台湾で何かが起こる? Computex Taipeiに注目

●Acer版500ドルパソコンが登場か?

 5月後半、台湾のAcer社が500ドルのPentiumパソコンを6月に発表するというニュースが駆けめぐった。ニュースサイトの記事によると「AcerBasic」と呼ばれるこのマシンは、4MB DRAMを搭載、OSにDOS+Windows 3.1を採用し、テレビにもパソコン用ディスプレイにも接続でき、そして……ここがいちばん変わっているところなのだが……ハードディスクの代わりに100MBのZipドライブを搭載するというシロモノだった。
 この騒ぎは、Zipドライブの製造元である米Iomega社の株が急騰するというオマケまで産み出して、結局、米国では売らないというAcerの米国法人のコメントで火が消えた。しかし、6月に台湾で何かが起こるという期待はまだくすぶっている。それは、今週6月6日から台湾最大のコンピュータショー「Computex Taipei」が開催されるからだ。
 Computexと言えば、ラジカルな台湾メーカーのユニークな製品や参考出品が見られるショーとして、このところ日本でも関心が高まっている。たとえば、PowerPCへの期待が高まった時には、PowerPCパソコンやマザーボードが登場した。そして、今年の話題は、Network Computer(NC)やNCライクの超低価格パソコンとウワサされている。たとえば、AcerはSunのJavaOSのライセンスも受け、情報家電を開発するとコメントを寄せている。また、NC規格のライセンスを受けるメーカーには、Acerだけでなく、Tatung社やMitac社といった台湾の大手メーカーがいちおう名前を連ねているからだ。実際に、ニュースサイトのなかには、ComputexでAcerがNCをOEM先に公開するという情報を流しているところもある。
 Computexでもうひとつウワサになっているのは、米Cyrix社だ。同社が高速版のMPU新製品を発表するのではという観測は、決して根拠のない話ではない。というのは、昨年のComputexで、同社は5x86を正式に発表、台湾メーカー各社が5x86搭載マシンをショーで並べたからだ。
 何が飛び出すかわからないComputex。今年はとりあえずAcerとCyrixに注目か。

台北市コンピュータ同業組合によるComputex Taipeiの案内(日本語)
AcerのWWWサイト
CyrixのWWWサイト

('96/6/3)


[Reported by 後藤 弘茂]


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