もちろん、このデバイスは、まだまだ単体で10万円と高価なため、パーソナル向けデジタルカメラに採用されるような段階ではない。しかし、だんだんと130万画素CCDという世界が近付いてきたことを実感できるデバイスとして注目される。しかも、デジタルカメラ用として使いやすいように、ちゃんと全画素読みだしの正方画素CCDになっている点がうれしい。なにしろ、オリンパスの81万画素にしろ、キヤノンの57万画素にしろ、デジタルビデオ用CCDを流用しているため、長方画素だし走査線ごとの読み出しになるため、画質やシャッター機構上も専用CCDに比べて不利な点が多い。
そこの説明員の私見では、今年がVGA、来年がSVGA、再来年がXGAという感じになるのでは・・・と話していたが、そのペースならばこのCCDもパーソナルになる可能性があるのかもしれない(ちなみに、130万画素だと、約1000×1300ピクセルくらいになり、XGAよりもかなり広い)。けれど、時代は、たぶん、いや、きっと、もっと速いペースで進化しそうだ。
しかも、このCCDは2/3インチで、一画素が6.7ミクロンになるという。ということは、その性能をフルに発揮するには、かなり高精度な光学系を採用する必要がある。このあたりも問題だ。とくに、ズームレンズでこの性能をクリアするのは、相当にきついだろう。
けれど、結局、どんなにユーザー側が欲しがっても、CCDを供給できるメーカーがないことには、製品化などできるわけがない。私としては、今回のエレクトロニクスショーに出品していないメーカーに、そのあたりを期待しているのだが・・・。来年が楽しみだ。
□ソニー(株)のホームページ
http://www.sony.co.jp/index-j.html
□ソニーによる資料
http://www.sony.co.jp/Exhibition/SC-HP/CX-Mail/DM/No4/ICX085AK.html
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[Reported by 山田 久美夫 ]