カッコいいデザイン
ISDN TAはモデムと違い、単にインターネットに接続するためだけの道具ではない。アナログポートに電話機やFAXを接続するため、いわば回線の要のような存在でもある。しかし、国内で販売されるISDN TAの多くはモデムとほぼ同じか、それ以下の表示機能しか持っていない。
サン電子のTS128GA2を見ると、まず目に入るのが前面の液晶パネルだ。業務向けの高価な製品には液晶パネル付のISDNターミナルアダプタもあるが、3万円台の製品(標準小売価格は3万6800円)に搭載されてくるとは正直言って驚いた。この液晶パネルには、通信速度やDTE速度、発信者番号、通話時間及び電話料金、回線切断理由、通信ポートの使用状況などがリアルタイムで表示される。ISDNターミナルアダプタはどうも事務機器的な地味なものが多かったが、液晶パネルひとつでかなり趣が違う。なかなかカッコいい製品と言えるだろう。
TS128GA2はまだ初期出荷の段階で、市場にはそれほど数が流通していないが、すでに3万円を切る価格を設定しているショップもある。外付けDSUが添付されたパッケージ(標準小売価格:5万6800円)も販売されており、こちらは5万円前後といったところだ。
さて、簡単に基本スペックを紹介しておこう。
項目 |
諸元および機能 |
備考 |
接続回線 |
INSネット64 |
終端抵抗内蔵 |
交換形態 |
回線交換、Dチャンネルパケット |
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使用チャンネル |
B,Dチャンネル |
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デジタル ポート |
ポート数 |
1 |
D-Sub25ピン |
制御コマンド体系 |
拡張ATコマンド |
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非同期通信速度 |
1.2/2.4/4.8/9.6/19.2/38.4kbps |
ITU-T V.110準拠 |
同期通信速度 |
64/128kbps(非同期/同期PPP変換機能による) |
128kbpsはMP対応 |
サービス機能 |
着信自動判別、短縮ダイヤル、オートコールバック、識別着信、 ユーザー間情報通知、自己アドレス、自己サブアドレス |
Dチャンネル パケット通信対応 |
アナログ ポート |
ポート数 |
2 |
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対応ダイヤル方式 |
プッシュホン |
各種設定も可能 |
供給電圧 |
24V |
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フレックスホン |
コールウェイティング |
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ダイヤルイン |
対応 |
グローバル着信 選択機能あり |
内線 |
通話及び転送に対応 |
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その他 |
サブアドレス、電話機からの各種設定、 アナログポート優先着信設定選択 |
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メンテナンス機能 |
自己診断、フラッシュEPROM搭載 |
ファームウェアの バージョンアップ対応 |
電源 |
AC100V(本体内蔵) |
消費電力約5W |
外形寸法/重量 |
155(W)×43.8(H)×203.5(D)mm/約600g |
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ちなみに、アナログポートの内線転送については、マニュアルに記載されていないが、開発終了直前に盛り込まれたそうだ。操作方法などについては、後日、サン電子のホームページやNIFTY-Serveのモデムベンダーフォーラム(FMODEMVA)などで公開されるはずだ。
意外に見づらい液晶パネル
筐体は最近のTAにしてはやや大きめで、MN128よりもひと回り以上大きい。しかし、邪魔になるサイズではない。むしろ、個性的なデザインがされているため、存在感があるという方が適切かもしれない。本体前面には最初にも触れたように、液晶パネルが装備され、その上にLEDが並んでいる。
背面は上の写真のように端子類が並んでいる。右からISDN端子、RS-232Cインターフェイス、そしてアナログポートが2つとアース端子だ。電源部は本体に内蔵している。右側面には電源スイッチ、底面にはディップスイッチが装備されている。ディップスイッチは終端抵抗のON/OFFやDTE速度などの設定をするときに使うため、一度セットしてしまえば、あまり触ることはない。
注目の液晶パネルだが、これが意外に見づらい。パネルそのものが筐体の最前部より少し奥まったところにあるため、LEDが格納されている付近の出っ張りで影になってしまうのだ。左の写真もかなり上に傾けて撮ったが、やはり出っ張りの影が出てしまった。しかもバックライトがないため、近づいてのぞき込まなければ、文字が読めないのだ。アイワや