あまり変わりはないだろうと実際は思っていたのだ。しかし、広野師範の今回の原稿によると「影響ありまくり」とのこと。やはり結婚するとパワーバランスなどがまた違ってくるのだなあ、と人生の勉強もさせていただいたのであった。(編集部)
本当はNTT DoCoMoのデジタルの新しい携帯電話(N202)が折り畳み式でおまけに前のバージョンよりも小さかったので欲しかったんだけど、「いま使っているので十分でしょう」と嫁さんにみごとに止められてしまった。彼女の携帯のほうが小さいのにー。このPHSは嫁さんの目をかいぐぐって購入したものだ。というわけで、前回PC Watchの担当者に「結婚で物欲修行記に影響があるのか!?」と書かれてしまったのだが、もー影響ありまくりーだったりするのだ。物欲と結婚は反比例するのかもしれない。
いつも、この3つを携帯しているので「とってもかさばっていた」のが問題と言えば問題。そんなとき目についたのがNTTパーソナルのPALDIO PxP103Pだ。このPHSはPHSとしての機能に加えポケベル(NTT DoCoMo)を内蔵している。つまり、こいつを使えば持ち歩く機器が一つ減るわけだ。これははっきり言って大きなメリットだ。
ここで簡単にPxP103Pの仕様を紹介しよう。PHS部分の基本的な仕様は他のPHSとほとんど差異はない、トランシーバモードにも対応し、電話帳機能(50人分登録可能)もある。また、セルラーケーブルとモデムを使った通信も可能だ。
ポケベル部分の仕様はNTT DoCoMoのメッセージ表示タイプと同様。フリーワード9文字と定型伝言(30種類)の受信が可能だ。また、バッテリーが少なくなったときに自動的にPHS部分の電源を切り、ポケベル部にだけ電源を供給したり、ポケベルに送信された番号にワンタッチで電話をかける機能もある。
さらに電源の供給はPHS+ポケベル、PHSのみ、ポケベルのみの3つのモードがあり、状況に合わせて使い分けることができる。もちろん、待ち受け時間はポケベルモードにしたときが最も長い。ポケベルを使っていたときは肝心なときに電池切れで使えないなんてことも良くあったが、PHSだと常に充電するくせがついているので、よほどのことがない限りバッテリがなくなって使えないという経験をすることはなくなった。なにより、電池を買いに行かなくていいのが良い。
ちなみに、この端末を使っての契約はNTTパーソナル(PHS部)とNTT DoCoMo(ポケベル部)両方と行う必要がある。そのため、月々の基本料金はPHSの基本料金とポケベルの料金の両方がかかるというわけだ。
常々思うんだけど、携帯とかPHSを購入するときって、カタログスペックと店頭のモックアップだけがたよりで、実際に使ってみることができないのが現状の販売スタイルだよね。特に量販店なんかだとそういう傾向が顕著なんだけど、これははっきりいって頂けない。やっぱり、気に入ったモノを買うときは、心行くまで使ってみてから買いたい。このあたりの販売形態は是非改善して欲しいぞ。
実際、このPHSを購入するときもモックアップを見て、お店の人にマニュアルを見せてもらってはじめてメッセージの送信機能があることを知ったのだ。ちなみに、携帯電話やPHSを購入するときは、カタログやスペックだけを頼りにするのではなく、お店の人からマニュアルを見せてもらって、それから最終的に判断することをお勧めする。
さて、話題が別の方向に行ってしまったが、PxP103Pではポケベルに送信するメッセージはあらかじめ10種類まで登録することができる。ポケベルに電話をかけ、登録したメッセージを選ぶと、そのメッセージをダイヤルトーンに変換して送信してくれる。つまり、コード表を見ながら一生懸命ボタンを押しまくるなんてことも必要ないわけだ。
ところで、ポケベルを活用している女子高生は各社のポケベルのコード表を覚えていてコード表を見ずにメッセージを送信するワザを身につけているなんて話も聞くが、さすがにコード表を覚えるほどハマってはいないのでこうした機能は便利に使うことができる。実際この機能はけっこういい。たとえば「オハヨウ」とか「コンバンワ」なんてメッセージを登録しておけば、実に簡単にそのメッセージを送ることができる。ベルトモをたくさん持っている人には便利な機能だ。そんなわけで、実際この端末は女子高生必携のツールなのかもしれない(結構高いけどね)。
ちなみに、マニュアルではフリーワードが送れるのはDoCoMoのポケベルだけってことになっている。つまり、フリーワードの変換はフリーワードの開始が*2*2、終了が*8のパターン。そのため、DoCoMo以外でもこのパターンを採用しているポケベルにはもれなく送ることができるというわけだ。このパターンのコードを採用しているのはNTT DoCoMoや東京テレメッセージなどだ。つまり、相手がNTT DoCoMoか東京テレメッセージならばあらかじめ登録しておいたフリーワードをワンタッチで送信することができるというわけ。ちなみに、NTT DoCoMoと東京テレメッセージはフリーワードのコードが一緒なのだ。
また、相手がNTT DoCoMoのポケベルならばフリーワードに加え定型伝言もワンタッチで送信することができる。なお、NTT DoCoMoのポケベルはポケベルに電話を掛けたときに「#を二回押してください」、テレメッセージのときは「#を押してください」ってメッセージが流れるので、これで判断することが可能だ。
元々PHSは回線品質がかなり良い。携帯電話とPHSの回線品質を比べてみるとあきらかにPHSのほうが回線品質が良いのがわかるハズだ。また、通話料金も携帯電話ほど高価ではないためモバイルコンピューティングに向いているといえるだろう。実際にPHSで通信をしてみると、電波状態のかなり良いところで14400bpsから16800bpsの速度で通信をすることが可能だ。さすがに、この速度でネットサーフするというわけにはいかないが、メールの確認だけならば十分実用的だ。なにより、どこでもメールを送受信できるという安心感もある。
[Text by 広野忠敏]