2000枚撮れる!という点が大きな売りになっていた、シャープのMDデータカメラ「MD-PS1」。そんなに撮れてどうするの?という声が聞こえてきそうな、ちょっと不思議な感じがするデジタルカメラだ。なにしろ、現時点では参考出品であり、価格も発売時期もすべて未定という。
”目のつけどころが違うでしょ?”というシャープだけに、なにか考えているに違いない。なにしろ、ソニーだって、MDカメラをサイバーショットより先にWindows Worldで見せておきながら、時期尚早と判断したのか? 実際にでてきたのは、もっと魅力的なサイバーショットだったんだから・・・。
シャープはなにを考えているのか? ほんのちょっと考えてみた。
いま、デジタルカメラのポイントは、「CCD」「液晶」「記録媒体」「バッテリー」の4つのデバイスにかかっている(デザインや操作性はセンスの問題だ)。このなかで、記録媒体は比較的、バリエーションが出そろっており、どれを選ぶか?という選択に時代に入っている。つまり、現状では「PCMCIAカード」「コンパクト・フラッシュ」「SSFDC」「ミニチュアカード」と、この「MD」がある。
このなかで、現在唯一、記録媒体そのものをフィルムと同じように、最終的な保存用メディアとして使えそうなものは、たぶん「MD」しかないだろう。なにしろ、140MBもあるし、記録媒体もまあまあ安い(でも、音楽用MDとは別規格なんだよね)。これなら、記録しっぱなしで、他のメディアに転送する必要もない。
しかも、カメラ自体をMDドライブとして利用できるようにすれば、カメラをパソコンの外部記録装置として使うことだってできそうだし、音楽MDも再生できるからそっちの用途にも利用できそうだ。
あとは、サイズとデザインとバッテリー駆動時間がクリアされれば、これ一台でMDも聞けるし、写真も撮れるし、ドライブにもなるので、結構魅力的かもしれない(ドライブとしてはちょっと遅くて容量が小さめだけどね)。そう考えると、MDカメラも悪くない選択だ(でも、このままのスタイルで商品化されたら、×だね、きっと)。そのため、このMDカメラは、これから大きく化ける可能性もあるし、全然まと外れになる可能性もある。
もっとも、今回はカメラだけでなく、何枚かの写真を自動的につなげてパノラマ化するソフトも同時に発表していた。実は、まだお届けしていない「フォトキナレポート 第二弾」(もうちょっとお待ちください!)では、キヤノンがこのタイプの優れたソフトを発表しており、今後はデジタルカメラと、その特徴を生かすソフトとの連携が大きな鍵を握る可能性がでてきた。
いずれにしろ、もし、メーカーとユーザーの、目のつけどころが同じなら、このMDカメラもヒットするのかな?
□シャープ(株)のホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□シャープによる資料
http://www.sharp.co.jp/sc/event/events/e-show/text/repo12.htm
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【1996/10/1】シャープのMDデジタルカメラ「MD-PS1」(編集部によるレポート)
[Reported by 山田 久美夫 ]